CATEGORY

最新号紹介

2,3月号2024.12.27発売

片岡仁左衛門×坂東玉三郎 奇跡の「国宝コンビ」のすべて

閉じる

Craftsmanship

2025.01.30

炊きたてご飯を、より美味しくしたいなら!「桶屋近藤」の桶【手仕事の京都・道具名品編4】

京都は平安時代以来、芸術文化を紡いできた美しき都。そんな京都で育まれた「手仕事」をクローズアップ! 今回は箍物(たがもの)と呼ばれる技を受け継ぐ職人と、その手から生まれた〝道具名品〟を紹介します。

「手仕事の京都」シリーズ一覧はこちら

「桶屋近藤」の桶

左/寿司桶を削る箍物職人の近藤太一さん。右/近藤さんの背後には、桶の大きさに合わせた曲線の刃をもつ鉋(かんな)など、大切な道具がびっしり。

木の特性を最大限生かした使いやすく美しい木工芸

風呂桶(ふろおけ)から洗面器、おひつなど、かつて身の回りの道具の主材料は木でした。それが、金属やプラスチック類にとってかわられた時期があったものの、最近また木工品のよさが見直されています。その代表格が、胴を箍(たが)で締めて仕上げる、桶などの総称〝箍物(たがもの)〟です。

その伝統を継承している職人が、木工芸の人間国宝・中川清司(なかがわきよつぐ)氏に7年師事した近藤太一(こんどうたいち)さん。独立後、大徳寺の近くに「桶屋近藤」の工房を構えて約15年。京都でも数少ない箍物師として、手仕事にいそしんでいます。

桶に合わせて割り出した木片が隙間(すきま)なく合うように鉋で調整し、自作の竹釘(たけくぎ)と米糊(こめのり)で貼り合わせてから、上の写真のように組み合わせ、鉋をかけて表面を整える。非常に細かい作業の連続でつくられている。

木桶のよさを知ると、あれもこれも欲しくなる!

近藤さんの作品でも人気の高いアイテムは「D&DEPARTMENT KYOTO」にそろっています。そのうち、少人数向きの「寿司桶」や、小さな「おけマグ」は、オーダーを受け、やがて定番となったもの。職人は本来、使用する人の希望に応じてつくることを基本としており、近藤さんもそれを守ってきたのです。

そしてオーダーは、「できれば1年の余裕をもって」とのこと。その理由は、木材を風雨にさらして、作業に最適の状態になるまでに1年かかるから。使用する人のことを第一に考え、修理まで真摯(しんし)に取り組むその姿勢が、数多くの〝道具名品〟を生み出してきたのです。

近藤さんの名品1・炊きたてご飯を入れると、甘くおいしくなる!

椹(さわら)のおひつ 7寸、5合用(44,000円)。木の優れた機能性を実感できるのが、おひつ。異なるサイズなどのオーダーは応相談。

近藤さんの名品2・D&DEPARTMENT創業者ナガオカケンメイ氏の注文品

おけマグ26,950円。マグカップ大なので、カップにも小鉢にも、ご飯1杯分のおひつにもなる優れもの。

近藤さんの名品3・寿司飯はもちろん、大鉢やお盆としても大活躍!

寿司桶 8寸6分(31,900円)。少人数向きで収納もしやすい超人気サイズ。使用した材は檜(ひのき)の仲間の椹。ご飯との相性がよく、香りもいい。

「桶屋近藤」の名品が購入できる「D&DEPERTMENT KYOTO」店舗情報

読み方:ディー アンド デパートメント キョウト
住所:京都市下京区高倉通仏光寺下ル新開町397 本山佛光寺内 
電話:075-343-3217
営業時間:11時~18 時
休み:水曜
インスタグラム@d_d_kyoto(https://www.instagram.com/d_d_kyoto/

※本記事は雑誌『和樂(2024年4・5月号)』の転載です。
※掲載価格はすべて税込です。掲載商品は、売り切れや販売期間の終了の場合があります。価格や営業時間も変更される可能性がありますので、お出かけの前に公式サイトなどでご確認ください。

Share

和樂web編集部


構成/山本 毅 撮影/内藤貞保
おすすめの記事

「いつものごはん」がうつわで変わる! うつわshizen・選【食卓を楽しくしてくれる「この作家のうつわ」】

和樂web編集部

上質な漆のお椀こそ、ふだん使いに!【一生愛せる「うつわ」と出合う・その1】髙森寬子さん(1)

和樂web編集部

飯椀・汁椀の次に買い足すなら、これ!【一生愛せる「うつわ」と出合う・その4】髙森寬子さん(4)

和樂web編集部

手間暇かけて誂えるから、長く使える。幸せな気分になる、座布団・絵付け桐箱・和風照明【手仕事の京都・お誂え編3】

和樂web編集部

人気記事ランキング

最新号紹介

2,3月号2024.12.27発売

片岡仁左衛門×坂東玉三郎 奇跡の「国宝コンビ」のすべて

※和樂本誌ならびに和樂webに関するお問い合わせはこちら
※小学館が雑誌『和樂』およびWEBサイト『和樂web』にて運営しているInstagramの公式アカウントは「@warakumagazine」のみになります。
和樂webのロゴや名称、公式アカウントの投稿を無断使用しプレゼント企画などを行っている類似アカウントがございますが、弊社とは一切関係ないのでご注意ください。
類似アカウントから不審なDM(プレゼント当選告知)などを受け取った際は、記載されたURLにはアクセスせずDM自体を削除していただくようお願いいたします。
また被害防止のため、同アカウントのブロックをお願いいたします。

関連メディア