いくさに出ていく夫。妻は家でただただ無事を祈っている……。そんなイメージがある戦国時代ですが、どうやら実際はそうではなかったよう。
みずから武器を持って戦場に躍り出る勇猛果敢な武家の女性もいたようですが、家にいる女性も、しっかり戦いに加わっていたのです。
とってきた首に化粧する女性
『おあむ(おあん)物語』は、戦国時代の武家の暮らしが女性の立場から描かれた聞き書きです。この中に、石田三成家臣・山田去暦(やまだ きょれき/これき)の娘、おあむ(おあん)が、味方の討ち取ってきた敵将の首に札を付けて並べ、お歯黒を施すシーンがあります。
こうしたことは「おあむ」に限ったことではなかったらしく、同様のことが広く行われていたと見られています。
首に化粧をする理由
でも、どうして首にお化粧する必要があったのでしょう?
それは、誰の首かによって、もらえる褒美が違ってきたから。きれいな化粧を施すことで、地位の高い人の首だと主張し、よりたくさんの褒美をもらおうとしたのです。
女性も家にとって重要な「戦力」だったのですね。
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戦国時代の家臣はどのように評価された?首実験の作法や「ズル」も紹介
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アイキャッチ画像:女流文学全集第1巻より『おあん物語』、国立国会図書館デジタルコレクションより