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2019.03.05

これは…奈良に行ったら絶対見たい!1年を通して花見で人気の古寺16選

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奈良・大和路には、冬の寒牡丹(かんぼたん)から、梅雨時の紫陽花、盛夏の蓮の花、秋の菊・萩・桔梗(ききょう)など、1年を通して花自慢の古刹が数多くあります。今回ご紹介するのは、3月から5月にかけて花が美しい古寺。3月に椿が咲くと、あとは一気に百花繚乱(りょうらん)。斑鳩(いかるが)の里、西ノ京、佐保路などに、花散歩にぴったりな名刹があります。東大寺の立つ春日野から、日本屈指の桜の名所・吉野まで、山地の多い奈良では桜も長く楽しめます。晩春には牡丹・石楠花(しゃくなげ)の咲く山寺がおすすめ。春うららかな光の中に、堂塔を埋めつくす花の大和路に訪ねてみましょう!

奈良・大和路 花の名刹ガイド

秋篠寺(あきしのでら)

光仁天皇の勅願で奈良時代に建立された最後の官寺。鎌倉時代建立の本堂内に安置される、小首をかしげた優美な技芸天像は「東洋のミューズ」と称えられています。静寂な境内に、紅梅と入れ替わるように咲く白木蓮(はくもくれん)が清楚で美しい。

大和路秋篠寺 本堂と白木蓮。 写真/牧野貞之

「紅梅」 2月下旬~3月中旬
「木蓮」 3月下旬~4月下旬

◆秋篠寺
住所 奈良市秋篠町757
アクセス 近鉄大和西大寺からバスで6分、「秋篠寺」下車すぐ
公式サイト(奈良市観光協会)

大野寺(おおのじ)

寺伝によれば役小角(えんのおずぬ)が開き、空海がお堂を建てたという古刹。樹齢300年という2本の小糸枝垂れ桜や、紅枝垂れ桜が妖艶に咲きます。その桜花越しに、宇陀川(うだがわ)対岸の岸壁に刻まれた弥勒磨崖仏(みろくまがいぶつ)を拝することができます。

「枝垂れ桜」 4月上旬

◆大野寺
住所 宇陀市室生大野1680
アクセス 近鉄室生口大野下車、徒歩5分
公式サイト(宇陀市観光協会)

海龍王寺(かいりゅうおうじ)

隣接する法華寺とともに、藤原不比等(ふひと)の邸宅跡に立つ古刹。不比等の娘・光明皇后が創建したと伝わっています。築地塀、山門も昔ながらの大和路の風情を残し、春、境内は背丈よりも高い雪柳の大株に白い花が咲き乱れます。

大和路海龍王寺 本堂脇に咲く雪柳。 写真/牧野貞之

「雪柳」 3月下旬~4月中旬

◆海龍王寺
住所 奈良市法華寺北町897
アクセス JR・近鉄奈良駅からバスで14分、「法華寺前」下車、徒歩1分
公式サイト

金峯山寺(きんぷせんじ)

修験道の開祖・役小角が蔵王権現(ざおうごんげん)の姿を山桜の木に刻み、開創したという由緒から、古くから山桜がご神木として奉納され、吉野山は日本一の桜の名所となっています。花霞のなか、西行法師、松尾芭蕉、本居宣長ら多くの文人墨客が行き交った景勝地。

「山桜」 下千本の3月下旬から、中・上・奥千本へと4月中旬過ぎまで

◆金峯山寺
住所 吉野郡吉野町吉野山2500
アクセス 下千本まで、近鉄吉野駅から吉野ロープウェイで5分、吉野山駅下車、徒歩10分
公式サイト

當麻寺(たいまでら)

7世紀、白鳳時代に起源をもつ河内の寺を現在地の葛城に移したと伝えています。創建当時からの姿を今にとどめる東西の三重塔や白鳳仏、池泉回遊式庭園など、見どころがたくさん。牡丹の寺として名高く、桜草、桜、雪柳、躑躅(つつじ)などが春の境内を彩ります。

「桜」 4月上旬
「牡丹」4月中旬~5月上旬

◆當麻寺
住所 葛城市當麻1263
アクセス 近鉄当麻寺駅から徒歩15分
公式サイト

中宮寺(ちゅうぐうじ)

聖徳太子が母・穴穂部間人(あなほべのはしひと)皇后のために建立したとも、皇后自身の発願ともいわれています。おだやかに微笑む本尊・菩薩半跏像は白鳳仏を代表する名品。本堂脇に咲きこぼれるのは黄色い山吹。花の見ごろどきには、山吹茶会が開かれます。

「山吹」 4月上旬~中旬

◆中宮寺
住所 生駒郡斑鳩町法隆寺北1-1-2
アクセス JR法隆寺駅からバスで10分、「中宮寺前」下車、徒歩5分
公式サイト

唐招提寺(とうしょうだいじ)

奈良時代、苦難の末に唐から来朝し、仏教の戒律を伝えた鑑真和上(がんじんわじょう)創建の寺。昭和38(1963)年、鑑真の1200年忌に際し、その故郷揚州から瓊花(けいか)の苗木が贈られ、今では御影堂を飾るように気品高い白い花を咲かせます。開花時期に合わせ、御影堂供花園が特別公開されます。

「瓊花」 4月下旬~5月上旬

◆唐招提寺
住所 奈良市五条町13-46
アクセス 近鉄西ノ京駅から徒歩8分
公式サイト

東大寺(とうだいじ)

奈良時代に聖武天皇の勅願により建立された総国分寺。大仏殿を中心とした広大な境内が、幾多の災禍を乗り越えた天平の威光を伝えています。二月堂のお水取りが終わるころから、馬酔木(あせび)、椿、桜、木蓮などが咲き継いでいく。

大和路東大寺 大仏殿と桜 大仏殿へ至る広い参道脇にある1本の大きな桜樹。大仏を荘厳し、聖武天皇が目ざした華厳の浄土に誘うかのようにあでやかに咲き誇り、参拝客の目を楽しませてくれる。 写真/三好和義

「椿」 3月上旬~4月上旬
「馬酔木」 3月中旬~4月上旬
「木蓮」「桜」 3月下旬~4月上旬

◆東大寺
住所 奈良市雑司町406-1
アクセス 近鉄奈良駅から徒歩25分、またはバスで5分、「大仏殿春日大社前」下車、徒歩5分
公式サイト

長谷寺(はせでら)

「万葉集」「枕草子」「源氏物語」にも登場する観音信仰の霊場。「花の御寺」と呼ばれ、四季を通じて境内が美しく彩られます。牡丹で世に聞こえ、また多くの種類の花が咲き集う桜の季節もおすすめです。本堂舞台から「桜の園」が眺望できます。

「桜」 3月下旬~4月中旬
「牡丹」 4月下旬~5月上旬

◆長谷寺
住所 桜井市初瀬731-1
アクセス 近鉄長谷寺駅から徒歩15分
公式サイト

般若寺(はんにゃじ)

寺伝によれば飛鳥時代に創建され、平城京の鬼門を護るため聖武天皇が伽藍(がらん)を整えました。コスモスの寺として知られ、山吹、紫陽花、水仙など四季折々の花が、十三重石塔や石仏、築地塀の周辺を彩って咲きます。

「山吹」 4月上旬~中旬

◆般若寺
住所 奈良市般若寺町221
アクセス JR・近鉄奈良駅からバスで12分、「般若寺」下車、徒歩5分
公式サイト

白毫寺(びゃくごうじ)

春日山に連なる高円山の麓にあり、境内からの奈良盆地の眺望が素晴しい。「萩の寺」として知られていますが、春には天然記念物に指定されている五色椿をはじめ、藪椿(やぶつばき)、有楽椿など、さまざまな種類の椿が目を楽しませてくれます。

「椿」「五色椿」 3月下旬~4月中旬

◆白毫寺
住所 奈良市白毫寺町392
アクセス JR・近鉄奈良駅からバスで12分、「高畑町」下車、徒歩20分
公式サイト(奈良市観光協会)

不退寺(ふたいじ)

「伊勢物語」の主人公と伝承される平安時代の歌人・在原業平(ありわらのなりひろ)ゆかりの寺で、どことなく貴族の館の趣を残します。寺伝では本尊の聖観音像、五大明王像も業平自作という。庭園には500種以上の花木があり、花が絶えることがありません。

「椿」 3月~4月
「連翹(れんぎょう)」 3月下旬~4月中旬

◆不退寺
住所 奈良市法蓮町517
アクセス JR・近鉄奈良駅からバスで12分、「一条高校前」下車、徒歩5分
公式サイト(奈良市観光協会)

佛隆寺(ぶつりゅうじ)

空海の高弟・堅恵(けんね)の創建で、空海請来の茶を栽培したと伝えられる山寺。春には約200段ある石段に、樹齢900年余の「千年桜」の大木が枝を垂らして咲き、秋には赤い絨毯のように彼岸花で覆われます。室生寺に至る「室生古道」は、ハイキングコースになっています。

「千年桜」 4月中旬

◆佛隆寺
住所 宇陀市榛原赤埴1684
アクセス 近鉄榛原駅からバスで10分、「高井」下車、徒歩30分
公式サイト(なら旅ネット)

法起寺(ほうきじ)

聖徳太子の岡本宮を、その子・山背大兄王(やましろのおおえのおう)が寺に改めたもの。法起寺から法輪寺、中宮寺、法隆寺へと至る聖徳太子ゆかりの斑鳩の里には、のびやかな田園風景が広がります。菜の花や蓮華畑の向こうに斑鳩三塔が見え隠れする絶好の散策路。大和古寺巡礼の楽しみが味わえます。

「菜の花」 3月下旬~4月中旬
「蓮華」 4月中旬~5月上旬

◆法起寺
住所 生駒郡斑鳩町岡本1873
アクセス JR法隆寺駅からバスで4分、「法起寺前」下車、徒歩3分
公式サイト

室生寺(むろうじ)

奈良時代末に創建、山岳仏教の道場として発展した室生寺。「女人高野」の名にふさわしい瀟洒(しょうしゃ)な堂宇と美しい仏たちで知られています。石楠花(しゃくなげ)が仁王門、鎧坂から五重塔にかけての参道に咲き乱れる季節は、境内がことに華やぐ。

「石楠花」 4月中旬~5月上旬

◆室生寺
住所 宇陀市室生78
アクセス 近鉄室生口大野駅からバスで15分、「室生寺前」下車、徒歩5分
公式サイト

山田寺跡(やまだでらあと)

大化の改新で活躍した蘇我倉山田石川麻呂の発願により創建。本尊の仏頭のみが興福寺に残っています。発掘調査で東回廊の建築部材が往時のまま出土し、話題になりました。現在は小さな観音堂と庫裏が再建され、その裏手に清楚な白藤が咲きます。

「白藤」 4月下旬~5月上旬

◆山田寺跡
住所 桜井市山田
アクセス JR・近鉄桜井駅からバスで10分、「山田寺前」下車すぐ

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