えとに猫年のある国もあるって本当? 十二支の動物の意味、教えます

えとに猫年のある国もあるって本当? 十二支の動物の意味、教えます

目次

はじめに、干支と十二支の違いってなに?

2019年の干支は「己亥(つちのと)」2020年の干支は「庚子(かのえね)」。年の暮れになると「来年の干支(えと)は?」と気にすることが多くなります。最近は十二支(じゅうにし)をモチーフにした漫画やアニメが増えていて、十二支ブームがくるのでは…!と思ったりして。

でも、干支と十二支の違いって知っていますか? 実は、私たちが「えと」と呼んでいるのは、動物で年を表す「十二支」のことで、「干支」は「かんし」と読み、複雑なしくみになっています。そこで、知っているようで知らない、「干支」と「十二支」について解説します。

「十干十二支」を略して「干支」

「十干十二支(じっかんじゅうにし)」とは、中国を起源とする「十干」と「十二支」を組み合わせて、暦、時刻、方位を表した60通りの言葉です。60歳を「還暦」としてお祝いしますが、それはこの十二支と十干を組み合わせた「えと」がひとまわりして、子どもに戻ったことのお祝いです。

この「十干十二支」を略したのが「干支(かんし)」で、日本では一般にこれを「えと」といい、生まれ年を表す動物をさします。しかし、本来それは十二支なんですね。では次に、十二支についてご説明します。

「十二支」とは?

十二支は紀元前の中国で暦や時間を表していて、子(し)、丑(ちゅう)、寅(いん)、卯(ぼう)、辰(しん)、巳(し)、午(ご)、未(び)、申(しん)、酉(ゆう)、戌(じゅつ)、亥(がい)の順に表したもの。

日本では子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卵(う)、辰(たつ)、巳(み)、牛(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)、と呼ばれています。

十二支に動物をあてはめるようになったのは紀元前5世紀ごろの中国の戦国時代で、十二支が時刻に用いられるようになったのは、紀元前3世紀ごろの漢の時代になってからです。

真夜中の0時を「子の刻」とし、そのあと2時間おきに丑、寅、卯…と順に刻んでいくと、昼の12時は「午の刻」。現在、12時ちょうどを「正午」といい、それより前を午前、後を午後というのはそのためです。

また、十二支は時刻だけでなく方位を表すことにも用いられており、北は子の方角、北東は牛寅の方角、などといわれます。

十二支の由来、漢字と動物の関係は?

そもそも十二支に用いられている漢字は動物とは関係なく、季節ごとに移り変わる植物の様子を表すものでした。

それをなぜ動物に当てはめたのかというと、一般の人々に普及させるためだったといわれています(諸説あり)。確かに、動物のほうが覚えやすいし、親しみやすい気がしますよね。

十二支物語

十二支がつくられた日本の物語には、なぜ猫がいないのか、なぜ「犬猿の仲」といわれるのかの理由がかくされています。

大昔のこと、神様が全国の動物たちに「1月1日の朝、1番から12番目までに来たものを1年交代で動物の大将にする」という手紙を出しました。

それを受け取った動物たちは、自分が1番になろうと翌朝暗いうちから一斉にスタートします。

しかし、ネコは「1月2日の朝」とネズミから聞いていたので、出発しませんでした。

イヌとサルは最初は仲良く並んで走っていたのですが、そのうちお互い必死になり、とうとう丸木橋の上で大げんかを始めました。

そして、いよいよ新年の太陽が昇った時、前日の夕方から出発していたウシが1番に現れます。しかしウシの背に乗っていたネズミが、ぴょんと飛び降り、「神さま、新年おめでとうございます」と、走って1番になりました。

続いてトラが到着し、ウサギ、リュウの後は、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、トリ、イヌ、イノシシ、カエル、の順番になりました。

残念ながら13番目になってしまったカエルは、がっかりして「もうカエル」と言って帰ったとか。

それから神さまと十二支になった動物たちの酒盛りが始まったのですが、イヌとサルはまだケンカ中。そこへすごい剣幕で猫が現れ、ネズミを追いかけまわしました。そのため、今でもネコはネズミを追いかけていて、イヌとサルは仲が悪いのだそうです。

参考:まんが日本昔ばなしデータベース

十二支の動物がもつ意味一覧

子=ネズミ…子孫繁栄の象徴

丑=ウシ…粘り強さと誠実の象徴

寅=トラ…決断力と才知の象徴

卯=ウサギ…飛躍の象徴

辰=タツ…権力の象徴

巳=ヘビ=死と再生の象徴

牛=ウマ…豊作・健康の象徴

未=ヒツジ…家族安泰の象徴

申=サル…利口・好奇心の象徴

酉=トリ…商売繁盛の象徴

戌=イヌ…忠誠・献身・安全の象徴

亥=イノシシ…無病息災の象徴(日本では「猪」ですが、中国では「豚」を意味します)

海外の十二支

十二支は日本や中国だけに存在するもの…と思っている人も多いのでは? 実は、日本・中国のほかに、韓国・台湾・チベット・タイ・ベトナム・ロシア・モンゴルなど、他の国々にも干支が普及しているのです! 国によって登場する動物が違っていたり、そんな動物が?! というのがいたりと、思わず驚いてしまう世界の十二支を一部ご紹介します。

猫年がある?!
日本人には親しみがありすぎる猫。犬の対義語って猫じゃないの? とすら思ってしまいますが、ご存知の通り日本の干支には登場しないですよね。ですが、チベット・タイ・ベトナム・ベラルーシにはなんと猫年が存在しました!

水牛年も!
ベトナムでは、丑ではなく水牛になっているそうです。ベトナムには「人生の三大行事は、水牛を買うこと、結婚すること、家を建てること」という言葉があって、農業や労働に役に立つ水牛は欠かせない存在。水牛年としたのも水牛への尊敬の念からなのでしょうか。

豹年まで!
モンゴルでは、寅の代わりに豹(ヒョウ)になっているそうです。同じネコ科ですが、個人的にはどちらが強いのかが気になるところです。

「十干」とは?

十干は、古代中国の殷(いん)の時代に生まれた「日」の数え方。非常に古いもので、紀元前11世紀~紀元前15世紀頃の甲骨文字にも記されています。1ヶ月を10日ごとに3つに分け、その一日一日に数詞として用いられ、甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)の順になっています。

「干支」が「えと」と呼ばれる由来は陰陽五行説にあった

「十干」は、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)とともに、占いにも応用されています。

陰陽五行説とは、宇宙に存在するすべてのものは「木(もく)」「火(か)」「土(ど)」「金(ごん)」「水(すい)」の5つの要素に由来すると唱えた古代中国の思想です。

上の図のように、基本的に「木・火・土・金・水」の五行にそれぞれ陰陽(兄弟)2つずつを配し、奇数が陽で兄(え)、偶数を陰で弟(と)とし、十干に順番に当てはめました。

音読みでは陰陽が五行にどう対応しているか分かりにくいですが、訓読みにすると、「きのえ、きのと、ひのえ、ひのと、つちのえ、つちのと、かのえ、かのと、みずのえ、みずのと」。聞いたことのある言葉ですよね?

十干が五行と結びつくとこうなります

甲(こう)=木の兄(きのえ)

乙(おつ)=木の弟(きのと)

丙(へい)=火の兄(ひのえ)

丁(てい)=火の弟(ひのと)

戊(ぼ)=土の兄(つちのえ)

己(き)=土の弟(つちのと)

庚(こう)=金の兄(このえ)

辛(しん)=金の弟(このと)

壬(じん)=水の兄(みずのえ)

癸(き)=水の弟(みずのと)

おまけ この言葉も十干十二支が関係していた!

「丙午(ひのえうま)」という言葉を知っていますか? 五行説上、丙は火の兄、午は方角で南にあたることから、この年には火災が多いと信じられていたそうです。

江戸時代の大火で有名な八百屋お七は、なんと丙午生まれ。そこから、丙午の女性をディスる迷信がはびこってしまい、明治39年(1906)年と昭和41(1966)年の丙午の年には出生率が激減したことがありました。

また、「十干十二支」にちなんで生まれた名前もあります。それは、「阪神甲子園球場」。十干と十二支それぞれ最初の「甲(きのえ)」と「子(ね)」が60年ぶりに出合った1924年に完成したことが由来になっています。

何気なく耳にしている言葉が意外にも十干や十二支に関係していることは結構多くて、気をつけてみると面白いですよ。

参考文献、『和の暮らし大事典―日々の生活にとりいれたい! 』(学習研究社)

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