桜の名所も多い、福島県会津若松市。お花見シーズンよりも一足先に会津若松を日帰り観光した和樂編集部の鳩が、おすすめスポットやお土産をまとめて紹介します。
東京駅から会津若松駅へのアクセス
東京駅から会津若松駅のアクセスは3つの方法があります。
日帰り旅行の場合は、所要時間が短く運賃も安い高速バスの利用がおすすめです。
(1)高速バスで会津若松駅へ
所要時間は約3時間30分。(片道2500円〜)
東京駅八重洲口から猪苗代駅を経由して会津若松駅へと向かうコースです。
時刻表や停留所の情報はこちら。
(2)郡山駅経由 新幹線で会津若松駅へ
所要時間は約2時間20分。(片道9800円〜)
北海道・東北新幹線または山形新幹線のほか、
郡山駅からJR磐越西線または高速バスを利用します。
(3)新潟駅経由 新幹線で会津若松駅へ
所要時間は約4時間20分。(片道12640円〜)
上越新幹線のほか、新潟駅からJR磐越西線を利用します。
日帰り旅行には向きませんが、宿泊するならこちらのコースもよさそうです。
会津若松の観光名所は?
今回私は郡山駅経由の新幹線で向かうことにしました。
(1)鶴ヶ城 (2)白虎隊十九士の墓 (3)さざえ堂 の3箇所を巡ります。
移動は主にタクシーを使いました。
※駅から各所へバスも出ていますが、本数が少ないので、事前に調べることをおすすめします。
▼まちなか周遊バス(あかべぇ・ハイカラさん)
時刻表検索・路線図はこちら
(1)鶴ヶ城(会津若松城)
まずはじめに訪れたのは、会津若松のシンボル「鶴ヶ城(つるがじょう)」。春には約1,000本の桜に囲まれる花見の名所としても有名なお城です。
鶴ヶ城の天守閣は5階建。現存する天守閣では国内唯一の赤瓦がポイント。
鶴ヶ城の歴史は、1384年に葦名直盛が鶴ヶ城の前身といわれる「東黒川館」を築いたのがはじまりとされています。戊辰戦争で1カ月に及ぶ激しい攻防戦に耐えた城として、その名を天下に知らしめた鶴ヶ城。戦争後の再建の歴史を振り返ると、ざっくりと以下のとおりです。
■1868年(明治1年)戊辰戦争
■1874年(明治7年)取り壊される
■1965年(昭和40年)鉄筋コンクリートで再建
■2001年(平成13年)江戸時代の工法・技術を用いて復元
■2011年(平成23年)に赤瓦へのふき替えが完了、幕末当時の姿が再現!
お城にあまり詳しくない私ですが、鶴ヶ城は歴史資料が充実していて、とても勉強になりました(城の下層部が博物館のようになっているのです)。城を訪れることで、会津若松全体の歴史の勉強もできるので観光の最初に訪れるのがおすすめです。
鶴ヶ城内もうひとつの見所、茶室「麟閣(りんかく)」
ちなみに鶴ヶ城の敷地内には、茶室もあります。
会津藩主・蒲生氏郷の茶道の恩師・千利休が自害したのち、氏郷が利休の子・千少庵を会津に招き建てた茶室「麟閣(りんかく)」です。現在は、お抹茶を600円で楽しむことができます。
麟閣は、平成2年に鶴ヶ城内に移築復元。県指定重要文化財です。
【鶴ヶ城 基本情報】
公式サイト: http://www.tsurugajo.com/
住所: 〒965-0873 福島県会津若松市追手町1-1
電話番号: 0242-27-4005(鶴ヶ城管理事務所)
営業時間: 天守閣への入場8:30~17:00(入場締め切りは16:30)
休園日: 無休
入場料: 大人410円(天守閣・麟閣共通券 大人510円)・小中学生150円
アクセス:
・路線バス(ハイカラさん・あかべぇ)「鶴ヶ城入口」下車 徒歩5分
・磐越自動車道:会津若松ICより 15分
・会津若松駅よりタクシー 10分
(2)白虎隊十九士の墓
鶴ヶ城から北東へタクシーで10分。飯盛山にやってきました。
この山の中腹には、戊辰戦争で活躍した「白虎士中二番隊」19名のお墓があります。戊辰戦争の際、戦場から脱却した白虎隊の少年たちは飯盛山に辿り着くと、主君の城から煙が上がっているのを目の当たりにします。絶望の最中、この山で全員が自決。20名のうち1人だけ生き残った飯沼貞吉によって、白虎隊の忠義と悲運の物語は今日まで伝えられてきました。
飯盛山から眺める会津若松の美しい街並み。白虎隊の少年たちの目には、どのように映ったのでしょうか。平和な街並みを一望しながら、彼らの最期に思いを馳せます。
ちなみに飯盛山のふもとには「会津の二大老樹」といわれる樹齢300年の桜「飯盛山太夫桜」があります。桜の見頃は、4月中旬頃。
この木の名前の由来には、白虎隊と同じくなんとも悲しいエピソードが。1626年(寛永3年)、若松城下の掘江町にいた「いつき太夫」という名妓が、花見のおりにこの辺で殺害され、その霊を弔うために墓側に植えられたのがこの桜。現在の樹は二代目と伝えられています。
(3)会津さざえ堂
さて、同じ飯盛山にもう一つの名所「会津さざえ堂」があります。
かつて飯盛山にあった正宗寺(しょうそうじ)というお寺の住職だった僧郁堂(いくどう)が考案し、1796年(寛政8年)に建設されたこちらのお堂。
高さ16mのお堂の中央には6本の心柱と6本の隅柱、3つの層。内部には一方通行の二重螺旋を備えています。
これは、世界的にも非常に珍しい建築構造なのです。
雪の残る冬のさざえ堂。花見シーズンに比べて冬は観光客も少なめで、じっくりと観賞できます。
螺旋のスロープに沿って「西国三十三観音像」が安置されていたことから、お堂をお参りするだけで三十三観音参りができます(効率的…!)。さらに、一方通行の螺旋構造によってたくさんの参拝者がすれ違うこと無く、安全にお参りできるという非常に理にかなった構造。この建築史上特異な存在が認められ、平成8年には国重要文化財に指定されました。
▼さざえ堂の詳しい解説はこちら
建築家・藤森照信先生が解説!日本建築人気ナンバー1「会津さざえ堂」の見どころは?
/travel/20180531/36168
【会津さざえ堂 基本情報】
公式サイト: http://www.sazaedo.jp/
住所: 〒965-0003 福島県会津若松市一箕町八幡滝沢155
電話番号: 0242-22-3163
営業時間: 8:15〜日没(4月〜11月) 9:00〜16:00(12月〜3月)
休業日: 無休
拝観料: 大人400円、高校生300円、小中学生200円
アクセス:
・路線バス(ハイカラさん・あかべぇ)「飯盛山下」下車 徒歩5分
・磐越自動車道:会津若松ICより15分
・会津若松駅よりタクシー 10分
会津若松のお土産は長門屋のかわいい和菓子
お土産を求めて、駅方面へタクシーで15分。
訪れたのは会津若松の歴史ある和菓子屋「本家 長門屋」。
開業は1848年(嘉永元年)。戊辰戦争よりも前に、この地で菓子店を営みはじめました。
こちらのお店で購入した和菓子は〈Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア〉。2017年にグッドデザイン賞も受賞した、人気の羊羹(ようかん)です。
パッケージは、福島県浪江町出身の日本画家・舛田玲香さんの描き下ろし。月や鳥の描かれた幻想的なデザインです。
箱を開けてみると、グラデーションの美しい羊羹が現れました。
ナイフを入れてみると…パッケージに描かれたファンタジーの世界が、羊羹のなかに閉じ込められています!
この羊羹、なんとカットするにつれ少しずつ絵柄が変化します。
夜の帳がおりていく空に、三日月は満月へと移ろい、
鳥がすこしずつ羽ばたいていく…。
時間の移ろいを感じさせる美しい羊羹は、女性へのプレゼントにぴったり。
素材にもこだわりが。使われているのは、会津産鬼くるみ、クランベリー、レーズン、レモン羊羹、シャンパンBRUT錦玉羹、あずき羊羹。価格は1本3,500円(税込)
こちらの羊羹、一口食べてみると紅茶やコーヒーはもちろん、洋酒にも合う!
ちょっぴり大人の味なので、お酒好きの人へのお土産にもおすすめです。
【本家長門屋 本店】
公式サイト:http://www.nagatoya.net/shopaccess
住所: 〒965-0865 福島県会津若松市川原町2-10
電話番号: 0242-27-1358
営業時間: 9:00~17:00
定休日: 年末年始を除き年中無休
アクセス: JR只見線 西若松駅から徒歩8分
郡山駅経由なら、絶対食べたい人気駅弁
旅の最後、郡山駅経由で帰るなら絶対に食べたかった人気の駅弁が。
それがこちら、郡山市にある福豆屋の「海苔のりべん」です。
地味なイメージの海苔弁ですが、侮るなかれ。こちらの商品、TBSテレビ「マツコの知らない世界」で紹介されたほか、JR東日本の駅弁56品を対象にした人気投票「駅弁味の陣2018」で最高評価に選ばれた逸品なのです…!
iPadよりもひとまわり小さい弁当箱。フタを開けると、出汁巻玉子、鮭、きんぴらごぼう、海老芋と人参の煮物…そして主役!海苔2枚の乗っかったフカフカごはんが、どどーんと現れます。
しっかりと厚みのある海苔の下には、おかか、ごま、さらにごはんの下には海苔がもう2枚、そして全体をぎゅっと〆る昆布の佃煮…! 一口食べれば、高い評価と人気の理由も納得。繊細な旨味が地層のように重なる海苔弁は、もはや駅弁の域を超えています。福島へ訪れる際は、ぜひご賞味あれ!
会津若松1日観光を振り返ってみて…
初めて訪れた会津若松。1日だけでしたが、ぐるっと見所を周ることができて大満足! 1つだけ欲を言えば、次回は3軒くらい喜多方ラーメンのお店と酒蔵を巡ってみたいところです。
タクシー運転手さんおすすめのラーメン店で昼食。おいしかった!
そうそう。実は、会津若松駅からタクシーで30分ほどの場所に「フェルメール会津木綿エプロン」でコラボしたIIE Lab.さんのファクトリーストアがあるんだそう。もし次に会津若松に訪れるなら、お花見シーズン。今度はIIE lab.さんでお買い物しようと心に決めた鳩でした。