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2019.08.22

乗り鉄旅へ。観光列車「伊予灘ものがたり」で瀬戸内の絶景と大洲・八幡浜の町歩き【愛媛】

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美しい瀬戸内海を眺めながら愛媛県内を走る、JR四国の「伊予灘(いよなだ)ものがたり」。この列車は、土曜・日曜と祝日を中心に、松山駅から伊予大洲(いよおおず)駅、松山駅から八幡浜(やわたはま)駅と、1日2往復、計4便が運行しています。

絶景列車に乗って、車窓からの眺めと車内グルメを楽しんだ後は、「伊予大洲」「八幡浜」の2つの町を散策…。急がずあせらず欲張らず、目の前に広がる絶景をゆっくりと眺めながら、移動も滞在もまるごと楽しめる旅のプランをご紹介します。

絶景列車「伊予灘ものがたり」とは?

伊予灘ものがたり

愛媛県の松山市、山口県の周防大島(すおうおおしま)、大分県の国東半島に囲まれた伊予灘に沿って走る「伊予灘ものがたり」は、絶景と車内での食事が楽しめる観光列車。2014年にJR四国初の観光列車として誕生して以来、風光明媚な車窓の景色、レトロな車両デザイン、乗車アテンダントによるきめ細かなサービスなど、さまざまな面で高く評価されています。

伊予灘ものがたり

車両は2両編成と短いのですが、1号車には畳席もあります。車窓から絶景が楽しめるだけでなく、地元食材などによる食事やスイーツを事前予約制で楽しめるグルメ列車でもあって、すべての座席がテーブル席。砥部焼の食器で愛媛の銘菓や銘酒を楽しめ、沿線を彩る菜の花や桜、つつじ、ひまわりなど季節の花々が旅情をそそります。

伊予灘ものがたり

走行中は、大洲城で振られるのぼり旗や、肱川(ひじかわ)の河原から手を振ってくれる子どもたちが見られ、民家の脇を走る区間では、家の窓を開け放して見送ってくれる姿も。地元総出による歓迎は、ちょっとこそばゆいながらも、気持ちのいいものです。

観光列車「伊予灘ものがたり」のルートと時刻表

伊予灘ものがたり

土日祝日を中心に運行する「伊予灘ものがたり」は、朝に松山を出発して伊予大洲が終着の「大洲編」、松山への復路が「双海編」、午後に松山を出て八幡浜まで行く「八幡浜編」、夕方の八幡浜から松山への復路「道後編」と、1日2往復4便。すべてに異なる食事が用意されているのも特徴です。

  • 「大洲編」松山(8:25)→伊予大洲(10:28)
  • 「双海編」伊予大洲(10:51)→松山(13:11)
  • 「八幡浜編」松山(13:28)→八幡浜(15:52)
  • 「道後編」八幡浜(16:06)→松山(18:21)

※発車時刻は変更する場合もございます。詳しくは公式サイトをご確認ください。

「松山駅」から「八幡浜駅」へ、観光列車で絶景を巡る

車窓の絶景を楽しむための「伊予灘ものがたり」は、見どころポイントで停車したり、徐行したりして、のんびり進みます。そんな観光列車の見どころポイントを、松山駅から八幡浜駅までのルート順にご紹介します。

絶景旅のはじまりとおしまいの「松山駅」

伊予灘ものがたり

「伊予灘ものがたり」は、1号車茜の章(左写真)と2号車黄金の章(右写真)の2両編成。おしゃれな制服に身を包んだアテンダントの女性の案内で、指定の席へ着くと、車内は海側にカウンターの展望シートと4人がけボックスシート、山側は景色が見やすいよう床が一段高いふたりがけの対面シートになっています。

一番の絶景ポイントは海に面した「下灘駅」

伊予灘ものがたり

「伊予灘ものがたり」でも最高の絶景ポイントが、「日本でいちばん海に近い駅」といわれている下灘駅です。まるで海辺にホームがあるかのように見えるこの駅では、数分停車してくれるのでホームに降りることができます。海をバックに車両と一緒に記念撮影したり、ホームに設置されているミラーに映った海を撮影したりと、「映え」する写真を撮るチャンス!

「下灘駅」では夕焼けと出合えることも!

伊予灘ものがたり

八幡浜からの帰路、松山へ夕方出発する「道後編」に乗車したら、こんな夕景と出合えました。時季によって太陽が沈む時間は異なりますが、茜色に染まる車窓や絶景を撮影することができるかも。

個性溢れる「串駅」「伊予長浜駅」「五郎駅」

伊予灘ものがたり

写真左/「串駅」付近の鉄橋の上で列車は最徐行になるので、鉄橋まで打ち寄せる波がよく見えます。

左/「伊予長浜駅」から穏やかな伊予灘を望む海岸線を走り、長浜大橋を過ぎると海辺から内陸へ進路が変わり、伊予大洲駅はもうすぐ。約1時間のオーシャンビューもここで終了です。

右/「五郎駅」ではなんと、たぬき駅長が見送ってくれるかも!?

海の風情が楽しい「伊予大洲駅」「八幡浜駅」

伊予灘ものがたり

写真左/「伊予大洲駅」近くの川の右側、高台に小さく見えるのが大洲城。「伊予灘ものがたり」の運行に合わせて大洲城からのぼり旗が振られます。ここに限らず、伊予の人たちは列車を見ると手を振って歓迎してくれます!

右/年間約40万人が行き来する西日本有数の八幡浜港の近くにある「八幡浜駅」は、風情のある港町。みかんの産地でもあり、シーズン中は山がみかん色に染まるのだとか。「伊予灘ものがたり」の車内でふるまわれることもあります。

城下町「伊予大洲」、港町「八幡浜」
異なる風情を楽しめる町歩きスポットをご紹介

「伊予灘ものがたり」に乗って車窓の眺めと車内グルメを楽しんだあとは、明治・大正・昭和と懐かしい時代の面影を残すふたつの町、城下町・大洲と港町・八幡浜を散策するのがおすすめです。風情の異なる2つの町の、それぞれのおすすめスポットをご紹介します。

小京都とも呼ばれる城下町「伊予大洲」

大洲城のある伊予大洲は、伊予の小京都とも呼ばれている城下町。武家屋敷やなまこ壁の土蔵が並び、藩政時代のままの通りや明治・大正時代の面影が残っています。

伊予大洲歩きに欠かせない2軒

伊予灘ものがたり

写真左/明治の近代化を表す建物「おおず赤煉瓦館」(愛媛県大洲市大洲60 公式サイト)。休憩所もあります。

右/江戸末期の蔵を利用した「大洲炉端 油屋」(愛媛県大洲市大洲42)。のランチでは郷土料理のさつま汁がおすすめ。

伊予大洲の観光名所「臥龍山荘」

伊予灘ものがたり

肱川の対岸から望む「臥龍山荘(がりゅうさんそう)」(愛媛県大洲市大洲411-2 公式サイト)。町並みを楽しみながら歩いた後は、臥龍山荘のひと間でひと息。まさに列車での旅にふさわしい、ゆったりとした時間が流れていきます。

大洲で人気の温泉

伊予灘ものがたり

町から車で約20分の山中にある旅館「小薮(おやぶ)温泉」(愛媛県大洲市肱川町宇和川1433-1 公式サイト)。大正の木造建築と美肌湯になごむ。

伊予の大阪と呼ばれた産業の町「八幡浜」

八幡浜は宇和海に面した港町。「伊予の大阪」といわれるほど栄えた四国有数規模の魚市場があり、明治・大正・昭和の貴重な建築が並ぶ歴史と産業の町です。

八幡浜歩きに欠かせない2軒

伊予灘ものがたり

写真左/あっさりスープに太めの中華麺、たっぷりの野菜がのった八幡浜のソウルフード、ちゃんぽん。その元祖が昭和23年創業の「丸山ちゃんぽん」(愛媛県八幡浜市371-9)。昆布と削り節でとった出汁に鶏ガラでまろやかさを加えたスープが絶品。

右/木造モルタルの近代建築が見事な「旧下司(きゅうげし)医院」(愛媛県八幡浜市浜之町182-2)は商店街に位置する。

八幡浜を見守ってきた神様仏様

伊予灘ものがたり

写真左/昔の風情が残る商店街を見下ろすように立つ「大法禅寺」(愛媛県八幡浜市浜之町182-2 公式サイト)。

右/海を守る「八幡浜神社」(愛媛県八幡浜市矢野神山510 公式サイト)。

八幡浜の海に幸を満喫!

伊予灘ものがたり

道の駅・みなとオアシス 八幡浜みなっと」(愛媛県八幡浜市沖新田1581-23 公式サイト)には一般客向けの魚市場「どーや市場」と、地産の野菜や加工品が並ぶ「アゴラマルシェ」が。食堂とフードコートがあり食も充実。

観光列車「伊予灘ものがたり」情報

伊予灘ものがたり

※土曜・日曜・祝日など指定日のみ運行
※全席指定、1日2往復4便、定員各便50名
※食事券は要予約、乗車の4日前までに購入が必要
公式サイト