凍てついていた空気が少しずつ緩みはじめる春先。冬の間縮こまっていた体も、ふっと緩んでくるような気がします。
でも、まだ寒い日もあり、バケツの水や池などに薄い氷が張ることも。
春の季語にもなっている「薄氷」、そんな風情のある景色を、ちょっと雅(みやび)に読んでみたい! でも、「うすごおり」や「はくひょう」ではないらしい……(もちろん、これらも読みとしては存在します)。
正解は「うすらひ」!
発音は「うすらい」となることが多いようです。古くは「うすらび」と呼ばれ、漢字では「薄氷」「薄ら氷」と書きます。
春先に見られる、ほんの軽く触れただけですぐに割れてしまうような、とても繊細な氷です。
非常に危険な状況を指す「薄氷(はくひょう)を履(踏)む」はどきどきしてしまいますが、指先で「うすらひ」をつつく光景には、のどかで雅な風情が感じられるような。
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主要参考文献:
・『日本国語大辞典』小学館
・『デジタル大辞泉』小学館
・『故事俗信ことわざ大辞典』小学館
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色も形も薄氷のような、富山県小矢部(おやべ)市石動(いするぎ)の名菓「薄氷(うすごおり)」。なんと、1752(宝暦2)年に創作されたもので、前田家が徳川将軍家へ献上する菓子だったのだとか。