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2019.11.07

家おでんをさらにおいしくするコツは?紀文直伝の裏技・表技5選まとめ

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練り製品大手の紀文食品。恒例の「紀文・鍋白書」が今年も発表されました。例年通りに、2019年も1位はおでん。「鍋白書」を食いしん坊目線で検証し、紀文食品所属のクッキングコミュニケーターさんに「いまさら聞けないおでんのコツ」を教わりました。

20年連続1位の鍋料理は「おでん」

魚肉練り製品などを扱う食品メーカー大手、紀文食品。同社では、1994年より「鍋料理」「おでん」をテーマにアンケート調査を実施しています。アンケート結果は「紀文・鍋白書」として編集され、紀文公式サイトのココからPDF形式でダウンロードできます。

対象は、全国7都道府県、20代〜50代以上の主婦1,400人。「あなたが昨年の秋冬に食べた鍋料理は何ですか?」という質問については、おでんが1位となりました。すき焼きや寄せ鍋などのライバルを退け、20年連続で首位とは、おでんの存在感、恐るべし。

地域別の調査結果を見てみましょう。

【全体】(%)
1 おでん 67.0
2 すき焼き 55.4
3 キムチ鍋 49.8
4 寄せ鍋 49.7
5 しゃぶしゃぶ 46.7
6 水炊き 36.7
7 ちゃんこ鍋 31.3
8 鶏だんご鍋 27.1
9 もつ鍋 25.0
10 豆乳鍋 24.6

おでんとすき焼きという伝統的な日本の鍋に次いで、キムチ鍋が3位です。寒い日に、体の芯から温めてくれますものね。個人的には、にんにくとしょうがをきかせるのが好みです。豆乳鍋という比較的新しい鍋料理も10位にランクイン!

【東京都】(%)
1 おでん 58.7
2 すき焼き 51.4
3 寄せ鍋 48.6
4 しゃぶしゃぶ 46.2
5 キムチ鍋 42.3
6 水炊き 33.2
7 豆乳鍋 32.7
8 ちゃんこ鍋 29.3
9 鶏だんご鍋 26.9
10 湯豆腐 24.5

おでん、すき焼き、寄せ鍋という押しも押されもせぬ定番の鍋が1、2、3位に並びました。東京には居酒屋や専門店が多数あり、外食でも楽しめますが、家庭ではスタンダードな鍋料理が人気ということですね。

【大阪府】(%)
1 おでん 71.6
2 寄せ鍋 54.8
3 すき焼き 53.8
4 しゃぶしゃぶ 51.4
5 キムチ鍋 50.0
6 水炊き 47.6
7 ちゃんこ鍋 38.0
8 うどん鍋・うどんすき 27.9
9 豆乳鍋 26.9
10 カニ鍋 26.4

10位以内にカニ鍋が入るのは大阪ならでは。大阪を代表する繁華街・道頓堀といえば、グリコの看板とカニの看板。大阪の人って、温泉地にカニを食べに行くのが好きですよね~。まさか、自宅でも食べていたとは。いかにもカニ鍋を食べていそうな北海道では、カニ鍋は10位以下という意外な結果に。

【福岡県】(%)
1 おでん 67.3
2 すき焼き 55.3
3 寄せ鍋 52.4
4 キムチ鍋 49.0
5 しゃぶしゃぶ 43.3
6 もつ鍋 41.8
7 水炊き 41.3
8 ちゃんこ鍋 31.7
9 鶏だんご鍋 26.0
10 豆乳鍋 21.6

福岡の郷土料理・もつ鍋が6位に入っています。聞くところによると、福岡の人は家庭でももつ鍋を食べるので、スーパーにはさまざまなもつ鍋のスープが売っているらしい。これはとってもうらやましい。

Q&A形式でおでんが丸わかり!

だしに種を入れるだけという究極的にシンプルな料理、おでん。いつも自己流で作ってきたけどもっとおいしくするコツがあるのでは? と思い立ち、紀文食品のクッキングコミュニケーター・根岸恭子さんに素朴な疑問を投げかけ、いまさら聞けないおでんのあれこれを聞いてみました。

― 練り物、大根、卵、こんにゃく。入れる順番の決まりはありますか?

根岸さん:まずは大根、卵、こんにゃくを入れましょう。それから、東京で人気のちくわぶも煮えにくいので、ほかの具材より長めに煮るといいですよ。また、大根は厚めの輪切りにした後、面取りをして片面に十文字の切り込みを入れて固めにゆでておく、卵は固めにゆでておく、こんにゃくは両面に格子状の切れ目を入れ食べやすい大きさに切っておく、というような下ごしらえをしておくとより煮えやすくなります。ちなみに、すでに大根や卵に味をしみ込ませている市販品も便利です。

練り製品は煮えにくい具材を火にかけはじてから、約30分後に入れてください。また練り製品を入れてから火にかける時間は15分ぐらいでよく、煮込みすぎると、食感が損なわれてしまったり、うまみがおでんのつゆに逃げてしまったりします。特に、はんぺん。熱しすぎると膨張してしまうので、火を止める直前に汁をかけて温める程度がよいでしょう。全体的に、沸騰しないよう弱火でコトコト煮ること、鍋にふたをしないことがコツです。

― 入れるとおいしい意外な食材はなんでしょう?

根岸さん:春菊は鍋料理でおなじみですが、おでんに入れると彩りや香りもよくなります。春菊は島根県の松江地区のおでんでよくみられます。

それから、かまぼこ。西日本の一部地域では入れる習慣があるようです。火にかけるタイミングはほかの練り製品と一緒で大丈夫です。

そのほか、たれやかやく粉を工夫するなどして、自由に楽しんでください。

― だしって絶対取らなきゃダメですか?

根岸さん:絶対というわけではありませんが、こだわったおでんを作りたいときには、イチからだしをとったおでんつゆを作ってみてはいかがでしょう。時短するなら、市販のおでん汁の素やめんつゆ、白だしを使うと、簡単にだしの風味と調味のバランスがとれた、おでんつゆになります。

― 食べ飽きたときのリメイク術を教えてください!

根岸さん:紀文がおすすめしているのは「焼おでん」です。薄く油をひいたフライパンで好きなおでんの具材の両面をこんがり焼き、最後にバターとしょうゆを加えるだけで一風変わった香ばしい別の料理に大変身します。スキレットに入れればより見た目もオシャレに。ごま油を加えてみたり、チーズとカレー粉をのせてオーブントースターで焼くのもおすすめです。また、残った汁を使った雑炊も美味しいですよ。

― 結局のところ、おでんは主食なんでしょうか? それともおかず?

根岸さん:「紀文・鍋白書」にて、2016年から「おでんは“主食”として食べるか、“おかず”として食べるか」という趣旨の設問を設けています。初年度は「おでんをおかずに、主食を食べる」という方が72.9%と優勢でしたが、年々差が縮まっており、今年の調査結果では「おかずとして食べる」が52.3%、「主食として食べる」が47.7%と、ほぼ半々まで迫ってきています。特に20代は57.8%の方が主食としておでんを食べているようです。

◆参考リンク
紀文・鍋白書2019