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幼子から映画人まで通う創業100年超の老舗
「天狗堂海野製パン所」(西大路三条)
レトロな対面式のショーケースが目印の「天狗堂海野製パン所」があるのは、京都・壬生(みぶ)の三条通沿い。以前は多くの映画関係者がこの道で太秦(うずまさ)の撮影所に通い、店にも立ち寄りました。若かりし日の里見浩太朗(さとみこうたろう)も度々この店であんパンを購入し、撮影所に通ったひとりだそう。そんな華やかな逸話がある一方、近所の子供たちの〝はじめてのお使い〟の場になることが多いという話も納得の、優しい時間が流れる店です。
大正時代に創業した店は一昨年100周年。3代目の海野 滋(しげる)さん、謹子(きんこ)さん夫婦が営む店は、パンになじむようクリームもあんも自家製。
「世界一美味しい」とお客さんの口コミから評判になった「レーズンブレッド」は、1か月ラム酒に漬けたレーズンをたっぷりシロップごと練り込み、シナモンを隠し味に。採算度外視にも映る手間と素材使いにパンへの愛着を感じます。
ラム酒の香りが漂う「レーズンブレッド」
店舗情報
天狗堂海野製パン所(てんぐどううみのせいぱんしょ)
住所:京都府京都市中京区壬生中川町9
電話:075-841-9883
営業時間:7時~20時(売り切れ次第終了)
休み:日曜・月曜
※「レーズンブレッド」の焼き上がりは14時30分ごろ。前日までの電話予約優先。
撮影/伊藤 信 構成/川村有布子
※本記事は雑誌『和樂(2022年4・5月号)』の転載です。
※掲載商品は税込価格です。
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