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2020.06.30

半夏生とは?2021年は何日から?意味や過ごし方を詳しく紹介!

この記事を書いた人

季節の変わり目のことを「土用」と呼び、「土用の丑にはうなぎを食べる」という食習慣などでよく知られていますね。では、梅雨の終わりの「半夏生(はんげしょう)」をご存知でしょうか。

半夏生は、江戸時代の農民たちが大切にしてきた雑節のひとつ。何とも不思議な名前ですが、次の季節を心地よく迎えるための習わしであるとともに、奥深い意味が込められているんです。半夏生の時期や意味、タコを食べる理由など、詳しくご紹介します。

2021年の半夏生は7月2日から

夏至から数えて11日目頃からの5日間が半夏生。毎年同じではなく太陽の位置によってその日が決まるのですが、2021年の場合は7月2日から始まります。

昔から、農作業の目安として「田植えは夏至の後、半夏生の前までに終わらせる」という言い伝えがあります。これは「半夏半作」とも呼ばれ、半夏生よりも後になると、秋の収穫量が減ってしまうとされてきました。

心身を休める「物忌みの日」

半夏生は「物忌みの日」とも呼ばれ、「天から毒が降る」と言われてきました。そこから、「働くことを控える」「井戸に蓋をする」「この日に収穫した野菜は食べない」などの習慣が生まれたのだとか。

地域によって「竹林に入ってはいけない(埼玉県)」や「妖怪がうろつく(三重県)」などさまざまな話がありますが、いずれにせよ「たくさん働いた農家の人たちが、休息を取るように」という意味が込められているようです。

また、半夏生はその直前に行われる「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」という神事とも関係している、という説があります。これは、一年の半分を健やかに過ごせたことに感謝するとともに、罪や穢れをお祓いして、残り半分も健やかに過ごせるように願うというもの。

私の地元の神社でも、この時期になると茅の輪(ちのわ)や人形(ひとがた)が置かれるようになります。全国的にも多くの神社で神事が行われていますので、気になる方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

「半夏」「ハンゲショウ」という名前の植物

それはそうと、半夏生の時期に毒が降ってくるなんて、何とも恐ろしい話ですよね。この話が生まれた理由は諸説ありますが、この時期に生える「半夏」という植物にも深い関わりがあります。

半夏とは「カラスノビシャク」とも呼ばれるサトイモ科の植物のことで、この植物に毒があることに由来しているのだとか(実際には、半夏は生薬にも使われる薬草であり、薬にも毒にもなる植物ということです)。

さらに、少しややこしい話ですが、それとは別に「ハンゲショウ」というドクダミ科の植物もあります。名前は似ていますが、先ほどの半夏とは全く違う植物です。

その名前の由来としては「半夏生の季節に花が咲くから」という説もありますが、「お化粧を半分だけしているように見えるから」という説もあります。たしかに眺めてみると、部分的に白く染まっていますが、残りは緑色のまま。一度見ると必ずや記憶に残る、味わい深くて興味深い植物だなぁと感じます。

「半夏生=タコ」だけじゃない!

さてさて。半夏生の時期になると、地元のスーパーなどではタコが並び始めるようになります。これは「タコの足のようにしっかり根付くように」という意味があり、関西地方で始まったもの。

他にも半夏生ならではのものとして、神様への感謝と農作業の労をねぎらうという意味から、全国各地でさまざまな行事が行われています。半夏生の時期は、ちょうど麦の収穫期にあたることから、麦を使った行事も多くあります。

・小麦を使った「半夏生餅」を食べる(近畿地方)

・新麦を神様に備える(関東地方)

・うどんを食べる、振舞う(香川県)

・サバを食べる(福井県)

・きな粉餅を食べる(奈良県)

眺めているだけでも、何だか元気が出てきそう……。

半夏生は、一年の前半が過ぎて、暑い夏に向けて体調を整えたい時期でもあります。農作業に従事していない人も、この時期には休息や栄養をしっかりと確保したいですね。

ちなみに、我が家ではハンゲショウと同じドクダミ科の「ドクダミ」を乾燥させて作った野草茶を飲んで、心身を休めています。ドクダミは昔から「体内の毒素を排出し血液をきれいにする」と言われてきた植物。乾燥させることで独特の臭いも和らぐので飲みやすく、この時期の身体にもぴったりだなぁと感じています。番茶などとブレンドしても美味しくいただけます。

こちらがドクダミ。ハンゲショウにも少し似ています。私は庭先のドクダミを摘んで乾燥させたものを使っていますが、道の駅やオンライン通販などでも「ドクダミ茶」として販売されています。興味のある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

半夏生には、リラックスする時間を

旧暦を意識した暮らしは、気が付かないうちに溜まった疲れを癒し、心と身体を元気にしてくれる。私自身は、古くて新しい心地よい暮らし方のエッセンスがぎゅっと詰まっているように感じています。

梅雨から夏にかけての季節の変わり目に訪れる「半夏生」。農業に携わっている人はもちろんですが、そうでない人も。ぜひ、先人の知恵にならって心身を休めて、英気を養ってみてはいかがでしょうか。

書いた人

バックパッカー時代に世界35カ国を旅したことがきっかけで、日本文化に関心を持つ。大学卒業後、まちづくりの仕事に10年以上関わるなかで食の大切さを再確認し、「養生キッチンふうど」を立ち上げる。現在は、風土食をのこす・つくる・伝える活動をしている。神奈川県生まれ、愛知県在住の国際薬膳師。https://www.kitchenfudo.com/