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2024.02.12

雪降る季節は、ぽってりと。二十四節気「冬」 【一生愛せる「うつわ」と出合う・その10】村田森(6)

季節とともにある日本人の暮らし。村田さん夫婦は、美しい雲ケ畑の変化の日々をついスマホで撮影してしまうと言います。 そんな村田夫妻の写真と、暦をめくるような楽しさにあふれた村田さんのうつわを季節ごとに紹介します。今回は「冬」。

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10月にはストーブが入るという雲ケ畑。年々減りつつあるという雪だが、雪景色は格別なのだそう。

小寒 しょうかん

年明けの最初の節気「小寒」
暖かくして過ごしたい

正月を過ごし、小寒(1月5日ごろ)から節分までが寒の内。雲ケ畑に最も静かな冬が訪れます。この吸坂(すいさか)手では初期伊万里(いまり)に由来し、茶の鉄釉の間に白抜きをつくり、そこに呉須(ごす)で絵付けをします。村田さんいわく「ちょっと渋めで、通(つう)のやきもの」と説明してくれました。ぽってりとした趣の湯吞みが1月に似合います。

右は吸坂手鶯図面取(うぐいすずめんとり)湯吞。直径7.0㎝ 11,000円。左の染付オランダ手市松図枡盃(ますさかずき) 横4.3㎝ 22,000円は、柚子などの珍味を入れても。

冬の箸置き3種。右から、虎形7,700円、ミソサザイ7,700円、青磁蟹形7,700円。

大寒 だいかん

テストをくり返して制作した
安南焼へのこだわり

二十四節気のうつわのなかで初めて手がけたのが、この安南焼(あんなんやき)。村田さんの師である荒木義隆さんが、得意としたやきものです。「輪花に茶の縁どりを入れて、模様を描いた青の呉須も焦げた色に調整しました。温かみが感じられるようにしたかったんです」と村田さん。極寒の季節を楽しみたいうつわです。

安南手輪花皿 直径23.3㎝ 33,000円。安南焼はもともとベトナムから渡来したやきもののこと。

村田 森 むらた しん
1970年京都生まれ。1993年に京都精華大学陶芸科を、翌年に同研究科を卒業。荒木義隆氏に師事後に独立。2003年に京都・雲ケ畑に築窯し、年間10回以上個展を開いてきた人気作家でありながら、2016年に新作の発表を停止。2020年に、現代美術家の村上隆氏とともに陶芸専門店「となりの村田」(https://tonarinomurata.com/)を立ち上げ、二十四節気をテーマにした392点のうつわの受注生産を始める。

撮影/篠原宏明、小池紀行 構成/植田伊津子、後藤淳美(本誌)
※本記事は雑誌『和樂(2023年2・3月号)』の転載です。
※表示価格はすべて税込価格です(「となりの村田」https://tonarinomurata.com/)。
※掲載商品には1点ものや数量が限られているものがあり、取材時期から時間がたっていることから、在庫がない場合もあります。

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和樂web編集部

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