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6,7月号2025.05.01発売

日本美術の決定版!「The 国宝117」

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水戸黄門でおなじみ♡緻密でかっこよすぎる「印籠」コレクション6選

この美術館の館長

時代劇でもおなじみの印籠(いんろう)! 表面に漆を塗り、蒔絵(まきえ)・螺鈿(らでん)・堆朱(ついしゅ)などの様々な細工を施してある印籠はまさに芸術品!パブリックドメインからそんな印籠を集めてみました!

そもそも印籠って何?

印籠とは男性用装身具の一種で、一般的には三段~五段を重ね合わせた小型の容器のフォルムです。両側に紐を通して蓋などを調整する緒締(おじめ)で留め、紐の先端には根付(ねつけ)が。その根付を帯に挟んで腰に下げて使いました。

『邸内遊楽図屏風』(一部を切り取って使用しています。)筆者不詳/ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

初めは印判や印肉を収めて携帯するものであったところから、この名がついたそうです。室町時代ごろからは薬を入れるようになり、さらに江戸時代では中身は入れずに、単なるアクセサリーとして用いられることもあったとか!

かっこよすぎる!! 6つの印籠コレクション

編集部がセレクトした、6つの印籠をご紹介します!

絵だけじゃない!

三猿蒔絵印籠/作者 紐通し朱漆銘「塩見政誠」東京国立博物館/ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

絵だけじゃなく文字も書かれていますね! これは三猿の起源になった「七猿歌」という平安時代の歌が添えられています!

「聞か猿」、絶対聞かないゾ!! って強い意思を感じます。

超緻密!

花鳥円文蒔絵螺鈿印籠/底裏線刻銘「芝山作」/東京国立博物館/ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

青い部分は細かい青貝で埋められています! すごく綺麗!

高校生のとき、ラインストーンでケータイをデコってました! キラキラしたいものを持ちたいのは今も昔も同じ?

白もおしゃれ!

菊花蝶象嵌印籠/根付線刻銘「芝山作」/東京国立博物館/ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

こちらは象牙を使った作品! 根付のうさぎがすごく可愛いですね!

根付がお月様のうさぎみたい♡

形も色々

珠取龍蒔絵印籠/無銘/東京国立博物館/ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

宝珠型などと呼ばれる変形印籠! こちらも素敵ですね!

弟のお裁縫箱のドラゴンにちょっと似てる

えっ、何段あるの!?

牧馬蒔絵印籠/底裏金蒔銘「常嘉斎」/東京国立博物館/ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

1,2,3・・・・7段もある印籠です! 馬がすべて違う動きをしているのも見どころ!

根付も繊細だぁ!

インパクト大!

亀木彫印籠/無銘/東京国立博物館/ColBase (https://colbase.nich.go.jp)

か、亀!! まるで本物ですね!

今にも嚙みつきそう!

参考文献:『骨董をたのしむ 4 印籠と根付 別冊太陽』監修 関戸健吾 平凡社 1995、デジタル大辞泉、日本大百科全書(ニッポニカ)