大河ドラマ『麒麟がくる』がいよいよ放送再開しましたね。将軍・足利義輝の葛藤が、画面越しにひしひしと伝わってきます。
そこで、足利義輝にも関わる漢字クイズを出題!「不如帰」は何と読むでしょうか?ヒントは「鳥」です。
「不如帰」の読み方・意味とは
クイズの正解は……
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「ホトトギス」でした!
ホトトギスは、カッコウ目・カッコウ科の渡り鳥の一種。その激情的なさえずりが日本人の心を掴み、古くから和歌・俳句・小説・絵画など、さまざまな作品に登場します。自分で子育てをせず、カッコウなどに托卵する鳥としても知られています。
足利義輝とホトトギス
ところでホトトギスと言えば、あの有名な川柳を思い出す方も多いのではないでしょうか。
「鳴かぬなら 殺してしまえ ほととぎす」織田信長
「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ほととぎす」豊臣秀吉
「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ほととぎす」徳川家康
これらの川柳は、後世になってそれぞれの武将の性格を表すために詠まれたもの。本人が詠んだわけではありません。
しかし、武士や将軍が実際にホトトギスを詠んだ和歌もあります。ここでは、将軍・足利義輝が実際に詠んだと言われる辞世の句をご紹介しましょう。
五月雨は 露か涙か 不如帰(ほととぎす) 我が名をあげよ 雲の上まで
降りしきる五月雨は、はかなく消えゆく露だろうか、それとも私の無念の涙だろうか。ホトトギスよ、我が名を天高く広めておくれ。
五月雨は、今の梅雨のこと。ホトトギスは初夏(5月中旬頃)に渡ってくるので、夏の訪れを告げる鳥として知られています。盛夏を迎える前に、義輝は30歳という若さではかなく命を落としてしまったのでした。それでも、最期の最期まで将軍としての誇りを感じられる句です。
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時鳥・子規など、ホトトギスは他にも漢字がたくさん
ホトトギスは「不如帰」だけでなく、他にもさまざまな漢字が当てられています。中でも「子規」は、正岡子規の雅号として使われていることで有名です。
結核にかかった正岡子規は、吐血する自分をホトトギスに例えました。これは、ホトトギスは血を吐くまで鳴いたために喉が赤い、という中国の故事に由来します。
このように、ホトトギスは数多くの伝説や作品に取り上げられている鳥です。特にホトトギスを詠んだ和歌は数えきれないほど存在します。それほど人々の心を揺るがす鳥なのです。
夏といえば、海にプールに、キンキンに冷えたビール……。そんな現代の夏の風物詩もいいですが、来年はぜひホトトギスのさえずりにも、夏の訪れを感じてみてください。