春信の決定版! 主要作品161点を小林忠先生が厳選して掲載
この本の監修は、浮世絵研究の第一人者で『和樂』でもおなじみのコバチュウ先生こと小林忠先生。なんと大学の卒業論文以来、長きにわたって春信の研究しているそう。春信の素晴らしさを知り尽くした小林先生が、春信作品のなかでも極上の保存状態を誇る161点を、国内外の美術館から選りすぐって掲載しています。
大多数は原寸サイズで掲載。実物を手元で鑑賞しているみたい!
『鈴木春信大全』はB4判。この大きな画面を活かして、大多数の作品を原寸サイズで掲載しました。実物を手元で眺めるような感覚で作品を楽しめます。
さらに、浮世絵独特の技巧「空摺(からずり)」や「きめ出し」、着物の柄や調度品の描写など、ディテールをじっくり見たい部分は拡大図版も掲載。美術館で単眼鏡をのぞく感覚で、細部をしっかり鑑賞できます。
春信の画業を知るのに欠かせない6つのキーワードを章立てに!
春信作品161点は、次の6つの章に分けて紹介しています。
第一章「絵暦と摺物」 春信が浮世絵師としてブレイクした時期の代表作が勢揃い!
第二章「見立絵」 和歌や古典文学、歴史上の人物などを当世美人に見立てた作品。
第三章「恋する男女」 おしゃれな若者と振袖姿の娘の淡い恋模様にキュン!
第四章「市井風俗」 花見、月見、舟遊び…、江戸に暮らす庶民が楽しむ四季折々の光景。
第五章「家族の情景」 母と子、兄姉と幼い弟妹など、なごやかで幸せ感がいっぱい!
第六章「遊女と町娘」 吉原の遊女と、茶屋などの看板娘を描いた美人画オンパレード。
全作品に詳しい解説がついて、絵の「読み解き」が楽しめる!
春信の絵には、着物の柄や紋、小道具、背景などに、絵を読み解く鍵になる多くの「仕掛け」が隠されています。また、画中に書かれた和歌も絵の内容を理解するヒントになるのですが、現代の私たちにはちょっと難しい場合も。この本では全作品に付された解説で丁寧に説明しているので、絵を見る楽しみが倍増し、作品への理解も深まります。
彫りや摺りの違いを比べるページも!
浮世絵ファンにとって、版画の彫りや摺りも注目すべきポイント。そこで、同一の絵柄で彫りや摺りが異なる作品を並べて掲載し、解説するページを設けました。色合いや摺りの技巧が違ったり、一見ほぼ同じに見える作品にも実は違いが潜んでいたり。解説と照らし合わせて見ると着目点がよくわかり、浮世絵の鑑賞がさらに楽しくなります!
書籍データ
書名:鈴木春信大全
監修:小林 忠(学習院大学名誉教授・岡田美術館館長)
B4判、上製・函入り 298ページ
定価:60,500円(税込)
発行:小学館
ISBN978-4-09-682431-3
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