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2024.10.09

地元の人も通も太鼓判! 10年先も通い続けたい「割烹 しなとみ」【京都〝最新〟うまい店・和食編1】

京都で、大人が居心地のいい店とは、頑張りすぎず、くだけすぎない、そしてもちろん、味もとびっきり! それは、ずばり「今から常連になりたい店」!! 地元の人たちは、ここと決めた店を通して、季節の巡りを感じ、京を味わいます。自分の好みを知ってもらえれば、店主もおすすめがしやすい。心を通わせたやりとりが何よりも贅沢で、うまいものに近づける最短の道のようです。 とことん客目線に立ったもてなしを考えた店主たちがいる新しい店を中心に、「10年先も通い続けたい」「常連になりたい」、一緒に年を重ねていきたい主人と店を厳選しました。 まずは和食。「お任せコースのみ、一斉スタート」が主流になった昨今の京都の割烹。一方で、単品注文でOKの店も増えてきました。好きに使ってよし、大人が集う人気店をご案内します。

左/「土鍋御飯」の一例。炊き上がりにゆでた枝豆を加えて、食感の違いを楽しむ。秋が深まれば丹波産の黒豆に替わり、これも絶品。右/京都が誇る白味噌を味わってほしいと生まれたお椀が、一年を通して楽しめる「白味噌雑煮」。白味噌は山利製、野菜は旬のものが入る。

夫婦が醸す温かな空気と確かな味で人気上昇中「割烹 しなとみ」

「割烹 梅津」などで修業を重ねた髙橋集一(しゅういち)さん。前職場で共に店を任されていた綾子さんと独立後、ふたりでこの店を開業。

「一緒にカウンターに立ち、それぞれができることをやる。会話やお酌で楽しませる女将(おかみ)さん像は、最初から頭になかったですね(笑)」と綾子さんに続いて、「味がのっているものを最高の食べ方で、目の前のお客様にお出ししたい。ふたりで手を動かしたら、早いでしょう」と言葉を締める集一さん。

集一さんは修業先で、手間を惜しまない昔ながらの技法を習得。「緻密なんですが、心を許せる味なんですよね」。

何を食べてもおいしいと評判の理由は、綿密な下準備にあり。中でも出汁の精妙さは秀逸です。まずは出汁をたっぷり味わう一品から、どうぞ。

「炙って甘みの出た鱧の身を、温かいうちに塩とわさびでどうぞ。鱧の〝落とし〟に慣れたお客様は、びっくりされますよ」――髙橋集一さん

魚はすべて近海の天然物。ぜひお造りを! 10月いっぱいまで続く鱧は、焼き霜がおすすめ。

左/炙りものは炭火が一番。約40品の中から一品料理を頼んで予算はひとり15,000~20,000円ほど。写真はすべて2人前。右/奥から「秋茄子のオランダ煮」、「菊花ときのこのおひたし」。鰹かつお節ぶしを4種類以上独自に配合した出汁のうまさに驚く。

左/2021年に開店した「割烹しなとみ」は御所近く、静かな住宅地という立地もとっておき感があっていい。右/髙橋集一さん、綾子さん。夫婦それぞれの得意を生かして、料理もサービスも一緒に行う。カウンター内のふたりは料理に集中、客とつかず離れずの距離が心地よい。〝ザ・板前〟でない仕事着も、自分たちの考える今の割烹スタイル。

割烹 しなとみ DATA

住所:京都府京都市上京区信富町315-4
電話:075-366-4736
営業時間:17時30分~22時(最終入店20時)
休み:木曜、不定休あり
店内:カウンター7席、個室1 ※要予約
公式サイト:https://shinatomi.com/

撮影/長谷川 潤 構成/藤田 優
※本記事は雑誌『和樂(2023年10・11月号)』の転載です(価格や年齢、年数などは2024年9月現在)。
※掲載価格はすべて税込で、価格や営業時間などは変更される場合があります。お出かけの前にご確認ください。

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和樂web編集部

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