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2017.08.30

悲劇の画家、モディリアーニの名画を見るならここ!

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アメデオ・モディリアーニという画家をご存知でしょうか?アーモンド形をした目、細長い首、無表情の顔…、一度観たら忘れられない印象的な人物画を描き、エコール・ド・パリを代表する画家です。

35歳で夭折した彼の生涯は、酒や薬物に溺れ、最後は病魔に侵されるなど悲劇の連続でした。それは伝説として語り継がれ、2本の映画がつくられたほどです。

生前、絵画は評価されず、貧しい暮らしを余儀なくされていたモディリアーニですが、死後に独特な画風が認められ、今でも世界中で大規模な回顧展が開かれるほど絶大な人気を誇っています。2015年には、傑作『横たわる裸婦』が、アジア屈指の中国人アートコレクターによって、当時の美術史上2番目に高額となる210億円で落札されたほか、昨年、パナマ文書がきっかけで27億円の『つえを突いて座る男』が発見されるなど、話題にこと欠きません。

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今回ご紹介する3館の中でもポーラ美術館は、モディリアーニの油彩画を日本の美術館としては最多の3点も所蔵しています。また、名古屋市美術館の作品『おさげ髪の少女』は、瞳を描かないことが大半のモディリアーニ作品のなかで、瞳が描かれている貴重な作品といえます。松岡美術館の『若い女の胸像』を含め、国内外から貸出依頼があるようなこれらの名作に出合いに、一度、美術館に足を運んでみてください。

名古屋市美術館で見られます!
『おさげ髪の少女』

P7_探せ名古屋アメデオ・モディリアーニ『おさげ髪の少女』 1918年頃 名古屋市美術館蔵

名古屋市美術館が開館準備中だった1985年、日本でモディリアーニの作品を所蔵するのは3館だけでした。そんな中、『おさげ髪の少女』がオークションに出品されるという情報が入り、エコール・ド・パリの作品をコレクションの柱としていたため購入。当時の国公立美術館の絵画購入の史上最高額、3億6千万円で落札された名作です。※10月6日から常設展示

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ポーラ美術館で見られます!
『ルニア・チェホフスカの肖像』

P7_探せポーラアメデオ・モディリアーニ 『ルニア・チェホフスカの肖像』 1917年 ポーラ美術館蔵

伊達男として大勢の女性と浮名を流したモディリアーニ。ここに描かれている女性はそのうちのひとり、ルニア・チェホフスカ。理想的なモデルを探していたモディリアーニが認めた、数少ないミューズであり、彼のよき相談相手でした。ルニアの肖像画は、最も多く描かれた妻のジャンヌに次ぐ数残されています。

「ピカソとシャガール 愛と平和の賛歌」(開催中〜9月24日)、「100点の名画でめぐる100年の旅」(2017年10月1日〜2018年3月11日)にて展示。

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松岡美術館で見られます!
『若い女の胸像』

P7_探せ松岡アメデオ・モディリアーニ 『若い女の胸像』1916年〜17年 松岡美術館

フランス近代絵画、日本の近現代画、ヴィクトリア朝絵画、東洋陶磁、現代彫刻など、古今東西の名品をコレクションする松岡美術館。黒く塗りつぶされた瞳が印象的な『若い女の胸像』は、創立者の松丘清次郎が、ニューヨークで開かれたサザビーズのオークションで落札した逸品。ほかのモディリアーニ作品に比べ、強い女性の眼差しが、私たちに何かを訴えかけているようです。展示未定。

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