10.清水三年坂美術館(京都)
最後に日本美術の中でも、幕末・明治の「超絶技巧」系工芸を多く所蔵する清水三年坂美術館をご紹介します。その名の通り、京都・東山の観光スポットのど真ん中にある美術館なので、京都観光と合わせて、同館を訪れる外国人観光客が急増しています。同館を設立したのは、現役の幕末・明治期の工芸コレクター、村田理如氏。サラリーマン時代、出張に赴いたニューヨークで、幕末に制作された印籠と出会ったことで、海外に流出した明治工芸を中心に蒔絵、金工、七宝、焼き物、彫刻など、多岐にわたるコレクションを築き上げました。特に「明治工芸」を中心に、様々な部門で職人の丁寧な「手仕事」によって制作された驚異的な出来栄えの工芸品を楽しめる美術館です。
東京・京都に特に多い日本美術のミュージアム。観光とセットで楽しもう!
こうして見ていくと、日本美術のミュージアムは東京と京都に特に多いことがわかりますよね。日本美術では持ち運びが容易ではなく、環境変化にも弱い作品が多いので、展示期間が短かったり、お目当ての展覧会が所蔵館から離れた開催地へと巡回することはあまり多くありません。
ですから、どうしても見たい展覧会を見つけたら、お金と時間に都合をつけて、気持ちが変わらないうちに思い切って遠征してみましょう。せっかくなのでお目当ての展覧会をハシゴしたり、観光やグルメとセットで楽しんでみてくださいね。筆者もよく日本美術の展覧会を観たくて東京から京都へとよく遠征しますが、たいてい寺社参りや市内観光をセットでスケジュールに組んだり、お目当ての店を予約して食べに行ったりしています!
本稿で、あなたのお気に入りのミュージアムが見つかる助けになれば幸いです。これからも日本美術を一緒に楽しんでいきましょう!
関連情報:その他の日本美術が楽しめる美術館
●出光美術館(東京)
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●三井記念美術館(東京)
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●奈良国立博物館(奈良)
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●泉屋博古館(京都)
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●水野美術館(長野)
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●香雪美術館(兵庫)
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●大和文華館(奈良)
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●藤田美術館(大阪/休館中)
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●大倉集古館(東京/休館中)
公式サイト
文・写真/齋藤久嗣
※緊急事態宣言の期間中、臨時休館となる場合があります。 詳細・最新情報は、各美術館のHPをご確認ください。