江戸時代は囚人に対して、現代では考えられないような拷問を行っていました。怖いもの見たさで色々調べていくと「海老責(えびせめ)」という拷問を発見。「えびのヒゲでくすぐられる刑かな?」なんて思ったのですが、そんな生易しいものではありませんでした。
海老責とは
海老責とは、囚人に自白させるために行われていた拷問のひとつ。拷問蔵という場所で行われ、その手順は以下のとおりです。
1.囚人の手を背後で縛る
2.体を前方に曲げて、顔と両足が密着するほどに緊縛する
このように縛られた囚人は、30分ほどで全身が真っ赤になり、1時間も経つと紫色、もしくは茶色っぽくなってくるのだそう。さらに放っておくと蒼白くなってきますが、そうなると死んでしまう可能性があるので、縄はほどかれました。
海老責という言葉は、縛られた姿が海老のように見えるからだとか、赤くなるのが海老のようだからだとか、さまざまな説があるようです。
2つの拷問を耐えた者に課される拷問
命の危険もある海老責は、いきなりかけられる拷問ではありません。笞打(むちうち)、石抱(いしだき)の2つの軽微な拷問(と言っても、かなりの苦痛を与える)にも耐え抜いた者が、海老責でいよいよ本格的な拷問にかけられるのです。
海老責にも耐えた者は、次に釣責(つるしぜめ)となります。これは背中側に両手を縛り、梁につるすというもの。なかなか白状しない強情な囚人も、これには耐えかねたということです。
こんな拷問にかけられたら、実際には罪を犯していなくても、苦しみに耐えかねて真実でないことを話してしまう事例が多発したはずです。
最も重い罪を犯した者に課される刑罰とは
江戸時代の最高刑は、鋸引(のこぎりびき)というものでした。どのような刑罰かは、以下の記事でご紹介しています。
残酷すぎて誰も執行したがらない刑罰「鋸挽」その恐ろしい処刑方法とは
参考
『変態風俗の研究』田中祐吉 著
『徳川政刑史料 拷問實記』佐久間長敬 著
記事中の画像
『徳川政刑史料 拷問實記』国立国会図書館デジタルコレクションより
アイキャッチ画像
『司法制度沿革図譜』国立国会図書館デジタルコレクションより