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2026.10.01

東京都美術館で10/18まで開催中の「大英博物館日本美術コレクション」展から、『猿草子絵巻』を解説!【和樂“原寸”美術館】

最新の展覧会情報を網羅した、『和樂』本誌の連載企画「全国厳選! 美術展カレンダー」。【和樂“原寸”美術館】では、話題の展覧会を代表する作品を原寸大で掲載し、その作品と展覧会の魅力を解説します。今回取り上げるのは、「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」(東京都美術館)の『猿草子絵巻(えんのそうしえまき)』。日本美術ならではのユーモラスな作品を、会場で、図録で、お楽しみください。

『猿草子絵巻』の全貌はこちら

擬人化のなかにときどきリアル猿!

『猿草子絵巻』(部分) 1560~1570年ごろ 大英博物館(ロンドン)(c)The Trustees of the British Museum【通期展示、この場面の展示はなし】 『和樂』の誌面(A4変型サイズ)に掲載した、原寸部分をクローズアップした画像。

可愛いお猿は貴重な歴史的資料!

世界を代表する美術館のひとつであり、海外では最も包括的な日本美術コレクションを有する大英博物館。
その至宝の数々が、江戸時代の作品を中心に来日。
初里帰りとなる円山応挙(まるやまおうきょ)の『虎子渡(とらのこわたし)図屏風』や喜多川歌麿(きたがわうたまろ)の肉筆画『文読む遊女』なども展示されるなか、本誌が取り上げたのは擬人化された猿の物語絵巻です。

「比叡山の麓にある日吉大社の社家(しゃけ)の娘を嫁がせる、というお話です。花嫁行列や宴の場面、準備する台所の様子が描かれています。
連歌(れんが)会や茶の湯など当時の文化や流行もよく表していて、芸術的側面だけでなく歴史的史料としても貴重な作品です」と、担当学芸員の山田桂子(やまだかつらこ)さん。

日吉大社にとって猿は「神猿(まさる)」と呼ばれる神の使い。ユーモラスなこの絵巻も、神聖なものとして描かれたのかも。

「大英博物館の日本コレクションを築いた5人のうちのひとり、オーガスタス・ウォラストン・フランクスが所蔵していたもの。
日本の工芸品を数多く収集した人物ですが、茶道具への関心も高かったようです。道具など、物語の細部にも惹かれたのかもしれません」

8大浮世絵師の名品や、海を渡って分蔵された狩野派の襖絵も一堂に。大阪中之島美術館へも巡回(10月31日~2027年1月31日)する超目玉展覧会をお見逃しなく!

人間に近い猿だからこその擬人化の面白さにも注目

多くの高僧が修行した比叡山の横川(よかわ)エリアの弥三郎吉成(よさぶろうよしなり)と、日吉大社の社家の娘の、縁談の相談、婚礼、出産までを描いた御伽草子(おとぎぞうし)絵巻。
「鮮やかな衣裳の美しさや、性格まで読み取れるような描き分けにも見応えがあります」と山田さん。
会場では嫁入り行列場面を展示。原寸紹介の場面は図録に掲載。

【会場で鑑賞】

『猿草子絵巻』(部分) 1560~1570年ごろ 大英博物館(ロンドン) (c)The Trustees of the British Museum【通期展示】

【図録で鑑賞】

『猿草子絵巻』(部分) 1560~1570年ごろ 大英博物館(ロンドン) (c)The Trustees of the British Museum【通期展示、この場面の展示はなし】

東京都美術館開館100周年記念「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」 東京都美術館 ~10/18


展覧会公式サイト:https://daiei-ten2026.exhibit.jp/
※10月31日~2027年1月31日、大阪中之島美術館(https://nakka-art.jp/)へ巡回

東京都美術館 DATA

住所:東京都台東区上野公園8-36
電話:03-3823-6921
開館時間:9:30~17:30、特別展開催中の金曜日は9:30~20:00 ※入館は閉館の30分前まで。
休館日:第1・第3月曜日、特別展・企画展は月曜日休室(祝日・振替休日の場合は翌平日休館)、年末年始、整備休館
公式サイト:https://www.tobikan.jp/

◆『和樂』「全国厳選! 美術展カレンダー」とは?

『和樂』本誌では、発売期間中に全国で行われている展覧会を、作品情報とともに紹介しています。掲載しているのは全国の著名な美術館・博物館。お目当ての展覧会を見に、また旅先での美術館巡りなどで、ぜひともご活用いただきたい【和樂 提携美術館】の優待券を毎号お届けしています! 詳細は本誌でご確認ください。

【和樂 提携美術館】

山形「土門拳写真美術館」、茨城「笠間日動美術館」「徳川ミュージアム」、群馬「原美術館 ARC」、千葉「千葉市美術館」、東京「永青文庫」「太田記念美術館」「菊池寛実記念 智美術館 ※11月13日まで展示室修繕のため休館」「五島美術館」「サントリー美術館」「泉屋博古館東京」「東京ステーションギャラリー」「パナソニック汐留美術館」「三井記念美術館」「三菱一号館美術館」「森美術館」「山種美術館」、神奈川「岡田美術館」「川崎浮世絵ギャラリー ~斎藤文夫コレクション~」「ポーラ美術館」、長野「軽井沢千住博美術館」「サンリツ服部美術館」「日本浮世絵博物館」、静岡「MOA美術館」、京都「泉屋博古館」「福田美術館」「細見美術館」、奈良「松伯美術館」「大和文華館」、和歌山「高野山霊宝館」、兵庫「芦屋市立美術博物館」、島根「足立美術館」(都道府県別・五十音順)

※本記事は雑誌『和樂(2026年8・9月号)』の転載です。
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和樂web編集部


取材・文/小竹智子 構成/剣持亜弥、鈴木智恵(和樂)
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