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Culture
2020.10.30

絶体絶命の戦場に白馬で颯爽と現れたのは妻!?ゲームや漫画みたいな、戦国の戦う女性たち!

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これまで2回にわたってご紹介してきた、戦国の戦う女性たち。
泥酔した夫の代わりに籠城戦?34人の侍女たちを従えて突撃?勇猛果敢な戦国女性烈伝!
戦国最強の島津をビビらせた女?16回もの攻撃を凌いだ知略、妙林尼ら戦国の強〜い女性たち

戦国の戦う女性【後編】は、ゲームや漫画みたいな歴史上の話!満載でお届けいたします!

守って鎮圧して! 美少女が武器を手に大活躍!

中編でご紹介した妙印尼(みょういんに)の孫で、忍城(おしじょう)主・成田氏長(なりた うじなが)の娘・甲斐姫(かいひめ)。東国無双といわれるほどの美貌を持ち、兵法や武芸にも優れた彼女は「男子であれば天下に名を成す人物になっていただろう」とまで評されます。

豊臣秀吉が北条氏を制圧して天下統一を成し遂げた(この後に東北仕置はありますが)天正18(1590)年の「小田原(おだわら)攻め」において、甲斐姫の父・成田氏長(なりた うじなが)が城主を務める忍城も攻撃を受けました。
北条の本拠地・小田原城に出陣した氏長に代わって城を任せられていたのは、成田泰季(なりた やすすえ)。泰季が急死すると嫡男・長親(ながちか)が後任となります。豊臣の大軍が大手口に押し寄せてきたと聞いた長親は出陣の準備を始めますが、甲斐姫はそれを押しとどめて自らが甲冑を纏(まと)い、200人の兵士を率いて出陣します。

成田家に代々伝わる名刀を抜き放って奮戦した甲斐姫らは、豊臣軍の城内への侵入を阻止、城を守り抜きました。
本拠地である小田原城が開城したため、忍城も豊臣方に引き渡すこととなりましたが、民の拍手を浴びながら、堂々と城を後にしたと伝わっています。

その後の、浜田将監(はまだ しょうげん)・十左衛門(じゅうざぶろう)兄弟の謀反の折には、甲斐姫が両名に斬りつけて制圧、謀反を鎮圧しました。

この武勇伝を聞きつけた秀吉が甲斐姫を側室に迎え、その後、父・氏長は2万石の大名となったのでした。

▼甲斐姫についての詳細はこちら
戦国最強の姫・甲斐姫とは?忍城を守り抜いた美少女の伝説

夫と肩を並べて出陣!

関ヶ原の戦いに連なる合戦が、各地で巻き起こっていた慶長5(1600)年。丹後(現在の京都府北部)田辺城(たなべじょう)の戦いでは、城主・細川藤孝(ほそかわ ふじたか)の妻・沼田麝香(ぬまた じゃこう)が、甲冑を纏って夫とともに参戦、奮闘したと伝わります。

麝香は後に、嫡男・忠興(ただおき)の正室・ガラシャの壮絶な最期に影響を受け、キリスト教を信仰して「細川マリア」を名乗ったといいます。

姫様、ごもっとも!

名将・本多忠勝(ほんだ ただかつ)の娘・小松姫(こまつひめ)は、真田信之(さなだ のぶゆき)と結婚します。小松姫は徳川家康の養女となっていたため、信之の正室だった清音院殿(せいいんいんでん)に代わって正室の座に就きます。

生き残りのため、親兄弟で徳川家康方と石田三成方に分かれて戦うことを決めた真田家。信之の父・昌幸(まさゆき)は別れを告げるため、小松姫の守る上野(こうずけ、現在の群馬県)の沼田城(ぬまたじょう)を訪れます。

しかし小松姫は、「たとえ父上といえども、夫から預かった城にみだりに入れることはできぬ」と言い放ち、刀を携えて城の門扉を開くことを許しませんでした。

非常に気の強い女性だった小松姫は、こうした豪胆なエピソードを持つ一方、夫やその家族を献身的に支え、倹約に努めた女性としても知られています。

▼小松姫についての詳細はこちら
広間で大名を集めて夫選び!徳川家康の美しい養女「小松姫」の豪胆エピソード

白馬の姫、リターンズ

戦国の戦う女性シリーズ、最後を飾るのは、事実は小説より奇なり、を体現したような姫のお話です。

関ヶ原の戦いの前哨戦の1つ、伊勢(現在の三重県の大半)安濃津城(あのつじょう)の戦いで、家康方についていた安濃津城主・富田信高(とみた のぶたか)が危機に陥りました。
激しい攻撃に遭った城から繰り返し出撃していた信高は、ついに5、6人の敵兵に取り囲まれてしまったのです。

もはやこれまで、と覚悟を決めた信高ですが、そのとき城内から一騎の若武者が躍り出てきて信高に駆け寄り、片鎌の手槍を手に敵兵をなぎ倒していきました。

急いで城内に戻った信高は、兜を取った命の恩人の顔を見てびっくり。なんとそれは我が妻だったのでした。

絶体絶命のピンチに駆けつけたのは…白馬に乗った嫁⁉︎「関ヶ原の戦い」前哨戦の驚きの結末とは

前・中・後編とお送りしてきた、戦国の戦う女性たち、これにて打ち止めと相成ります。今後も和樂webは、魅力的な日本文化の記事をお届けしてまいります!

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アイキャッチ画像:楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)『千代田の大奥』、メトロポリタン美術館より