歴史好きの多くは、「戦国か幕末が好き」というものです。幕末は江戸「幕」府の「末」と明快ですが、戦国時代とは、いつからいつまでなのでしょう。
簡単にわかりやすくまとめます。
戦国時代=応仁の乱から大坂夏の陣終了まで
日本における戦国時代は、「応仁の乱(1467年)が始まってから大坂夏の陣(1615年)が終わるまでの約150年間」と覚えればよいでしょう。
「応仁の乱」とは、応仁元年(1467年)から文明9年(1477年)まで続いた京都を中心とする内乱のこと。それまでの京都は足利将軍が統治する室町時代が続いていましたが、やがて将軍の弟と息子で後継争いが始まります。これが「応仁の乱」で、以後幕府の権力は失われ、戦国大名が群雄割拠するようになります。
このように、戦国時代は武士でなくとも実力と才覚次第で出世、あわよくば天下統一を目指せる時代でした。いつ殺されるかもわからない極めてハードさもあり、ドラマとロマンを感じる歴史ファンは少なくありません。
「大坂夏の陣」とは、のちに江戸幕府を開くことになる徳川家康率いる東軍が、豊臣秀頼率いる西軍を壊滅させた事件のこと。これにより、150年の戦国時代が終わり、平和な江戸時代へと向かっていきます。
ただ、こうした時代の区分は、後世の人間たちが便宜的に作ったものなので、それを厳密に覚える必要はありません。あまり気にせず、「応仁の乱で統治がぐちゃぐちゃになって、最終的な戦いが大坂夏の陣で終わる」と、ざっくりととらえておけば問題ないでしょう。
戦国と江戸の間に「安土桃山」を入れる説もあり
戦国時代をいつからいつまでとするかには諸説があり、室町時代(戦国時代)と江戸時代の間に「安土桃山時代」を入れる説もあります。
その一つは、織田信長や豊臣秀吉が活躍した時代を安土桃山時代と呼び、戦国時代と区別するものです。二人の名前を取って、「織豊(しょくほう)時代」とも呼びます。この区分では、「織田信長が室町幕府を滅ぼした1573年から、関ヶ原の戦いを経て江戸時代に入る1603年まで」を安土桃山時代とし、それ以前を戦国時代と定義します。
血を血で洗う戦国時代は文化もハイレベル
このように、日本各地に有力大名が現れ、群雄が割拠した戦国時代ですが、文化的活動も見逃せません。日本絵画の正統派とも称される狩野派(かのうは)が現れ、客を招き抹茶を点てて楽しむ茶の湯が始まっています。
下位の者が上位の者を倒す「下剋上(げこくじょう)」という言葉もある通り、明けても暮れても戦だらけの血なまぐさい時代ですが、日本を代表する文化の芽生えも見られるのです。
和樂webスタッフおすすめの漫画はこれ!
参考文献
日本大百科全書(ニッポニカ)
扉絵 『大坂冬の陣図屏風(模本)』東京国立博物館所蔵 出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)