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2023.10.03

コーヒーや紅茶とも相性よし! 亀屋則克「紅葉」【秋めく京都の干菓子図鑑・伍】

京都の自然の景色や、みやこびとが愛した文様や物語が、指先にのる大きさに表現されている干菓子は、京都の美意識そのもの。そんな京都の老舗の干菓子から、お取り寄せ可能な8作を6回に分けてご紹介します。

第5回は【亀屋則克「紅葉」】です。

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自家製の粉糖だけで打つ干菓子は京都でもここだけ
亀屋則克の季節の詰め合わせ「紅葉」

干菓子といえば木型を使う「打ち物」が広く知られています。ところが「打ち物」の世界は奥が深い。同じように見えて、生地の材料はさまざま。店それぞれに工夫し、それにあわせた木型を調整します。こうして自分の店だけの味を追求し、技を競いあってきたのが京菓子の伝統です。

昭和初期に創業したこの店では、グラニュー糖を挽いたオリジナルの粉糖(ふんとう)の打ち物を初代が考案しました。グラニュー糖の特徴である軽い口どけ、すっきりした甘みはコーヒーや紅茶とも相性がいい。何より、粉糖の白さゆえに淡い色がよく映える! 

「うちの干菓子は時間が経っても色があせないし、食感も変わらない。ほかの店にないものを、と初代がいろいろと考えたんだと思いますね」と3代目の森田邦夫さん。型抜きした打ち物を干し固めるのに七輪を使うのが初代からの習慣で、夜通しで1日かけて炭の相手をしていたそう。「つい最近、電気に替えました。ようやく家族みんなで落ち着いて寝られるように(笑)」

木型職人とひざをつき合わせて考えたというこの意匠は、ムダな線を省いた単純なフォルムに特徴があります。「薄くて、小さいほうが口ほどけはいいですから」と型の厚みも極力薄いつくりに。パステルカラーに彩られた小さな干菓子は一年を通して愛らしい意匠で目を和ませてくれます。

秋・冬限定で登場するのが、きな粉味の「福俵(ふくだわら)」

1箱3,300円(税込)。写真は10月後半の内容で、3段重ねで干菓子が収められている。日もちは約90日。さらに大きい木箱から、手のひらサイズの紙箱まで同内容で多種そろう。

同じ型を使ってもこの「紅葉」になる前は緑に黄をさした「照葉(てりは)」。見立ての違いに感心。

店舗情報

亀屋則克(かめやのりかつ)
住所:京都府京都市中京区堺町通三条上ル大阪材木町702
電話:075-221-3969
営業時間:9時~17時 
休み・日曜・祝日・第3水曜
●お取り寄せ:ウェブサイトhttps://norikatsu.official.ec/ 電話でも受け付ける

撮影/石井宏明 構成/藤田優
※本記事は雑誌『和樂(2021年10・11月号)』の転載です。掲載データは2023年9月現在のものですが、お出かけの際は最新情報をご確認ください。

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和樂web編集部

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