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Culture
2019.10.21

え!プロレスと歌舞伎がそっくり?ジャイアント馬場の16文キックには型の凄みがある!

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日本の伝統芸能である歌舞伎を、世界のエンタメと比べ共通点をみつけてみることで、その意外な面白さや楽しみを発見! 今回は、身長210cm、体重136kg、日本プロレス界史上最大の巨体をもつジャイアント馬場と、『暫』に登場する歌舞伎のスーパーヒーロー・鎌倉権五郎景政を比べてみました。

プロレスは歌舞伎の荒事だった!

歌舞伎の演目で、歌舞伎十八番の一つである『暫』。悪人が善人を斬ろうとしたそのときに「しばらく〜、しばらく〜」と言いながら、巨大な柿色の素襖をまとう江戸の英雄がゆったりと現れ、悪人をやっつける物語です。

歌舞伎車鬢の鬘に、三升の紋の入った素襖を纏い、ピンチの場面で必ず登場する歌舞伎のスーパーヒーロー。豊原国周画。九代目市川團十郎の歌舞伎十八番之内「暫」(国立劇場所蔵)

ジャイアント馬場も、ゆっくりとした動作で相手をロープに振り、ロープの反動でまるで吸い込まれるかのように戻ってきたところをカウンターで蹴って叩き込みます。「16文キック」です。ときに、「32文人間ロケット砲」「脳天唐竹割」「股割き」…技は数々あれど、決して裏切らないスーパーヒーロー。ジャイアント馬場は、大きく強く見せるために、トレードマークの赤いパンツをはいていました。悪は藍隈、英雄は紅の筋隈をとるなど、視覚的に〈陰と陽〉の対決が明確な歌舞伎の荒事と、つい重ねてしまいます。

歌舞伎ジャイアント馬場の「16文キック」がキマった瞬間。蹴られたのは上田馬之助。Photo by Moritsuna Kimura/AFLO

歌舞伎とプロレス。一見、まったく異なるジャンルですが、意外と共通点が多そうです。フランスの哲学者ロラン・バルトは、次のように語りました。「レスリングは下劣なスポーツだと信じている人達がいる。レスリングはスポーツではない、見せ物だ」そして、「レスリングのよさは、度を超えた見せ物であることだ」(ここでいうレスリングとはプロレスのこと)。つまりプロレスは、スポーツではなく演劇なんだと…。

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