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2025.11.18

「ちりめん山椒」はご飯のせだけじゃない! 炊く、炒める、和える─食材としても優秀です!

京都の人はちりめん山椒をご飯のおともだけでなく、さまざまなおそうざいにも使っているよう…。料理研究家の小宮理実(こみやりみ)さんに超簡単レシピを教えていただきました。

炊く、炒める、和える──味や食感のアクセントとしてもさまざまに使えます

「京都の人は、何かにつけて〝ちりめん山椒〟です。それぞれ好みの味があるので、贔屓(ひいき)のお店があるはずです」
そう話すのは、西陣の商家に生まれ育った小宮理実さん。おせち料理や行事食を専門とする料理研究家です。
「実家が商売をしていて、出入りされている方へ帰り際にお渡ししていたのが、父が好みだった店のちりめん山椒。ご負担にならないサイズのものでした。夫の大阪の実家に結婚のご挨拶に行くときに、父から持って行くようにと渡されたのも、ちりめん山椒の詰め合わせ。やっぱり…と思いました(笑)」
それほど京都の人にとっては身近なものであり、また自慢の味でもあるのです。
「とてもシンプルな料理ながら奥深い。甘く炊いているところもあれば、お酒とお醬油だけのきりりとした味もあり、おだしが効いたもの、おじゃこは優しい風味で山椒がピリリとフレッシュなものなど、味のグラデーションの幅がものすごいんです」

お父さんが好みだったのは醬油が立った濃い味のもの。小宮さんは結婚後もその味を好んでいましたが、「50代になってから、もう少し優しい味のものを選ぶようになりました」と言います。
あれ、ご自分では炊かないのですか?
「昔は家で炊くものだったのでしょうが、今はみなさん買っていると思います。特にこの1、2年はおじゃこが本当に高い。牛肉が買えるんじゃないかというくらいの値段だったりするので、私も市販品をおいしくいただいています」

今回は、ちりめん山椒の活用レシピを4品教えていただきました。いずれも「混ぜたらおしまい」くらいの手軽な料理なので、炊きたての白飯でちりめん山椒を堪能した後に、ぜひ。
おいしくて安心安全なちりめん山椒は意外なほど賞味期限が短いので、風味豊かなうちに食べ切るのがおすすめです。

ちりめん山椒が食感のアクセント!「れんこんのきんぴら」

ホクッ&チリチリ食感のあっさりきんぴら

【材料/2人前】
れんこん:150g
ちりめん山椒:大さじ2〜3
米油:大さじ1
酒:大さじ1
醬油:大さじ1
みりん:大さじ1
【つくり方】
1、れんこんの皮を剝き、ひと口大の銀杏切りにする(厚さ8㎜程度)。
2、フライパンを中火にかけて米油をなじませ、1を炒める。
3、酒、醬油、みりんを加え、仕上げにちりめん山椒を混ぜ合わせる。
4、うつわに盛りつける。

ちりめん山椒とバターが出合った!「皮付きじゃこふきいも」

大人のポテサラ? お酒のおつまみにもぜひ!

【材料/2〜3人前】
じゃがいも:大2個
ちりめん山椒:大さじ2〜3
バター(有塩):15g程度
【つくり方】
1、じゃがいもはよく洗い、皮付きのまま2㎝角に切る。
2、小鍋に1を入れ、かぶるくらいの水と塩小さじ2程度(分量外)を加え、竹串などがスッと刺さるやわらかさに茹でる。
3、火を止めて鍋の湯を切り、再び火を点けてじゃがいもの水分を飛ばす。バターを加え、ざっくり混ぜながら大まかに潰す。
4、火を止めてちりめん山椒を加え混ぜ、うつわに盛る。

ちりめん山椒は薬味にもなります!「厚揚げの焼いたん」

表面カリカリの厚揚げを大根おろしの薬味で豪快に!

【材料/2人前】
厚揚げ:1〜2枚
大根:適量(たっぷり!)
みょうが:2個
ちりめん山椒:大さじ3
醬油:お好みで
【つくり方】
1、厚揚げはトースターや魚焼きグリル、フライパンで、表面がカリッとするまでよく焼く。
2、大根おろしをつくり、ザルにあげて適度に水分を切る。
3、みょうがを小口切りにして2とざっくり混ぜ、仕上げにちりめん山椒を加えて混ぜる。
4、うつわに1の厚揚げをのせ、3の薬味を盛る。お好みで醬油をたらす。

ちりめん山椒と香ばしい玄米が好相性♡「玄米焼きめし」

これは絶対玄米で! 香ばしさ際立つみんなが好きな味

【材料/1人前】
炊いた玄米:茶碗1杯分程度
ちりめん山椒:大さじ2〜3
大葉:5〜6枚
醬油:小さじ1
オリーブ油:大さじ2
粗挽き黒こしょう:お好みで
【つくり方】
1、フライパンを中火にかけてオリーブ油をなじませ、玄米を加えてよく炒める。
2、玄米を少し寄せ、フライパンにできた空間に醬油をたらして軽く焦がし、全体を混ぜる。
3、ちりめん山椒とちぎった大葉を加え、ざっくりと混ぜる。
4、うつわに盛り、仕上げに粗挽き黒こしょうを振る。

教えてくれたのは…、小宮理実さん


こみや りみ
料理研究家・一般社団法人行事食協会代表理事(行事食協会:https://gyojishoku.com/)。京都・室町生まれ。幼少から祖母と母より京の家庭料理、おせち料理を受け継ぐ。2007年からおせち料理を研究し、専門家として活動。行事食の良さを再確認し協会を設立。京の行事食や日本全国の行事食を発信し、調理法だけでなく先人の知恵、日本の精神性や季節を慈しむ心を伝え、未来に繋ぐ食育活動に力を注いでいる。

※本記事は雑誌『和樂(2025年10・11月号)』の転載です。
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和樂web編集部


撮影/伊藤 信 料理制作/小宮理実 構成/小竹智子、鈴木智恵(本誌)
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