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2017.06.20

これが京都の原生林!神域と俗世を結ぶ糺の森、下鴨神社をご案内

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2000年以上続く原生林は聖と俗の間(あわい)

-文/和樂スタッフ高橋亜弥子(旅をはじめ日本文化全般。彬子女王殿下連載担当)-

下鴨神社の境内に広がる「糺の森(ただすのもり)」のことを教えてくれたのは、先斗町(ぽんとちょう)にある片泊まり(かたどまり)の宿「三福(みふく)」の先代のご主人だった。ご自分で撮影された糺の森の写真を見せてくれたのだが、原生林の木の枝に鳥が止まっているように思えたので、そう告げると、数日後、「あなたがおっしゃったように山鳩が写っていました」という手紙付きで、大きく引き延ばした写真が自宅に届いた。
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そういうわけで、糺の森を歩くときは、木々を見上げながら鳥を探す。なにせ縄文時代から残る森である。鳥や動物以外にもいろんなものが住んでいそうだ。目に見えるものも、見えないものも。住宅地から神社へと導く原生林は「境界」だ。こうした神域と俗世の間を、京都にいると感じることがある。鎮守の森。祭りの夜。路地。橋。池。少し油断すると違う世界に引っぱりこまれそうな、ゾクッとするような瞬間が、なくはない。おそらく目に見えないものに対する畏怖を京都の人たちは自然に感じているのではないだろうか。東京の街は夜中でも明るくて、境界がわかりにくい。京都は神社仏閣の数も多いし、参拝する人も多い。街を歩けば、屋根の上に、家族を守る鍾馗(しょうき)さまの姿を見つけるはずだ。
 
糺の森から下鴨神社本殿でお参りして、帰りには河合神社(かわいじんじゃ)で美人祈願もすませれば清らかな気持ちに。でも、出町(でまち)商店街に出て、「出町ふたば」の豆餅をほおばれば、もう俗世にどっぷりだけど。

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