「お茶会に参加してみたいけど、何から勉強すればいいのかわからない」「日本人なのに茶の湯についてまったく知らないのは嫌!」などと思っている方にお届けしたい、茶の湯の基礎知識10。こんな用語があったんだ! と知っておくだけで、茶の湯の見方が変わってくるはず。超入門編になっているので、さらりと読んでみてください!
まずは知りたい、茶の湯の基礎知識10
1.御水屋見舞(おみずやみまい)
お茶会に参加する際、「お招きいただきありがとうございます」の意味を込めて、亭主に贈る謝礼です。和菓子、お煎餅、クッキーなど、持っていくものに決まりはありません。ですが、そのお茶会のお手伝いをした人に配る場合が多いので、好ましいのは個装されていて持って帰るのにかさばらないもの。水引き(蝶結び)に表書きは「御水屋見舞」と入れてもらいましょう。
2.待合(まちあい)
「お茶会にお招きされたけど、時間までどこで待っていればいいんだろう…」。茶室に入る前、亭主に呼ばれるのを待っている場所が待合です。ほとんどの場合、茶室の庭が外露路と内露路に分けられており、待合は外露路にあります。
3.蹲(つくばい)
お茶会の準備が終了し、亭主から声がかかった際に、まっすぐ茶室に向かっては×。茶室は神聖な場所なので、なかに入るためには、身を清めなくてはなりません。そのために使うのが蹲。内露路から中門を通った先にある外露路にあります。
4.にじり口
お茶会に招かれたお客さんが、茶室に入るための入り口です。小さくつくられているのが特徴で、にじって(手をついて)入らなくてはいけないことから「にじり口」と呼ばれています。
5.亭主(ていしゅ)
お茶会の主催者。招いたお客さんたちをもてなします。お茶を点てたり、お菓子や茶器の説明をするのも亭主の役目です。
6.正客(しょうきゃく)
お茶会に招かれたお客さんのなかで代表となる人です。お茶室に入るのも、お茶やお菓子をいただくのも一番最初。亭主の近く、最も重要な位置に座ります。軸やお花などについて尋ねるという役割もあるので、経験のある人が務めることが多いです。
7.お詰め(おつめ)
お詰めの意味は2種類あります。まずひとつは“抹茶の製造元”。お茶をのんだ後に、正客が亭主に「お詰めはどこですか?」と尋ねることもあります。
もうひとつの意味は“末席に座るお客さん”のこと。つまり正客の逆で、最後に茶室に入り、お菓子やお茶も最後にいただく人です。待合や使用後の茶器の始末などを担うため、正客と同様、重要なポジションです。
8.床の間(とこのま)
掛物やお花を飾るところです。床の間にしつらえる掛物やお花は、お茶会のテーマやコンセプトを表します。わかりやすい場合もあれば、お茶会が進むにつれてその意味を理解することができる暗号的なことも。お茶会に招かれたお客さんはこれらを拝見し、亭主がそこに込めた思いを感じます。
9.小間(こま)・広間(ひろま)
国宝に指定されている2畳の茶室「待庵」など、コンパクトな茶室を小間、和室のように広いつくりの茶室を広間と呼びます。室町時代までは、高価な茶道具や文房具を豪華にしつらえた広間が主流でしたが、千利休が豊臣秀吉に仕えた戦国時代以降、無駄なものを削ぎ落とした小間が好まれるようになりました。
10.濃茶(こいちゃ)・薄茶(うすちゃ)
日本茶カフェや茶道お稽古などで良くみる泡々のが「薄茶」です。濃茶と薄茶の違いは、大きく分けて2つ。
1 お抹茶の量
濃茶は、薄茶の3倍のお抹茶を使います。さらりとした薄茶とは違い、粘り気があります。
2 飲み方
濃茶はひとつのお茶碗で数名で飲み回し、薄茶は亭主より1人1碗で提供されます。
撮影/篠原宏明
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