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2024.06.05

本当に試されていた!? 「試金石」ってどんな石? 語源や碁との関係

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逆引きクイズ! 以下のような意味を持つ言葉はなんでしょう?

物の価値や人の力量などを計る基準となる物事。

答えは……って、タイトルに答えを書いてしまっていますね。

試金石(しきんせき)。比較的よく聞く言葉ですが、金を試す石、とは一体何なのでしょう? 語源を探ってみました!

政界の今後を占う試金石…とか言いますよね。ちょっと物々しい雰囲気!

金が本当に試されていた……

実は、この言葉そのままに、金などの貴金属が石によって試されていたのです。

石英質で硬度の高い黒い石に貴金属をすり付け、石に付いた色、あるいは薬品処理を行った場合との結果を比較して純度など状態を判断する、そんな江戸時代の記述がいくつか残されています。まさに「金」を「試」す「石」があったのですね!

リトマス試験紙みたいなものか!金への信用に貢献してたんだろうな〜

試金石は碁石にもなった

この金属を判定するための石はおもに和歌山県の熊野地方で採掘され、「那智黒(なちぐろ)」と呼ばれていたようです。
色は「黒漆のよう」と書かれており、良質なものは碁石にもなったといいます。

熊野生まれの石、なんだかすごいパワーにあやかれそうです!

「試金石」で碁を打つ、なんだか身が引き締まる気がしますね。

▼続けてクイズに挑戦!
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アイキャッチ画像:歌川広重『東海道五十三次 日阪 夜啼石 無間山 小夜の中山』メトロポリタン美術館より

参考文献:
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
・『デジタル大辞泉』小学館
・『日本国語大辞典』小学館

書いた人

人生の総ては必然と信じる不動明王ファン。経歴に節操がなさすぎて不思議がられることがよくあるが、一期は夢よ、ただ狂へ。熱しやすく冷めにくく、息切れするよ、と周囲が呆れるような劫火の情熱を平気で10年単位で保てる高性能魔法瓶。日本刀剣は永遠の恋人。愛ハムスターに日々齧られるのが本業。

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平成元年生まれ。コピーライターとして10年勤めるも、ひょんなことからイスラエル在住に。好物の茗荷と長ネギが食べられずに悶絶する日々を送っています。好きなものは妖怪と盆踊りと飲酒。