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大人だけが知っている!「静寂の京都」

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Gourmet
2019.09.13

忍者の携帯食!伊賀の名品「養肝漬」がご飯にも酒にも合う!

この記事を書いた人

日本の辺境・異境を物ともせずに旅に出る和樂スタッフが、「自分史上最高のご飯のお供」を、自前のお茶碗に盛ってプレゼン。故郷を思い出す味、取材で知った味…個性あふれる和樂スタッフの生の声をお楽しみください。

第4回「宮崎屋の養肝漬」

選・副編集長 福持名保美

ごはんのおとも

三重県を故郷にもつ福持。海と山に囲まれた三重は、どちら側に近いかで大きく食文化が異なるそう。実家があるのは“山寄り”ということで、ご飯のお供といえば漬物が定番だったとか。そこで挙がったのが「養肝漬(ようかんづけ)」。「ようかん」という名前の由来に興味津々、実物を見てさらにびっくり。「ね? 人に紹介すると言葉の響きでまず驚かれるんです。地元では有名なんですけれど」

この養肝漬、どうなっているのか説明しましょう。外側は、伊賀特産の白瓜(しろうり)の芯を抜いたもの。中に見えるのは、しそ、しその実、生姜、大根を細かく刻んだものです。これを別々にたまり醬油に漬けて熟成させて、あるところで白瓜の中に刻み野菜を詰めます。ふたつの味を定着させるために再び寝かせて、計2年経ったものがこちら。製造元である宮崎屋は慶応元(1865)年から、ひと筋に養肝漬をつくってきたそうで、自慢の大きな木桶は100年以上使い続けているとか。名前の由来は、伊賀藩主・藤堂高虎(とうどうたかとら)が陣中に食料として常備し、武士の士気を養う(肝っ玉を養う)からと命名されたという逸話が代々、受け継がれています。

ごはんのおとも

「うちの家の大人はごはんと漬物で食事を締めていて、それが子供心に憧れだったんです。子供のころは苦手なおかずを食べ終えるだけでも精一杯で。大人になって養肝漬を口にして、奥深い味だなぁとしみじみ。酒を嗜む今となっては白瓜をかじりながら酒を飲み、中身の漬物とごはんで〆、が気分ですね」

◆宮崎屋
住所 三重県伊賀市上野中町3017
公式サイト

新米特集 全10回

第1回 ちりめん山椒
第2回 ふくやの明太子
第3回 生あみ
第4回 養肝漬
第5回 いか塩辛
第6回 細切り柚子昆布
第7回 金糸瓜の粕漬
第8回 特白とろろ
第9回 牛肉茶漬
第10回 かえりちりめん