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2025.03.27

美人画の帝王・歌麿は、女性のほかに〇〇が好き♡ 大河ドラマ「べらぼう」を100倍楽しむAtoZ【E】

吉原に生まれ、自力で江戸の〝メディア王〟となった男・蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)の仕事からプライベートまでを、AからZで始まる26の項目で解説するシリーズ【大河ドラマ「べらぼう」を100倍楽しむAtoZ】。第3回は「E=画本虫撰(えほんむしえらみ)」をご紹介します! Zまで毎日更新中! 明日もお楽しみに。

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蔦重AtoZ
E=『画本虫撰』に得意な画題を描いた歌麿が、一躍注目の的に!


喜多川歌麿(きたがわ うたまろ)と聞いて真っ先に思い浮かぶのは美人画ですが、最初に注目されるきっかけとなったのは、天明8(1788)年に刊行された狂歌絵本『画本虫撰(えほんむしえらみ)』の花や虫の絵でした。

当時江戸で大流行していた狂歌の会に参加していた蔦重は、和歌のような歌集を狂歌でつくろうと、狂歌絵本を企画。
江戸狂歌界の盟主であった四方赤良(よものあから=大田南畝〈おおたなんぽ〉)の門人・宿屋飯盛(やどやのめしもり)を撰者にして、絵師は駆け出しの喜多川歌麿を大抜擢(だいばってき)したのです。

関連記事:美人画で右に出る者なし! 浮世絵師・喜多川歌麿とは? 生涯や代表作を3分で解説!

歌麿は虫と美人しか描かなかった!?


植物と虫や爬虫類(はちゅうるい)、両生類を組み合わせた全15 図の歌麿の絵は、非常に写実的で、錦絵ならではの彫りや摺(す)りの技術が駆使された傑作ぞろい。画面構成も美しく、狂歌よりも歌麿の絵が注目を集めたほどでした。

歌麿が若いころから面倒を見ていた蔦重は、歌麿が虫や植物、女性など、好きなものしか描かないことを熟知していました。
この蔦重の適材適所のプロデュース能力があったからこそ、歌麿は開花したと言っても過言ではありません。

歌麿はオレたち虫のことが大好きなんだよな~

狂歌より絵のほうが目立つ、歌麿の出世作。巻末には、絵に合う狂歌を募集する一文があり、蔦重の先見性がうかがえる。『画本虫撰(えほんむしえらみ)』 選/宿屋飯盛 画/喜多川歌麿 狂歌絵本 天明8(1788)年 メトロポリタン美術館 The Metropolitan Museum of Art, Rogers Fund, 1918, JP1044, JP1045
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和樂web編集部


構成/山本 毅 ※本記事は雑誌『和樂(2025年2・3月号)』の転載です。 参考文献/『歴史人 別冊』2023年12月号増刊(ABCアーク)、『蔦屋重三郎と江戸文化を創った13人 歌麿にも写楽にも仕掛人がいた!』車浮代著(PHP研究所)、『これ1冊でわかる! 蔦屋重三郎と江戸文化』伊藤賀一著(Gakken)
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