ルーツは春日大社の茶店の〝浄め菓子〟千代乃舎竹村の「火燧焼(ひうちやき)」@ならまち

浄火(じょうか)したものを口にすることで心身を浄(きよ)め、参拝にのぞむ。春日大社(かすがたいしゃ)の茶屋でふるまわれていた「火燧焼」を今も伝えるこの店。
店は元禄14(1701)年創業、「上の絵で火をおこしている男性はうちの主人かもしれません」と笑う16代当主・竹村正さんです。
「火燧焼」の製法はいたってシンプル。上新粉(じょうしんこ)を練って蒸し、砂糖を加えます。伸ばした生地を丸くくりぬいて粒あんを包み、大きな丸の焼印を押して完成。
「昔からあるもんですから、凝ったものではないです。餅ではないので、打ち粉もなし。だんご生地の歯切れのよさを存分に味わい、焼きを入れると風味がまったく変わる面白さ。素朴ながらも味わい深いんですよ」
店のある「ひがしむき商店街」の〝東向き〟とは、興福寺を仰ぐように東向き限定で店が立ち並んでいたことに由来します。
商店街を抜けると三条通りへ、ここから春日大社の一之鳥居までは一直線。周辺を歩くと、春日大社、興福寺の門前町として栄えてきた店と街の歴史が実感できます。
「火燧焼」は秋の正倉院展と春の桜開花時期の期間限定品!

「火燧焼」販売期間中は、どうぞご予約を!


千代乃舎竹村 DATA
ちよのやたけむら
住所:奈良県奈良市東向南町22
電話:0742-22-2325
営業時間:10時~17時
休み:木曜
公式サイト:https://chiyonoya-takemura.jp/
★お取り寄せ:公式サイトより購入可(ただし「火燧焼」の賞味期限内に配送できる地域に限る)

