城下町から生まれた明治のハイカラ菓子 堀井松月堂の「きみごろも」@宇陀市大宇陀
「卵が大事です。昔から宇陀は養鶏がさかんだったと聞いていますが、鮮度のいい卵を入手するのが前提で。卵黄と卵白に分ける前段階の、手で割り入れるときにその卵の状態がなんとなく伝わる。その勘を頼りに、いつもの味に調えます」と語る4代目・堀井隆佑(りゅうすけ)さん。
砂糖やハチミツを加えて固めたメレンゲに、卵黄の衣をまとわせて焼き付けた「きみごろも」は、堀井さんの曾祖父(初代)が考案したもの。
明治35(1902)年に和菓子店として始まったのは確かですが、どこでこの菓子が誕生したのは不明。わかっていることは、焼く電力以外は手作業でないとこの味が出せないことです。
泡立てるにも「上から切るように、下からすくうように、横からも空気を入れる」という動きを続けること40分。
「その間に右手と左手を交換するし、父とも交代します。1日に4、5回仕込みをするのが精一杯」。
その甲斐あって、口に含むとシュッと消える唯一無二の食感ができあがるのです。
いつまでも続いてほしい手仕事の味です。
中はふわふわのメレンゲの「きみごろも」

まずは常温でこの食感を味わって。味変で凍らせても


堀井松月堂 DATA
ほりいしょうげつどう
住所:奈良県宇陀市大宇陀上1988
電話:0745-83-0114
営業時間:8時~17時(売り切れ終い)
休み:水曜、夏季休業あり
公式サイト:https://kimigoromo.com/
★お取り寄せ:電話でお問い合わせを
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