栄華を極めた時代の面影が年月を経た今なお強く残される
ここはかつて津藩主・藤堂高虎(とうどうたかとら)の屋敷地であった場所。晩年の徳川家康の、天海僧正(てんかいそうじょう)とともに3人で魂を鎮める場所が欲しいという願いを叶えるために創建されました。現在の社殿や透塀、唐門は、慶安4(1651)年に3代将軍・徳川家光が造営替えをしたもの。日光までお参りに行くことができない江戸の人々のために、日光東照宮と同じ権現造(ごんげんづくり)の、豪華な金色殿を建立したのです。社殿を囲む透塀には、たくさんの動植物が彫刻でいきいきとあしらわれて。その姿を実際に目にすると、天下泰平な徳川時代に、入り込んだ気持ちになるかもしれません。
幕末の上野戦争や関東大震災、第二次世界大戦の東京大空襲などが起こる中でも、建物は倒壊することなく現存。まるで、戦乱の世を勝ち抜いた徳川家康の強運が続くかのような奇跡が、東照宮の美しい姿を残してくれているのです。
●うえのとうしょうぐう
住所:東京都台東区上野公園9−88
電話:03-3822-3455(社務所)
拝観時間:9時30分~17時(10月~2月は~16時)
拝観料:大人¥500
無休 透塀外での参拝時間は9時~17時30分(10月~2月は~16時30分)
※季節・天候により変更あり。荒天により安全のため閉門することもあり。
敷地内の「ぼたん苑」にちなんだ、ぼたん柄の開運守(緑)¥800など、お守りの種類も多く、選ぶのが楽しい。
uenotoshogu.com
※本記事は『和樂(2025年6・7月号)』の転載です。