そこで、和樂webのミーハー伝統芸能好きの私めが、超おせっかいアドバイスをお伝えしたいと思います!!この記事に背中を押されて、気づいたら劇場にいた! という人が増えますように♡
まずは劇場へ行ってみよう!
観たい! と思った時が歌舞伎鑑賞スタートの最適なタイミングだと思います。私が歌舞伎を見始めたのは、見目麗しい片岡仁左衛門(当時は片岡孝夫)&坂東玉三郎コンビが大注目の時でした。「美しい! 心が奪われる!」もう、そんな感じでお目々をハートにして、お二人の舞台姿に熱中していた若かりし頃(遠い目)。歌舞伎のことを知らなくても、やっぱり生の迫力は初心者にも伝わってきます。思い立ったが吉日です!!
予習は完璧でなくてもOK
演目は何を観たらよいのか? うーん。これは好みもあるので、難しいところではありますが、映画『国宝』に出てきた舞踊『藤娘』『連獅子』『二人道成寺』、男女の心中を描いた『曾根崎心中』を観るのもお勧め。
最近では新作歌舞伎も多く上演されているので、その原作ファンの場合は、入りやすいかもしれません。ただ『国宝』で歌舞伎に興味を持ったのであれば、古典歌舞伎の名作を勧めたいですね。また劇中にも登場した襲名興行は華やかで、歌舞伎役者がずらりと並ぶ口上は見ものです。ちょうどラッキーなことに2025年は、「八代目 尾上菊五郎襲名披露 六代目 尾上菊之助襲名披露」が行われているので、この公演で初観劇もありです!!

伝統芸能を鑑賞する! となるとしっかりと予習をしなくてはと思う人もいるかもしれませんが、江戸時代の人たちが熱狂したエンタメなので、難しく考えなくても良いと思います。誰が出演して、どんな役で、あらすじはどんなのかを、さらっと頭に入れておくだけで十分。
また劇場には、イヤホンガイドという優れものがあって、音声でのガイドを聞きながら鑑賞できるのでお勧めです(有料)。邪魔にならないように、舞台上の熱演の間は無音だったりと絶妙な間合いに感動するぐらい。そして、初観劇で全てを理解できなくても、全然OKです。もしも仮に寝てしまったとしても、そんな自分を責めないで~! どこか面白いところが一つでもあったら、初めての歌舞伎鑑賞は大成功!!
推しができればしめたもの!歌舞伎への理解度がアップ!
市川團十郎、片岡愛之助、尾上松也、尾上右近など歌舞伎役者がテレビドラマや映画に俳優として出演することも多いです。そこから興味を持って、彼らが出演の歌舞伎公演へ行くのも良い方法。そして、全く知らなかった歌舞伎役者に初観劇で出会い「なぜか気になる」という感触を持った時、これは「推し」との幸せな遭遇とも言えますので、是非、次回はその方が出演のものを探してみてください。
推しの役者が自主公演を行っていることもあるので、その公演へ足を運ぶのもあり。ここまで来れば、あなたは立派な歌舞伎オタク! 「この役者のことが知りたい」=「歌舞伎をもっと知りたい」のエネルギーになりますョ。最近では、個人でSNSで発信している人も多いので、そこから情報収集もできると思います。
歌舞伎ビギナー要チェック! よくある質問
Q1:チケットはどうやって買ったらいいですか?
A1:ミュージカルや現代劇のチケットを購入するのと何ら変わりません。こちらのウェブサイトから申し込めます。また電話でも可能です。
Q2:どんな服装で行けば良いですか?
A2:特に決まりはないので、自由な服装で大丈夫です。いつもの服装よりも、少しキレイめ。これを心がけると劇場でも居心地が良いかも。
Q3:歌舞伎は観てみたいのですが、チケット代が高く感じます。また長時間観劇する自信がありません。どうしたら良いでしょうか?
A3:幕見席がお勧めです。幕見席とは演目の一部だけを、格安で気軽に観られる席のことです。歌舞伎座では4階席に設けられていて、観劇の前日正午からネットで指定席が予約できます。詳しくは、下記のURLをご確認ください。
歌舞伎座幕見席
Q4:生の歌舞伎を観たいのですが、地方在住者です。やっぱり東京の歌舞伎座まで行かないと観られないですか?
A4:日本各地で公演が行われています。映画『国宝』の撮影に使用された永楽館など、歌舞伎役者との距離が驚くほど近い小屋もあり、その場所でしか味わえない楽しみ方があります。巡業公演が住んでいる場所から近いなら、初観劇に最適です。
公演情報
巡業情報
Q5:映画『国宝』を観てから『曾根崎心中』が気になっています。上演はしていますか?
A5:人気演目なので、よく歌舞伎で上演されています。興味が高まっている今、この作品が観たいということでしたら、文楽の観劇をお勧めします。『曾根崎心中』の公演が、2025年9月6日(土)~10月14日(火)まで、大阪・国立文楽劇場であります。元々近松門左衛門が文楽のために書いた作品なので、体験してみるのも良いかもです!
令和7年爽秋文楽特別公演
Q6:お勧めの演目はありますか?
A6:歌舞伎の古典演目には、江戸時代の人々を描いた「世話物(せわもの)」と、江戸時代よりも前の時代を描く「時代物(じだいもの)」があります。世話物は言葉もわかりやすく、庶民を題材にしているのでストーリーに入っていきやすいと思います。(『曾根崎心中』も世話物)。また歌舞伎三大名作と呼ばれる作品があり、2025年9月に歌舞伎座で『菅原伝授手習鏡(すがわらでんじゅてならいかがみ)』、10月は『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』の通し狂言※が上演されます。全ては理解できなかったとしても、特別の演目にかける役者の熱量は感じると思うので、お勧めです。
秀山祭九月大歌舞伎
錦秋十月大歌舞伎
通し狂言ではありませんが、三大名作の一つ『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』は、2025年9月にこちらで上演しています。解説もあるので、初心者向けです。
仮名手本忠臣蔵 公演情報
アイキャッチ:『踊彩客見立五節句』歌川豊国筆 colBase

