Gourmet
2020.08.10

愛知の郷土料理「酢味噌素麺」のレシピを紹介!赤味噌を使った簡単副菜・味噌汁も

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今年も暑い暑い夏がやって来ましたね。食べたいけど、食べたくない。食べたくないけど、食べたい……。一体どっちなの!?という感じがしますが、さっぱりとして口当たりが良く、しかも身体が元気になる料理ならぜひ食べたい。というのが、多くの方の本音ではないでしょうか。

「そんな料理ってあるの?」と思うかもしれませんが、実はあるんです。

愛知県の郷土料理「酢味噌素麺(そうめん)」とは?

夏の定番料理と言えば、やっぱり素麺(そうめん)。口当たりが良く、食欲のない時でもツルツルと食べられますよね。素麺にはいろんな食べ方がありますが、愛知県の郷土料理のひとつ「酢味噌素麺」をご存知でしょうか。

酢味噌素麺とは、素麺の上に赤味噌と酢を混ぜた「酢味噌」を乗せたもの。香味野菜なども添えられており、あっさりとしているのに濃厚で、奥深い味わいがあります。

八丁味噌などの赤味噌は、私の暮らす愛知県では食卓に欠かせない調味料のひとつですが、他の地域で暮らす方々のなかには「素麺にも赤味噌を使うなんて! 」と驚いた方もいらっしゃるかもしれません。

かくいう私自身、もともとは関東出身。酢味噌素麺のことを知った時はその意外な組み合わせに衝撃を受けましたが、実際に一口食べてみると、あら不思議。その甘酸っぱい味が夏の身体にやさしく染み込み、すっかり気に入ってしまいました。

ちなみに、かつては愛知県の郷土料理として親しまれていた酢味噌素麺ですが、現在はこうした食べ方をする人は少なくなりつつあるようです。そこで、この先人の知恵が詰まった食文化を後世にも伝えていきたいと思い、今回記事を書くことにしました。

酢味噌素麺を作ってみよう!

何はともあれ、料理は味わってみるのがイチバンです。では早速、酢味噌素麺を作ってみましょう!

昔ながらの作り方では、砂糖を使うものもありますが、今回は砂糖不使用の「甘さ控えめ」のレシピをご紹介します。

〈材料〉2人分
・素麺 2束(計100g)
・赤味噌 大さじ2
・みりん・酢 各大さじ1
・みょうがや大葉などの香味野菜(お好みで)適量
・白ごま(お好みで)適量

〈作り方〉
1.香味野菜は刻んでおく。
2.小さい鍋にみりんを入れて、火にかける。アルコール分が飛んだら、火を消す。
3.2のみりんに、赤味噌・酢を加えて、よく混ぜ合わせる。
4.たっぷりのお湯をわかし、そうめんを茹でる。冷水にとり、水分を切る。
5.器にそうめん、香味野菜、3の酢味噌を盛り付けて、白ごまを振る。

できあがり!慣れてきたら、素麺用のお湯を沸かしている間に、酢味噌が作れちゃいます。

「酢味噌」と聞くと、山菜や鯉のあらいなどに添えられる、白味噌を使ったタイプを想像する方も多いと思います。それに比べて、今回は赤味噌を使っていることからコクと旨味が強いのが特徴です。夏の厳しい暑さを乗り切るのにもぴったりの、ちょっと「パンチの効いた味」になります。

赤味噌を使った酢味噌

もちろん、この酢味噌は素麺以外に使うことができます。豆腐に乗せたり、野菜スティックに添えたりするのもよく合います。たっぷり作っておくと、この夏、きっと重宝しますよ!

じっくりと焼いたナスの上に、酢味噌を乗せたもの。酢味噌があれば、ごはんにもお酒にもよく合う一品が、あっという間に完成!

赤味噌を使った、夏の簡単料理2選

免疫力アップや抗酸化作用などさまざまな健康効果が注目されている赤味噌ですが、夏になると何となく敬遠してしまいがち……。でも、酢味噌素麺などのように組み合わせ方を少しだけ工夫することで、夏も美味しく食べられるようになります。

過去の記事でもたびたび紹介されていますが、赤味噌には身体を元気にするパワーがぎゅっと詰まっています。戦国武将もそのパワーに注目し、陣中食などにも活用されていたという話も残っています。

戦国武将の必須アイテム「味噌玉」レシピ!美容健康にも良いパワーフードの作り方を解説

では続いて、赤味噌を使った夏の簡単料理を2品ご紹介しますね。

かりもりの味噌漬け

愛知の伝統野菜「かりもり」を使った味噌漬けの漬物です。じんわりと染み込んだ味噌の味わいと、ポリポリとした食感が楽しい一品です。かりもりが手に入らなければ、太めのきゅうりなどで代用してください。

〈材料〉作りやすい分量
・かりもり(太めのきゅうりなどでもOK)1本
・赤味噌 大さじ2~3

〈作り方〉
1.かりもりは縦半分に切り、スプーンなどで種を取り出す。
2.かりもり全体に味噌を塗り、ラップなどで包む。


3. 1~2日ほど置いて、味噌の味が染み込めばできあがり。かりもりに付いている味噌を取っていただく(取った味噌は、味噌汁などに使ってくださいね)。

トマトの味噌汁

トマトの酸味と味噌の相性は抜群で、暑い時期にも食べやすい味になります。トマトは加熱すると形が崩れやすいので、大き目に切ると美しく仕上がりますよ!

今回は、トマトの他にヒラタケを加えてみました。キノコ類や豆腐などを組み合わせても美味しいです。

〈材料〉2~3人分
・トマト 1個
・出汁 2カップ
・赤味噌 大さじ1~2
・みょうがや大葉などの香味野菜(お好みで)適量

〈作り方〉
1. トマトは大き目のざく切りにする。香味野菜は刻んでおく。
2. 鍋に出汁を入れて火にかける。沸騰したら1のトマトを加えて、さっと煮る。
3. 赤味噌を加えて、味をととのえる。器に盛りつけて、お好みで香味野菜を添える。

赤味噌パワーで、この夏も元気に過ごそう

赤味噌は、暑い夏を元気に乗り切りたいと願う方にとって、とても心強い存在です。

赤味噌は旬の食材や料理との相性も良く、夏の料理がグンと味わい深くなります。今回ご紹介した素麺や漬物、味噌汁の他にも、炒めものや煮物など幅広い料理に使うことができるので、いろいろと試してみてくださいね。

赤味噌を使った料理を楽しみながら、この夏も健やかに過ごせますように。

書いた人

バックパッカー時代に世界35カ国を旅したことがきっかけで、日本文化に関心を持つ。大学卒業後、まちづくりの仕事に10年以上関わるなかで食の大切さを再確認し、「養生ふうど」を立ち上げる。現在は、郷土料理をのこす・つくる・伝える活動をしている。好奇心が旺盛だが、おっちょこちょい。主な資格は、国際薬膳師と登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。https://yojofudo.com/