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10月にはストーブが入るという雲ケ畑。年々減りつつあるという雪だが、雪景色は格別なのだそう。
小寒 しょうかん
年明けの最初の節気「小寒」
暖かくして過ごしたい
正月を過ごし、小寒(1月5日ごろ)から節分までが寒の内。雲ケ畑に最も静かな冬が訪れます。この吸坂(すいさか)手では初期伊万里(いまり)に由来し、茶の鉄釉の間に白抜きをつくり、そこに呉須(ごす)で絵付けをします。村田さんいわく「ちょっと渋めで、通(つう)のやきもの」と説明してくれました。ぽってりとした趣の湯吞みが1月に似合います。
大寒 だいかん
テストをくり返して制作した
安南焼へのこだわり
二十四節気のうつわのなかで初めて手がけたのが、この安南焼(あんなんやき)。村田さんの師である荒木義隆さんが、得意としたやきものです。「輪花に茶の縁どりを入れて、模様を描いた青の呉須も焦げた色に調整しました。温かみが感じられるようにしたかったんです」と村田さん。極寒の季節を楽しみたいうつわです。
村田 森 むらた しん
1970年京都生まれ。1993年に京都精華大学陶芸科を、翌年に同研究科を卒業。荒木義隆氏に師事後に独立。2003年に京都・雲ケ畑に築窯し、年間10回以上個展を開いてきた人気作家でありながら、2016年に新作の発表を停止。2020年に、現代美術家の村上隆氏とともに陶芸専門店「となりの村田」(https://tonarinomurata.com/)を立ち上げ、二十四節気をテーマにした392点のうつわの受注生産を始める。
撮影/篠原宏明、小池紀行 構成/植田伊津子、後藤淳美(本誌)
※本記事は雑誌『和樂(2023年2・3月号)』の転載です。
※表示価格はすべて税込価格です(「となりの村田」https://tonarinomurata.com/)。
※掲載商品には1点ものや数量が限られているものがあり、取材時期から時間がたっていることから、在庫がない場合もあります。