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気どらない京都の味を堪能できる名居酒屋「神馬」

神馬

-文/和樂スタッフ 石塚晶子(食の世界に精通。日本文化全般も担当)-

京都に何度か行った人に紹介すると、必ず喜ばれる。『和樂』掲載時には、読者アンケートで「行きたい場所」の第1位になった店でもある。情趣ある古い造りの居酒屋で、納得できる値段の割烹級料理が出てくるのが人気の理由。家庭的なサービスもいい感じ。千本通(せんぼんどおり)と中立売通(なかだちうりどおり)の交差点近くにあり、蔵のような外観が目印になっている。外壁に大きく「神馬(しんめ)」と書いてあり、赤い提灯にも店名があるから間違えようがない。
 
店内はかなり広い。Jの字形のカウンターがあり、室内なのに小さな太鼓橋があり、庭に置くような金属製の鶴が置いてある。なんだか不思議がいっぱいだ(理由は店で聞くこと)。ご主人の酒谷芳男(さかたによしお)さん。料亭で修業した息子の直孝(なおたか)さんと料理を担当する。店内は大人の楽園めいている。壁や調理場との境に、料理名を書いた紙が所狭しと貼られているのも、繁盛店らしくていい。
 

ここで食べるべきなのは、仕入れを熱心にやっている魚料理。魚は天然ものしか使わない。お造りはよこわ(クロマグロの幼魚)を必ず頼む。脂が少なくてほのかな酸味があり、きりりとしたよこわは、井上流の踊りを踊る祇園の舞妓さんのようなマグロで、赤身もトロもはっきりした歌舞伎の助六的東京のマグロの好みとはまったく違う。京都ではよく食べられる「鯖のきずし(しめ鯖)」も忘れずに注文、続いて店内各所に貼られた料理名に目移りしながら、頼むのが楽しい。
 
四条や祇園の喧噪から離れた西陣にあるので、京都の普段の顔を見た気分になる。京都で映画の撮影が盛んだったころには、映画関係者がよく来た店でもある。

INFORMATION
店舗名 神馬(しんめ)
住所 京都市上京区千本通中立売上ル西側玉屋町38
営業時間 17時~21時(L.O.)
休業日 日曜、祝日の月曜
TEL 075-461-3635

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