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2025.12.02

きつねうどんの元祖はここ! 大阪「うさみ亭マツバヤ」【みんな大好き「おあげさん」3】

中国から豆腐が伝来し、日本で油揚げを食べるようになったのは室町時代のころ。庶民の食卓に登場するのは、江戸時代中期といわれています。豆腐よりも日もちがして、栄養価も高い油揚げは今もおかずに欠かせないもの。大阪の油揚げにはこれといった特徴はないものの、庶民の食が豊かに発達した商人の街で生まれたのが「きつねうどん」。その元祖【うさみ亭マツバヤ】は今も味に定評あり!

きつねうどんはこの店で生まれた!【うさみ亭マツバヤ】(船場)

店のある船場の街は、今も昔も大阪経済の中心地。
初代・宇佐美要太郎さんは、寿司屋で修業した後、うどん屋として明治26(1893)年に独立。

いなり寿司の余った油揚げを「すうどん」に添えて出したところ、うどんにのせた客をヒントに「きつねうどん」が誕生したとか。

主役の油揚げは、大阪市内の豆腐屋さんから「ええもんを届けてもらってます」と3代目主人・宇佐美芳宏さん。
油抜きを丁寧に施し、3日間かけて味を含ませます。

うどんのお陰で健康や!

3代目・宇佐美芳宏さん、79歳現役!

油揚げを引き立てるのは、利尻(りしり)昆布に鰹本枯節(かつおほんかれぶし)、鯖(さば)節など質にこだわった出汁と、自家製麺。
丸く、しなやかなうどんに出汁もよく染み込み、丼の中で見事に調和。程よい甘さのおあげさんに添えられた焼き通しのかまぼこの塩気もぴったり。
一杯で大満足、さすが老舗の味わいです。

3日かけて味を含ませる自慢のおあげ

左/油揚げのこだわりは、ふんわりとした口あたりで、中身がしっかりあるもの。丼からはみ出しそうな大判がうれしい。右/油揚げの仕込みは3日目・最終日に、前回残った煮汁を加えることで味に丸みが出る。

これが噂のきつねうどん!

きつねうどん650円。毎日のように通ってくれるビジネスマンのために、良心的な値段設定。「自分でも踏ん張っていると思うわ」と宇佐美さん。

右/〝伏見のおいなりさん〟で親しまれる京都・伏見大社のお札を祀る。おいなりさん、といえば商売繁盛の神様。船場の地に縁起のよい「きつねうどん」が人気を得たのも、納得。

うさみ亭マツバヤ

住所:大阪府大阪市中央区南船場3-8-1
電話:06-6251-3339
営業時間:11時〜18時 
休み:日曜・祝日

【みんな大好き「おあげさん」】シリーズ一覧はこちら

※本記事は雑誌『和樂(2025年2・3月号)』の転載です。
※掲載価格はすべて税込です。
※価格や営業時間などは2025年11月現在のもので、変更される場合もありますので、あらかじめ公式サイトなどでご確認ください。
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和樂web編集部


撮影/内藤貞保 構成/藤田 優
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