声まで聞こえてきそう…日本のエロティシズムとユーモアが詰まった春画の世界【だれでもミュージアム】

声まで聞こえてきそう…日本のエロティシズムとユーモアが詰まった春画の世界【だれでもミュージアム】

2020年9月18日にテレビ朝日系で放送された『タモリ倶楽部』のテーマは春画。ゲストは今をときめくシンガーソングライター、あいみょんでした。実は、あいみょんの歌と春画には共通点があります。それは、老若男女が楽しむポップカルチャーであること。アンダーグラウンドなジャンルではなく、誰もが知っている葛飾北斎や喜多川歌麿ら一流絵師たちも春画を描いているのです。エロティックなイメージの強い春画ですが、そこには日本人ならではのユーモアと、手にとった人を楽しませるおもてなし精神にあふれていました。

1.ポーズも局部もダイナミック

喜多川歌麿 メトロポリタン美術館 作品から一部をトリミング。全体はこちら

春画に見られる体位は実に多様で、アクロバティックなポーズに驚かされます。また局部が極端に誇張されて描かれているのも特徴です。江戸時代の川柳には「馬鹿夫婦春画を真似て手をくじき」なんて句も。
こちらの作品を描いた喜多川歌麿は美人画で有名な絵師ですが、甘い空気の漂う官能的な春画も得意としていました。メトロポリタン美術館で「Erotic print」で検索すると作品の数々を見ることができます。

2.相手は人間だけじゃない!?

葛飾北斎 wikimedia commons 作品から一部をトリミング。全体はこちら

葛飾北斎のイマジネーションが大爆発! タコと絡み合うのは海女。どうしたらこんなシーンが思い浮かぶの? と聞かずにはいられない作品です。背景に描かれた小さな文字にも注目してみましょう。「チュウチュウ」といった擬音の他に「八本足の絡み具合はどうだ? あれあれ中が膨れ上がっているよ……」なんてタコのセリフも。この作品は19世紀にヨーロッパへ渡り、大きな反響を巻き起こしました。

3.えっ、子どもが見てる!?

鈴木春信 シカゴ美術館 作品から一部をトリミング。全体はこちら

初期の浮世絵界を牽引した絵師、鈴木春信のこちらの作品は、なんと子どもが親のまぐわいを観察しています! よく見ると、お父さんが局部を指して何やら説明をしているような。生活の中で、現代よりも性交がオープンで身近なものだったのかもしれません。この他にも、春画には浮気相手との行為を見られてしまった瞬間や、小さくなった男性が他人の性交を覗き見する様子を描いたシュールな作品があります。想定外のシチュエーションに、思わずクスッと笑ってしまうはずです。

4.見えなくてもエロティック

喜多川歌麿 メトロポリタン美術館

日本の「エロ」はチラリズムにありました。実際、春画のほとんどが、着物をまとった状態の男女を描いています。こちらの作品は、着物をまとっているうえに、局部が隠されていて一見春画かどうか判断がつきません。しかし、冬の厚着の下から、チラリとのぞく白い腕や足がふたりの親密な関係を物語り、江戸の人々はグッとそそられたのでしょう。

5.終わったあとの風景も

歌川国貞 メトロポリタン美術館 作品から一部をトリミング。全体はこちら

裸の男女が描かれた春画の作品は少なく、さらに性交の最中を描いているものが大半のなか、この作品は、事後を描いています。夏の暑い時期なのか、男性が喉を潤そうとお茶を注いでいる様子はまるでドラマのワンシーン。女性の満足そうな表情にクシャクシャに丸められたちり紙、どこか現代の様子にも見えます。

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「だれでもミュージアム」とは?

パブリックドメインの作品を使って、バーチャル上に自分だけの美術館をつくる「だれでもミュージアム」。和樂webでは、スタッフ一人ひとりが独自の視点で日本美術や工芸の魅力を探り、それぞれの美術館をキュレーションしています。「だれでもミュージアム」はwebメディアだけでなく、各SNSアカウントや音声コンテンツなど、さまざまな媒体のそれぞれのプラットフォームに合わせた手法で配信。アートの新しい楽しみ方を探ります。

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