源義経が馬を洗ったという伝承が残る、奈良県吉野の〝行者の滝〟〝知行の滝〟と呼ばれる滝で、馬を洗うふたりの男。水量が豊富なことが伝わってくる。『諸国瀧廻り 和州吉野義経馬洗滝(わしゅうよしのよしつねうまあらいのたき)』葛飾北斎 1833年 シカゴ美術館 The Art Institute of Chicago, Clarence Buckingham Collection
左は日光三名瀑のひとつである〝霧降の滝〟。日光参詣の旅人の様子も楽しい。筋目模様の水流と緑の樹木や岩肌のコントラストが美しい。右は 長野県木曽の木曾八景のひとつである〝小野の滝〟。一気に落下する滝を見上げる人々によって、滝の高さや雄大さを表現。左/『諸国瀧廻リ 下野黒髪山きりふりの滝(しもつけくろかみやまきりふりのたき)』・右/『諸国瀧廻り 木曽海道小野ノ瀑布(きそかいどうおおのばくふ)』葛飾北斎 1833年 シカゴ美術館 The Art Institute of Chicago, Clarence Buckingham Collection
左は神奈川県の大山を流れる滝とされ、大山詣りで水垢離(みずごり)をする人と奉納される白木の大太刀(おおたち)が描かれている。右は三重県と滋賀県にまたがる鈴鹿峠の宿場と近くを滝。左/『諸国瀧廻り 相州大山ろうべんの滝(そうしゅうおおやまろうべんのたき)』葛飾北斎 江戸時代・19世紀・右/『諸国瀧廻り 東海道坂ノ下清滝くわんおん(とうかいどうさかのしたきよたきかんのん)』葛飾北斎 1833年ごろ シカゴ美術館 The Art Institute of Chicago, Clarence Buckingham Collection
左/東京都港区虎ノ門にあったとされる滝は、溜池から流れ出した人工滝。人々の姿に、江戸の日常をうかがい知ることができる。『諸国瀧廻り 東都葵ヶ岡の滝(とうとあおいがおかのたき)』葛飾北斎 1833年 シカゴ美術館 The Art Institute of Chicago, Clarence Buckingham Collection 右/水が酒に変わったという伝承がある岐阜県養老の滝。水しぶきや川のうねりなど、さまざまな水の形態が描かれている。『諸国瀧廻り 美濃ノ国養老の滝(みののくにようろうのたき)』葛飾北斎 1833年 シカゴ美術館 The Art Institute of Chicago, Gift of Chester W. Wright
岐阜県郡上市にある阿弥陀ケ滝がモチーフとされ、円形のなだらかな渓流と直線的に流れ落ちる滝のコントラストが秀逸。手前の、滝見をしながら酒盛りをする男たちも面白い。『諸国瀧廻り 木曽路ノ奥阿彌陀ヶ瀧(きそじのおくあみだがたき)』葛飾北斎 1833年 シカゴ美術館 The Art Institute of Chicago, Clarence Buckingham Collection