あっという間に年末ですね…皆さんは年越しそばは食べますか?
年越しそばは江戸時代から庶民の食文化として定着しており、「歳取りそば」「大晦日そば」「運そば」など様々な呼び名があります。
実は年越しそばには様々な由来や願いが込められているのです!
今回はそのうちのいくつかを紹介したいと思います!
長寿を願う
私は真っ先にこれが思い浮かびました!そばは長くのびるので「延命長寿」や「身代(しんだい・財産)が長く伸びますように」願いを込めて食べられているのですね!
捲土重来(けんどちょうらい・けんどじゅうらい)を期す!
捲土重来を期すとは「一度失敗した者が猛烈な意気込みでふたたびやり直すこと」という意味です。畑のソバは少々の風雨に当たって、弱ったように見えても、再度日の光を浴びることですぐに起き直すことから「健康」の縁起かつぎや「来年こそは」という願いがこめられて食べられていました。「健康」のためというと、江戸では「江戸患い」と呼ばれていた「脚気」が流行っており、「そばを食べると脚気になりにくい」という巷の噂からそばが盛んに食べられるようになったとも伝わっています。実際そばには、脚気の予防に効果に役立つとされるビタミンB1が豊富で、たんぱく質もバランスよく含んでいるようです。
災厄を切り捨てる
長いそばですが、うどんやそうめんより切れやすいということで、「1年の災厄を断ち切る」という願いも込められていたそうです!借金を断ち切るということで「借金切り」「勘定そば」とも言い、必ず残さずに食べなくてはいけなかったとか…
金運、運気をあげる
金銀細工師が散らかった金粉を集めたり、金箔を延ばすときにそば粉を用いたことから、「お金を集める」「金を延ばす」縁起物として食べられていたということです。また、鎌倉時代、博多の承天寺で年の瀬を越せない町人に「世直しそば」と称してそば餅をふるまったところ、翌年からみんな運が向いてきたために大晦日に「運そば」といって、そばを食べ始めたという説もあるそうです!
まだまだ色々な説がありそうな「年越しそば」来年へむけてどんな願掛けをして今年は食べますか?
そばの名店、歴史についてはこちらの記事で紹介されています!
やっぱりそばが好き!名店4選もう行った?えっまだ?【グルメ】
参考文献
「蕎麦の辞典」新島繁 講談社 2011年
「日本人の「食」、その知恵としきたり なぜ、切れやすい年越しそばが長寿の象徴なのか」 永山久夫 海竜社 2014年
「絵でみる江戸の食ごよみ」 永山久夫 廣済堂 2014年
アイキャッチ画像:鈴木春信 画『絵本八千代草 3巻』,山崎金兵衛,明和5 [1768] 序. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2533267