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2025.12.30

お年玉の季節に知っておきたい! ポチ袋の作法と上手な使いこなし術

可愛らしくしゃれたデザインがそろっているポチ袋。現在ではもっぱら、お年玉を入れるために使われています。ほかの用途というと、旅館で心付けを渡すときぐらいですが、それではあまりに残念。これからは、常にバッグに入れておいて、便利に使ってください。

日本人の美学が息づく、美しく小さい〝ポチ袋〟

「ポチ」とは、もともと「小さい」「ほんの少し」という意味の上方のことば。
「ぼちぼち」という言葉に由来しているという説もあります。

明治時代から、旦那衆がお茶屋遊びをする際、ひいきの芸妓にご祝儀を渡すのに使われ始め、木版のポチ袋の美しさに魅せられた絵師たちが、さらにさまざまな図版でつくるようになったとか。

その後、一般の人にも広がり、爆発的に需要が増えたのは昭和30~40年代の高度成長期。
現金でお年玉を渡す人が増え、日本人の生活にポチ袋が根づきました。

室町時代に将軍家が礼法を制定して以来、現代でも揺るぎなく受け継がれているのは「人にものをあげるときは、必ず紙に包んで渡すべき」という和の心。
お金をさりげなく渡せるポチ袋が長らく使われ続けているのは、その心遣いの証拠でもあるのです。

京都・西陣の唐紙専門店「かみ添」のポチ袋

▼「かみ添」の詳しい情報はこちらの記事をご参考に。

おさえておきたい! ポチ袋の基本作法

心付けやお車代、おこづかいやお年玉など、〝ほんの少しのお金〟を入れるのが主な目的。
正式な祝儀袋とは異なり、厳密なルールはありませんが、素敵に使いこなすためのポイントをおさらいしておきましょう。

ルール1・お札は顔を内側、「右前」の3つ折りに

紙幣の顔が印刷されている面を内側にして、左→右の順で3つ折りに。ポチ袋を表に向け、折った紙幣を上下逆さまにならないように入れます。

ルール2・封はしない

お車代などを相手がさっと取り出して使えるよう、ポチ袋はのり付けなどはせず、封をしないのが基本。お札は新券を用意しておいて。

ルール3・入れる金額は1万円までが目安

小さい袋にお札を無理やり何枚も入れるのは無粋。お札は最大3枚までにしたいところ。ただし、3万円ともなると、祝儀袋に入れたほうがスマート。

ルール4・表書きはあってもなくてもよし

「お車料」「心ばかり」といった名目は、あったほうがわかりやすいですが、なくても失礼にはあたりません。美しいデザインを優先して生かしたいですね。

ルール5・目上の方には使わない

略式の祝儀袋であるポチ袋は、原則として目上の人から目下の人に対して渡すもの。目上の方には、お札が折らずに入るサイズの白封筒などが無難。

京都の木版画専門店「竹笹堂」にはかわいいポチ袋がいくつも!

▼「竹笹堂」の詳しい情報はこちらの記事をご参考に。

ポチ袋はさまざまなシーンで気軽に使えます!

アレンジ1・小さな贈り物の包装として

〝ほんの気持ち〟を贈る本来の意味に基づいて、旅先で買ったコスメや小さな雑貨などを入れて贈ると粋! ひと言メッセージを添えても。

アレンジ2・「のし」を書いて心づけに

「のし」は慶事のほか、旅館での心づけなどを〝差し上げる〟ときにも使える装飾。もともとのしがないポチ袋なら、手で書き添えてもよいでしょう。ポイントは、ポチ袋の右肩に赤字で「のし」と書くこと。

アレンジ3・「返却」や「とっさのとき」なら目上の方にも

立て替えていただいたお金を急きょ返すときなどは、裸のお札を返すのではなくポチ袋に入れて。フルネームをポチ袋に記して礼儀正しく。

アレンジ4・〝食後セット〟を入れて

ポチ袋は自分のための小物入としても重宝します。外出先にも持ち歩く常備薬など、ポーチの中でさらに細かく分けておきたいものを入れて。

京都の和文具・和雑貨の専門店「嵩山堂はし本」のポチ袋には固定ファンがいっぱい! 以下の写真2カットも同じ。

▼「嵩山堂はし本」の詳しい情報はこちらの記事をご参考に。

さらにこんな使い方もあり! です

・スポーツジムやスパなどで外す、アクセサリーのケースとして
・メッセージカードを入れるミニ封筒として
・お香を入れて、におい袋に
・切手やばんそうこう、ソーイングセットを持ち歩くケースとして
・お守りカバーとして

小さくてかさばらず、何よりも美しいデザインが豊富なポチ袋は、お金を入れて渡すだけではもったいない!
小物入れとしてはもちろん、ミニ便箋やミニカードを入れる封筒がわりにするのも愛らしいですね。
お気に入りのお香をバッグやたんすに忍ばせる、オリジナルのにおい袋にしても素敵です。
小さいプレゼントをポチ袋に入れてリボンをかけると、ポチ袋自体も贈り物に。

季節の風物詩や伝統柄、遊び心のある意匠を余すことなく楽しみましょう。

※本記事は雑誌『和樂(2015年8・9月号)』の転載です。

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和樂web編集部


撮影/内藤貞保
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