戦国時代の名残を残す城は、優美な建築様式や四季折々の自然とあいまった風景など多くの魅力を持っていて、その人気は盛り上がるばかり。
近ごろは、SNS映えスポットとして注目され、ARやVRといった最先端の技術を使った案内が実施されるようになっている城もあり、時代に即した形で城ブームは沸騰しています。
日本にあまたある城のなかで、どの城が一番注目を集めているのか・・・。阪急交通社のサイト内で検索された数をもとに発表された、最近1年間で検索された城のランキングをご紹介します。
10位 犬山城(愛知県)
小高い山の上に立つ犬山城(いぬやまじょう)は、1537年に織田信長の叔父・信康が築いたといわれます。犬山城はこの5年間連続で、年間入場者数の記録を更新していて、2018年12月には初めて60万人を突破。ランキングも徐々に上がってきています。また、三光稲荷神社のピンクのハート型絵馬や芳川屋の季節のフルーツパフェなど、インスタ映えする要素が周辺に多いというのも検索数アップのポイントのようです。
国宝犬山城 公式サイト
9位 弘前城(青森県)
青森県弘前(ひろさき)市の弘前公園内に建つ城は、寛永4(1627)年に落雷によって本丸御殿などが一度焼失し、文化7(1810)年に再建。園内には天守以外に 天守から見た方角を12支で示した辰巳櫓(たつみやぐら)、未申櫓(ひつじさるやぐら)、丑寅櫓(うしとらやぐら)があり、それぞれ南東、 南西、 北東に位置しています。弘前公園では4月20日~5月6日に「弘前さくらまつり」、 8月1日~7日には「弘前ねぷたまつり」が開催され、華やかに盛り上がります。
弘前公園 公式サイト
8位 大阪城(大阪)
再建、改修を経て、平成9(1997)年に国の登録有形文化財に指定された大阪随一の人気観光スポットである大阪城。2017年度まで3年間連続で入館者数の最多記録を更新し、その数は市の人口も超えるほどです。8階建ての城内は博物館と展望台になっていて 大阪城に関する展示やシアター、ミュージアムなど見どころ満載。最上階には展望台があり、大阪の街並みを一望。2019年11月24日までは、重要文化財の大阪城の櫓が土日祝日定で特別公開されています。
大阪城天守閣 公式サイト
7位 松江城(島根県)
現存する12の天守閣のうちのひとつである松江城は、平成27年(2015年)に国宝に指定されて話題になった、島根県松江市のシンボル。戦乱の時代に建てられてから400年以上が経過している城は、附櫓(つけやぐら)や急勾配の階段など、敵の侵入に備えてさまざまな技巧が用いられています。最上階からは360度ビューで松江の街並みを眺めることができ、お濠には遊覧船もあるので、いろいろな角度から楽しめるのも特徴です。
国宝松江城ホームページ
6位 五稜郭(北海道)
北海道函館市の中心地にある五稜郭(ごりょうかく)は、 江戸幕府の役所として幕末に造られた西洋式城郭。稜堡(りょうほ)と呼ばれる5つの角がある星型の城は、隣接する五稜郭タワーに登ると星型の城を写真に収めることができます。堀の内側は約125,500㎡もの面積で、東京ドーム約3つ分の広さ! 手漕ぎボートを借りて堀を一周するのも人気です。春になると約1600本のソメイヨシノが咲き、花見&ジンギスカンの宴が楽しめます。
函館・五稜郭タワー 公式サイト
5位 彦根城(滋賀県)
「ひこにゃん」で知られる彦根城の天守には、隠し部屋や弓矢や鉄砲で狙撃するための穴「狭間(さま)」があり、まさに戦のために築城されたことがよくわかります。表御殿を復元した建物は「彦根城博物館」。藩主の居間や茶室などが見学できます。ひこにゃんはほぼ毎日登場しているのですが、登場場所や時間はFacebookのアカウントなどで発表されているので確認してみてください。
彦根観光ガイド 公式サイト
4位 名古屋城(愛知県)
名古屋駅から電車で約10分の場所にある名古屋城は、徳川家康が天下統一のため、最後に築いたといわれる城。平成30(2018)年6月から本丸御殿が全面公開され、2018年度の入場者数は220万人を突破。3代将軍家光が宿泊するために建てられた、贅の限りを尽くした「上洛殿(じょうらくでん)」が見もの。新たに名古屋城に隣接するエリアにオープンした、城下町を再現した商業施設「金シャチ横丁」も話題を呼んでいます。※天守閣は木造復元工事のため中には入れません(2022年12月までの予定)。
3位 松本城(長野県)
これまで五層天守閣としては最古としてされていた松本城は、最近、現存する12天守で最古である可能性が出てきたことから話題を集めています。松本城は別名「烏城」。白漆喰と黒漆塗の下見板で覆われた外観の美しさは比類がなく、北アルプスを背景した姿はまさに一見の価値があります。松本城に関するさまざまなクイズが出題される「国宝松本城クイズ」、江戸時代の姿を再現するVRが楽しめる「ストリートミュージアム」など、 スマートフォン向けアプリも充実。兜や忍者の衣装を身に付けた「おもてなし隊」も人気です。
国宝松本城 公式サイト
2位 竹田城(兵庫県)
今日の城ブームの火付け役になったのが、兵庫県朝来市(あさごし)の古城山(こじょうざん)の標高約353mの山頂に位置する竹田城(跡)。約400年前に廃城し、現存するのは石垣だけなのですが、濃い霧が発生した際の情景は雲海に浮かんでいるように見えることから「天空の城」と呼ばれています。竹田駅付近にある「情報館 天空の城」前の広場で土日祝限定で販売されている「もふもふソフト」は、ソフトクリームの周りを雲海に見立てた大きなわたあめで囲まれていて、フォトジェニックなことから大ヒット中。最寄りの駐車場から20分ほど歩かなければならないので、歩きやすい靴(スニーカーや登山靴など)が必需品。※1月、2月の冬季は閉山されます。
竹田城跡 公式サイト
1位 姫路城(兵庫県)
ナンバーワンに輝いたのはやはり、日本初の世界文化遺産であり、国宝や重要文化財にも指定されている姫路城!
白鷺が羽を広げたような優美な姿から、「白鷺城(しらさぎじょう)」と呼ばれる城は、美しさのみならず、戦闘用に工夫を凝らした設備のかずかずも見もの。地下1階、地上6階建ての大天守の展示物から歴史を学んだり、最上階からの眺めを楽しんだり、千姫が休息所としていた「化粧櫓」や播州皿屋敷でお菊が投げ込まれたとされる「お菊井戸」などもあって、見どころ満載です。日没後から午前0時まで毎日ライトアップされているので、ロマンチックな夜の姫路城を訪れるのも一興です。
姫路城 公式サイト
対象:2018年4月1日~2019年3月31日の検索数
※単一キーワードによる検索数をもとに、表記揺れ、複合キーワードによる検索は合算していません。ただし、竹田城など「竹田城跡」「竹田城址」といった、 城があった跡であることを示すために一般的に呼ばれる名称は合算しています。