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創業300年になる京風蕎麦の老舗で茶味を堪能
「晦庵と店名にあるのは、祖父(14代)が名付けた住まいに由来しています。余生を楽しむために普請(ふしん)した家なので、贅を尽くした町家になっています。母屋(おもや)の離れと庭を店として改修して、昭和7年にこの場所に蕎麦店を移して開業、今に至ります」と語るのは店主・植田 健さん。
元のやかたもさることながら、店に仕立てたしつらいも見事。舟型や網代編(あじろあみ)の天井に合わせて小上がりの間仕切りまで網代編に。タイルではなく、手で切り込み模様をつけた三和土(たたき)は黒々と輝いています。
通り庭の先には茶室の待合だった部屋から庭が一望できます。心ゆくまでここで過ごしていたい、という願望が叶うところもこの店の懐の深さ。昔ながらの蕎麦屋なので、通し営業でお酒も常備。〆(しめ)のおいしいお蕎麦までくつろぎの時間をどうぞ。
小上がりの席にある座布団が、夏になると真っ白に替わるのも壮観。光の差す角度も強くなり、通り庭をスーッと抜けていく風の心地よいこと。初めて訪れるならば、これから夏にかけての季節が特におすすめです。
店舗情報
晦庵 河道屋(みそかあん かわみちや)
住所:京都市中京区麩屋町通三条上ル
電話:075-221-2525
営業時間:11時〜20時
休み:木曜
公式サイト:http://kawamichiya.co.jp/
撮影/石井宏明 構成/藤田 優
※本記事は雑誌『和樂(2021年4・5月号)』の転載です。掲載商品は税込価格です。営業日や営業時間等変更の可能性がありますので、お出かけの際は最新情報をご確認ください。