漢字の読みクイズ! 読めそうで読めないかもしれません。
「阿吽」、なんと読む、どんな意味を持つ言葉でしょうか?
正解は「あうん」!
正解は「あうん」。といっても、相槌を打っているわけではありません。
阿吽(あうん)はサンスクリット語のア・フームの音を写し取ったもので、「阿(あ)」と「吽(うん)」に分かれます。
密教では、阿吽はとても大切なものと見なされています。
細かく見ていきましょう。
阿とは?
阿は梵字(ぼんじ)の12母音の最初の音にあたり、口を開いたときに最初に出る音で、万物のはじめ・呼気などを表します。
吽とは?
吽は梵字の12母音の最後の音にあたり、口を閉じて発音する音であり、万物の終わり・吸気などを表します。
阿吽とは?
密教では、阿吽はあらゆるものの初めと終わり・菩提心(ぼだいしん)と涅槃(ねはん)など、摂理を示す2字として大切にされています。
呼吸の吐く息と吸う息のことも「阿吽」と言います。
また室町時代ごろ、ここから転じて、表裏・開閉・明暗・出入・増減など反対の性質を持つ2つのものを表すときにも「阿吽」という言葉が使われるようになりました。
阿吽いろいろ
「阿吽」に関連する言葉をご紹介します!
阿吽の呼吸
2人以上が一緒に作業するとき、気持ちや呼吸がぴったり合っている様子を指します。
また、相撲の立ち合いの時に両者の呼吸が合うことを「阿吽の呼吸」と呼びます。
阿吽の仁王
寺院の山門の両側に立っている、怖い顔の仁王様2人です。怒りを表して仏教を護る金剛神の像で、左は口を開いた阿形、右は口を結んだ吽形の姿をしています。
この阿吽の形は、神社の狛犬・獅子などでも見ることができます。
阿吽寺
北海道松前郡松前町にある不動明王を本尊とする真言宗(真言修験)の寺院で、かつては大館(北海道)や津軽(青森県)にもあったといいます。
▼和樂webおすすめの「阿吽」に関連した書籍
阿・吽(1) (ビッグコミックススペシャル)
アイキャッチ画像:『狛犬像』メトロポリタン美術館より
参考文献:
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
・『世界大百科事典』平凡社
・『デジタル大辞泉』小学館
・『日本国語大辞典』小学館
・『小学館 全文全訳古語辞典』小学館
・『例文 仏教語大辞典』小学館
・『日本歴史地名大系』平凡社