Art
2020.03.01

肖像画や風景画ってどこに注目したらおもしろい?「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」で学芸員に聞いてみた

この記事を書いた人

2020年上半期最大の注目展の一つである「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」。いよいよ2020年3月から国立西洋美術館(東京)、7月から国立国際美術館(大阪)で開催される予定です。そこで、和樂Webでは展覧会開催に先立って、日本側で本展の企画監修にあたった川瀬佑介主任研究員にロングインタビューを実施しました!

ロンドン・ナショナル・ギャラリー外観 photo: Phil Sayer, ©The National Gallery, London

初心者向けのコンテンツをお届けするため、あえて西洋美術について何も知らない編集部の若手スタッフ(きむら、とまこ)2名で臨んだ今回のインタビュー。超基本的な質問にも非常に丁寧に答えて下さいました。

インタビュー前半では、主に「西洋美術」とは何か?ということをお聞きしてきましたが、後編となる本稿では、いよいよロンドン・ナショナル・ギャラリー展のみどころや面白さをたっぷりと語っていただきました!それでは、いってみましょう!

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展ってどんな展覧会?

とまこ:ところで、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展について、どんな展覧会なのか教えて頂けますか?

川瀬:その前に、もう少しだけロンドン・ナショナル・ギャラリーについてご説明しますね。冒頭でもお話したとおり、ロンドン・ナショナル・ギャラリーは市民達がゼロからコレクションを持ち寄って少しずつ大きくしていった西洋美術の殿堂ともいうべき美術館でしたよね。所蔵品も、設立当初のわずか38点から始まって、いまでは約2300点までになりました。

きむら:コツコツ時間をかけて集めていったんですね。

川瀬:そうですね。そして、コレクションに偏りがないことも大きな特徴なんです。西洋美術史の重要な時代や各国の流派などをまんべんなくカバーしているんですね。彼らはある意味「教科書的」なコレクションを意図して作るようにしていました。それはなぜかというと、市民のための市民によってできた美術館だからです。王様とか大貴族ではなくても、市民なら誰でも芸術に触れられるように。教育を目的とした施設として作られたんです。

丸岡ジョーさん(写真AC)による撮影:トラファルガー広場

川瀬:ロンドン・ナショナル・ギャラリーの凄いところは、市民に対する芸術教育を目的として開かれた世界初の美術館であって、そのコレクションのクオリティも世界一のレベルであるということなんです。西洋美術史を学んだ人が、「じゃあ実際に作品をどこか一箇所で見てみよう」となった時に、ルネサンス時代から20世紀までをカバーした最も適切な最高クオリティの展示で・・・となると、ロンドン・ナショナル・ギャラリーということになるんですね。

とまこ:ニューヨークとかワシントンじゃなくて、ロンドンがお手本なんですね!

川瀬:ある意味、メトロポリタン美術館やワシントン・ナショナル・ギャラリーなど北米の美術館は、みんなロンドン・ナショナル・ギャラリーをお手本にコレクションを集めてきたんですね。だから、美術館としての歴史も格も、ロンドンが断然上なんです。

とまこ:凄い!

川瀬:そうなんです。凄いんですよ(笑)そんな歴史も格式もある凄いロンドン・ナショナル・ギャラリーから56作家、61作品と非常にバラエティに富んだセレクションで構成された、イギリス国外で開催される初めての所蔵作品展が本展「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」なんです。

とまこ:今回の展覧会では、西洋美術を広く展示する上で展示方法などで工夫されたことなどはあるんですか?

川瀬:今回の美術展では、全く時代の違う作品を比べて観るような展示はあまりありません。ルネサンスから順番に美術史の歴史を追ってポスト印象派まで歴史を辿れるように7章で構成しています。前から順番に見ていくとルネサンスからポスト印象派まで西洋美術の主だった流れの展開が見えるようになってくると思います。だから、前に見た章から次の章に行くと、時代が100年変わって随分色が明るくなるねとか時代別の比較がしやすいかもしれません。場合によってはここは肖像画ばっかり出てくるねとか。

ロンドン・ナショナル・ギャラリー内観 photo: Phil Sayer, ©The National Gallery, London

川瀬:だけど、全部年代順に再構成してしまうと、現地から61点持ってきて、ミニ・ナショナル・ギャラリーになるだけですよね。それはつまらないですよね。だから、本展では本家の展示にはないいくつかの工夫を加えています。たとえば、現地に行くと、この絵とこの絵が隣り合わせに並んでいることはないというものを、敢えて一つの章の中でまとめて展示しているんです。

アンソニー・ヴァン・ダイク 《レディ・エリザベス・シンベビーとアンドーヴァー子爵夫人ドロシー》 1635年頃 油彩・カンヴァス 132.1×149cm ©The National Gallery, London. Bought, 1977

きむら;どれか一つでもいいので、見逃せないポイントを教えていただけますか?

川瀬:たとえば、肖像画を特集した第3章「ヴァン・ダイクとイギリス肖像画」では、18世紀のイギリスの肖像画とヴァン・ダイクという17世紀のフランドル人が描いた肖像画を比べてみるセクションにしました。アンソニー・ヴァン・ダイクはスペイン領ネーデルラント出身。イギリスに来て肖像画を描いて大人気になった肖像画家です。この人の描いた肖像画のスタイルや型がその後150年間もの間、イギリスの肖像画の基礎になったんです。

ジョシュア・レノルズ 《レディ・コーバーンと3人の息子》 1773年 油彩・カンヴァス 141.5×113cm ©The National Gallery, London. Bequeathed by Alfred Beit, 1906

だから、イギリス肖像画の元祖みたいな人と、何世代も後の作家を見比べてみようとしているのが第3章なんです。後世の画家達が、巨匠の生み出した伝統に基づきながら、でもそれをどういうふうに新しい時代の自分達の国の趣味に合わせて変えていったかをじっくり見比べて楽しんで頂ければと思っています。

きむら:他の章でもう一つ見どころを教えていただけますか?

川瀬:また、第6章「風景画とピクチャレスク」も面白いですよ。凄く大雑把にいうと、イギリス美術は18世紀が黄金時代なんです。美術館のお膝元であるイギリス美術をヨーロッパ全体の美術史のコンテクストに置いて比較してみるというのは本展の一つのテーマなんですが、そのイギリス美術の黄金時代である18世紀に美術史に名を残した「風景画」に着目した比較展示を試みています。

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 《ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス》 1829年 油彩・カンヴァス 132.5×203cm ©The National Gallery, London. Turner Bequest, 1856

川瀬:イギリスで風景画の伝統の頂点を極めたのが19世紀前半に活躍したターナーです。第6章では、17世紀からターナーに至る200年くらいの風景画の歴史をコンパクトに一つのセクションにまとめてみました。この章を見ていくと、イギリスで発達した風景画もイギリスだけの全くオリジナル美術ではなかったことがよくわかるんです。18世紀の半ばくらいになってから、100年くらい前のイタリアで活躍した画家の絵を突然思い出して、それをイギリス人が理想とする風景の基礎にして自分たちが見たい世界を絵にしていったのですね。

クロード・ロラン(本名クロード・ジュレ)《海港》 1644年 油彩・カンヴァス 103×131 cm  ©The National Gallery, London. Bought, 1824

とまこ:これは夕日がきれいな絵ですね!

川瀬:そう、この作品を描いているのがイギリス人のお手本となった、17世紀に活躍したフランスの巨匠クロード・ロランです。ターナーはロンドン・ナショナル・ギャラリーに自分の絵を寄贈した時に、この絵はクロード・ロランの絵の隣に掛けて欲しいという条件で残すほど、ロランをリスペクトしていたんですね。(※本展に出展されるのは別の作品)

きむら:ロランとターナーの作品は、ほとんど同じに見えますね!

川瀬:一番特徴的なのは、構図の類似性ですよね。絵の背景の地平線や水平線の近くに朝日か夕日を描いた太陽が、逆光で低いところから画面全体を照らしている。とても柔らかな黄金色の光で画面が満たされていて、少し現実感が薄い理想的な風景が描かれていますね。

川瀬さんおすすめの作品を聞いてみた!

きむら:今回の展覧会の中で、川瀬さんの超個人的なこれだけは見て欲しいみたいなイチオシ作品はあったりしますか?3つお願いします。

カルロ・クリヴェッリ 《聖エミディウスを伴う受胎告知》 1486年 卵テンペラ・油彩・カンヴァス 207×146.7cm ©The National Gallery, London. Presented by Lord Taunton, 1864

1. クリヴェッリ「聖エミディウスを伴う受胎告知」

川瀬:まず最初におすすめしたいのが、チラシにも取り上げられているクリヴェッリ「聖エミディウスを伴う受胎告知」です。これは2m以上あるとても大きな作品で、ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵のイタリア・ルネサンスのコレクションの代表作の1点です。イタリア・ルネサンスといえばラファエロ、ミケランジェロ、レオナルドみたいな巨匠は有名ですよね。ですが、クリヴェッリはそんなに知っている人はいないのではないでしょうか?

きむら:に、2m?!大きな作品なんですね!

川瀬:実際、ダ・ヴィンチやミケランジェロといったレベルで評価されている画家ではないんですが、ルネサンス時代において、彼らの次のレベルの重要な画家であることは間違いないんです。その中で、クリヴェッリというのは凄く個性が立っている画家なんです。当時のオーソドックスな美術の流れみたいなものに、あまりハマっていないという意味で、ちょっと変わり者なんですね。だから、結構隠れファンが多いんです。日本からクリヴェッリの作品を巡礼に行くような人たちも結構いるんですよ。

きむら:巡礼・・・?!どの辺が見どころなんですか?

川瀬:一言でいうと、細密表現へのこだわりです。この絵って凄く遠近法が強調されているし、よく見るとデコレーションがゴテゴテですよね。建物の装飾も細かいし、手前にはこれ見よがしのようにキュウリとりんごが置いてありますし、マリア様の部屋の奥にも丁寧に壺とかお皿とか並んでいるし、上にも絨毯があって、孔雀がいたりとか(笑)彼は細密な表現に対するこだわりが凄かった人で、画面に隙間や余白を残さずモチーフで埋めていってやろう・・・みたいなマニアックさがありますね。だから、じっくり見ていくと、いろいろな発見があって面白いし、詳細な描き込みへのこだわりなど作家の個性が非常に強くて味わい深いんですね。

きむら:この作品が来日するのは本当に奇跡的なことなんですよね?

川瀬:15世紀に制作された2mの絵が日本に来ること自体が、実は例外中の例外なんです。なぜなら、この時代の絵は全て木の板に描かれた板絵だから。古い木材は温湿度の変化にとても弱くて、ちょっとドライヤーを当てたら3秒でパリっと割れてしまう・・・とかそういうレベルの繊細さなんです。

とまこ:うわっ!持ち運びが大変そう・・・。

川瀬:だから、普通なら飛行機などに載せて海外に持っていくということはまずできないんですね。では、この絵がなぜ日本で展示できるのかというと、この絵は元々板に描かれていたんだけど、ある時点で板から引き剥がされて、カンヴァスに移されているからなんです。

とまこ:板から絵を剥がしてカンヴァスに・・・?!そんなことできるんですね?

川瀬:僕も具体的なプロセスは想像できないんだけど(笑)、板からカンヴァスに絵を移植するという手法は、ある時期に良く絵画作品に対して施された一つの修復の手法なんです。この絵はカンヴァスに移されたことで、板絵の輸送で起こりうるリスクがなくなりました。今はとても状態が良くて安定しているので、日本に持ってくることが可能になったんですね。だから、本作は15世紀のイタリア・ルネサンスの優れた作品であるだけでなく、こんなに大きな作品が日本で見られるという意味でもちょっと画期的な作品なんですよ。

2.スルバラン「アンティオキアの聖マルガリータ」

きむら:2つ目はいかがですか?

フランシスコ・デ・スルバラン 《アンティオキアの聖マルガリータ》1630-34年 油彩・カンヴァス163×105 cm ©The National Gallery, London. Bought, 1903

川瀬:2つ目、スルバランが描いた「アンティオキアの聖マルガリータ」ですね。これは17世紀のスペインで活躍した画家の作品で、女の人が買い物袋を下げていて、よく見ると後ろにドラゴンがいる不思議な構図の絵ですよね。実はこれは女性の聖人を描いた絵で、スルバランが何枚も好んで描いた主題なんです。その中で一番優れたものといってもいい作品です。

きむら:どんな聖人だったんですか?

川瀬:このマルガリータという聖人は、3~4世紀頃のまだキリスト教が認められていない時代に、キリスト教徒だった人です。キリスト教徒ではない男と結婚をさせられそうになって、私はキリスト教徒なので嫌ですといったら、牢屋に投獄されて、その牢屋に悪魔が竜に化けて現れた。それで、マルガリータは竜に飲み込まれちゃうんです。でも彼女が持っていた十字架のおかげで助かります。彼女は十字架で竜のお腹を引き裂いて、奇跡的に無傷でお腹から出てくることができた。そんな伝説が残っている聖女なんですね。だからこの絵には竜がいるんです。この伝説にあやかって、聖女マルガリータは出産の守護聖人みたいな存在として今でも知られています。お腹からちゃんと出てこれますように、という安産の守り神ですね。

とまこ:本当ですね!よく見るとちょっと可愛げのあるドラゴンが描かれていますね!でも作品を見ると、彼女は聖人というより、どこかにおつかいに出かける主婦みたいなカジュアルな雰囲気もありますね。

川瀬:そうですね。スルバランは本作でマルガリータを典型的な聖女としてあまり描いていなくて、17世紀のちょっと着飾った羊飼いのような姿で描いているんですね。本当にこんな着飾った羊飼いがいるとは思えないんだけど、麦わら帽子をかぶっていたりだとか、羊の毛のもこもこした起毛素材のようなチョッキを着ていたりと、田舎風な演出が丁寧に加えられていますよね。また、左腕から下げているスーパーのビニール袋みたいなものは、サドルバッグといって、マフラーみたいな長い布があって、両端にポケットがある。元々は馬のサドルに載せると両側に入れられるように作られていたんですね。このように、スルバランは、様々なモチーフの質感を、執拗に描き分けることにこだわった画家でした。普通の宗教画にはなかなか出てこないような卑俗なモチーフを巧みに取り込んで、それを見事に表現しています。また、ちょっと冷たい感じのする独特の静かな画面なんかもこの画家の特徴です。後ろで竜が吠えているのに何のリアクションもなく、のツンとしたような人物の表情なども味わってみてくださいね。

きむら:オランダの風俗画に少し似ていますか?

ヨハネス・フェルメール 《ヴァージナルの前に座る若い女性》 1670-72年頃 油彩・カンヴァス 51.5×45.5cm ©The National Gallery, London. Salting Bequest, 1910

川瀬:当時の卑俗な一般民衆や大衆の持ち物などを画面に入れて描くというやり方はオランダの風俗画でも出てきますが、描かれている一つひとつのものは全然違いますね。ただ、スルバランは、構図があんまり得意じゃなかった人でした。彼は16世紀ドイツの版画などを見て、構図はそのままパクるんですよ(笑)本作でも、竜だけ反転していて、女性の立ち姿は元ネタからそのまま持ってきているんです。もちろん着ているものは全く違いますけれど。そういうところも結構面白いですね。彼は得意なところと苦手なところがハッキリしているので、そういった面でも見ていて面白いと感じますね。

3. アルベルト・カイプ「羊飼いに話しかける馬上の男のいる丘陵風景」

きむら:それでは、3つ目のオススメをお願いします。できれば、とっておきの秘蔵作品で!

アルベルト・カイプ《羊飼いに話しかける馬上の男のいる丘陵風景》1655-60年頃 油彩・カンヴァス 135×201.5 cm ©The National Gallery, London. Bought, 1824

川瀬:変わり種で行こうとすると、このアルベルト・カイプ「羊飼いに話しかける馬上の男のいる丘陵風景」ですね。カイプはオランダの17世紀の画家で、家畜のいる風景画を描いて評判を取った人です。17世紀のオランダは、分業化や専門化が凄く進んだ時代で、肖像画しか描かない人もいれば、風景画専門の人もいました。

とまこ:動物がかわいい!

川瀬:よく見ると、犬が来てじゃれあって何か喧嘩などしていたりとか、羊以外にも様々な動物が精密に描き分けられていたりだとか、なかなか微笑ましいシーンですよね。一般的に、専門家が典型的に17世紀オランダ風景画として思い浮かべるのは、地平線までまっ平らで、空が広くて、風車があってといった風景画なんです。それに比べるとカイプの作品はあまりオランダ的ではないんですね。どちらかというと、イタリア的な理想的な風景を描いているんです。ターナーのところでも話しましたが、この絵も逆光の夕陽が差していて、画面が黄金色の光で包まれていますよね。彼はその中に家畜を描くわけです。

とまこ:どうして絵画に家畜が描かれたりするんですか?

川瀬:オランダでは今でもチーズが有名だったりするし、彼らはこういう平らな土地で、沼や海を数百年かけて干拓していって、そこで家畜を飼ったりして、国を作ってきました。そういう意味では、本作で描かれた家畜は、単に畜産業を営んでいる人が自分の家の牛を描いてもらったというだけにとどまらず、オランダの繁栄の基礎を築いたシンボルでもあったんです。だからとりわけ家畜の絵はオランダで好まれました。

きむら:オランダは昔から農業が盛んだったんですね!

川瀬:実はカイプは本国オランダよりも、イギリスで人気があった画家なんですね。その理由は、こういう風にクロード・ロランやターナーっぽい、黄金色に包まれたちょっとイタリア的な風景を描いたから。だから今でもカイプの作品はオランダにあるよりもイギリスにいっぱい残っているとも言われています。そういう意味で、本作はイギリスでどういった美術が好まれてきたかというコンテキストで見てみると面白いと思うし、第6章「風景画とピクチャレスク」でターナーやロランと一緒に展示される予定です。結構大きい2mくらいの絵なので、楽しみにしておいてくださいね。

美術展初心者にこそオススメしたい、2020年上半期最大の注目展!

とまこ:最後に、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展に来場する美術展初心者の方に、何かメッセージを一言頂けますでしょうか?

川瀬:本展では、ルネサンスから後期印象派までの幅広い時代のたくさんの画家の作品を見ることができると思います。美術史に残る巨匠や有名な作品も多数来日しますが、そういうことにあまり関係なく、まずは実際には自分の目で見て頂いて、面白いなと思うものを自由に見つけてみてください。

そこで、なぜ面白く感じたのかを、少し考えていただくと良いですね。初めて見た画家であれば、この画家は他にどういう絵を描いたのかなと思うかもしれないし、色々な形で自分の興味を広げていってもらえればと思います。西洋美術への入り口としては、とても適していると思うので、たとえば、自分の家のベッドルームに飾るならどんな絵がいいかとか、考えながら見ていくといいですよね。ぜひ、自分だけの一枚をみつけてみてくださいね。

とまこ&きむら:ベッドルームに合う1枚…!そう考えてみると、詳しい知識がなくても作品を鑑賞するのがまた一段と楽しくなりそうです。今日は大変お忙しいところ、ありがとうございました。

聞き手:きむらゆう、北本とまこ
文:齋藤久嗣

「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の基本情報

展覧会名:ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
東京展
2020年6月18日(木)~10月18日(日)
場所:国立西洋美術館(〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7)
公式HP:https://artexhibition.jp/london2020/

大阪展
会期:2020年11月3日(火・祝)~2021年1月31日(日)
場所:国立国際美術館(〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4丁目2-55)
公式HP:https://artexhibition.jp/london2020/

※新型コロナウイルスの影響により、日時指定制となっています。詳しくはこちら

書いた人

サラリーマン生活に疲れ、40歳で突如会社を退職。日々の始末書提出で鍛えた長文作成能力を活かし、ブログ一本で生活をしてみようと思い立って3年。主夫業をこなす傍ら、美術館・博物館の面白さにハマり、子供と共に全国の展覧会に出没しては10000字オーバーの長文まとめ記事を嬉々として書き散らしている。