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Travel

2025.06.04

金沢がもっと好きになる。「ハイアット セントリック 金沢」で日本の美に包まれる旅を

2025 年 8 月に開業 5 周年を迎える「ハイアット セントリック 金沢」。JR 金沢駅金沢港口(西口)を出てすぐという抜群のアクセスと、金沢の歴史と伝統文化を随所に感じられるインテリアデザインで多くの旅好き、日本美術好きを魅了しています。特に、ホテルのあらゆる場所で人々を出迎えてくれる 100 以上のアートワークの素晴らしさはまさに無二! 金沢ならではの伝統工芸の奥深い世界を、より身近に感じることができる、美術館のような空間をご紹介します。

伝統工芸から現代アートまで 100 以上のアートワークが

東京駅からなら、JR 北陸新幹線に乗って 2 時間半ほど。金沢駅に降り立ち、歩いて 2 分ほどでもう「ハイアット セントリック 金沢」のエントランスにある、ドラマティックな金箔アートが目の前に。感激するほどのアクセスのよさと、「金沢に来た」という実感とで、一気に胸が高鳴ります。

駅構内からホテルまでは歩いてすぐ。屋根の下を歩けるので、雨や雪の日でも安心です。照明など、前田家の家紋である梅鉢紋を模った意匠があちこちに。

エントランスで出迎えてくれるのは、兼六園の松をイメージした大きなアートワーク。背景のブルーは犀川と浅野川、そこから引かれた 55 もの用水の流れのよう。

加賀藩前田家の城下町として栄えた金沢は、金沢箔、加賀友禅、九谷焼など、伝統工芸が受け継がれ、今なお日常の中にある街。「ハイアット セントリック 金沢」は、そのことを実感させてくれます。館の内外には、金沢にゆかりのある作家による 100 を超えるアートが点在。ひとつひとつがストーリーをもつ非常に個性的な作品でありながら、自然な佇まいで空間に馴染んでいるのも特徴的で、美を愛する人の邸宅に招かれたかのような錯覚を覚えます。


玄関ロビーには加賀獅子舞で試し彫りとしてつくられる獅子頭のミニチュアが。エレベーターホールに掛けられているのは、金沢の古地図を下刷りした着物に雲唐草を描いた友禅。

ロビーフロアも金沢らしさで満たされています。茶屋町を想起させる弁柄色の格子「木虫籠(きむすこ)」、現在では国内の生産シェアのほぼ100%を占める金沢の金箔をふんだんに使ったアート、醤油樽を台座にした受付カウンター。壮麗でありながらしっとりとした情緒溢れる空間は、旅という非日常への誘いでもあります。

金沢ならではの意匠を凝らした風情あるレセプション。奥の壁に巨大な金箔アートが。茶屋建築での工芸体験などを含む宿泊プラン「金沢金箔&開運体験プラン」も人気。

重要無形文化財「彫金」保持者(人間国宝)の中川衛による加賀象嵌作品も。ほぼすべての作品が、ケースに入れられることなくさりげなく展示されており、触れることもできる。

金沢らしさが随所に! 広々として居心地のいい客室

エレベーターに乗る前にも、乗っているときにも、降りたところでも、友禅や漆器といった伝統工芸をモチーフにしたアートワークを楽しむことができます。各部屋のルームサインにはオリジナルの九谷焼のプレートを使用。鮮やかな五彩がかわいらしい!

お部屋に入ってまず目を奪われるのは、ベッドボードの大きなアートワーク。金沢市内のアスファルトの道路に実際に和紙を敷いて、道のひび割れやマンホールの形を克明に象っています。点々とあしらわれた金箔は、子供が履いて遊んだ下駄の歯の跡なのだとか。跳ねるような楽しげなリズムを見ていると、なんだか街へ出かけたくなります。


ベッドボードのアートワークは、レッドのほか、ブルーの部屋もあり。写真は「シティービュー キング(32 平米)」「プレミアム ツイン(46 平米)」。7 室のスイートルームを含む全253 室。

そして、部屋には隠れマスコットとも言える動物の姿があります。それは「うさぎ」。館内には、「茶屋街のある座敷には茶人・小堀遠州によるうさぎの金物がある」「かつて、石川のある村がうさぎに救われた」「金沢が誇る文豪、泉鏡花はうさぎの置物を集めていた」という、うさぎにまつわる複数のエピソードから着想した、うさぎをモチーフにしたオブジェやアートワークが点在しているのです。何羽のうさぎと出合えるでしょう?

ロビーフロアのエレベーターでは 2 羽のうさぎがお出迎え。

ダイニングで、バーで、金沢ならではの豊かな食を楽しむ

日没前に訪れたいのが、最上階・14 階にある「ルーフテラス バー」。金沢ではおそらく唯一の、オープンエアのテラスを併設するバーです。北は金沢港まで見渡せ、天気のいい日は南に美しい白山連峰も。ドラマティックな夕焼けや夜景、夏には温泉街の花火も楽しめます。


金沢の街を一望できる稀有なロケーション。陶板や漆塗りに使われる木地を使った個性的なアートも見どころ。

茶屋街の朱の間をイメージした空間では、クラシカルなメニューに加え、醤油や棒茶といった地元の食材を使ったオリジナルのカクテルも楽しめます。そして、お酒とともにぜひ味わってほしいのが、ホテルオリジナル「酒粕入り生チョコレート」。年間300 kg生み出される小松市の「西出酒造」の酒粕を活用し開発したオリジナルのチョコレートで、酒粕のふくよかな香りとチョコレートの風味の組み合わせがクセになるおいしさです。

そして、3 階のオールデイダイニング「FIVE – Grill & Lounge」。「FIVE」=「5」は、加賀友禅の「加賀五彩」や九谷焼の「九谷五彩」の「五」からインスピレーションを得たもので、空間でも、食事でも、金沢の魅力がさまざまに表現されています。その象徴ともいえるアートワークが、加賀野菜を描いた巨大な日本画。ほかにも 350 年以上の歴史をもつ大樋焼から、気鋭の現代美術家まで、数々の作品が随所に配され、見飽きることがありません。伝統と今が混在し、刺激を与えながらひとつの世界をつくりあげていく。身を置くだけで、エネルギーが満ちてくるようです。

ダイニングエリア。高い天井まで届く栗原由子『加賀野菜図』からは、鮮やかな色彩と溢れる生命力が伝わってくる。

野菜も肉も魚も、伝統的な調味料も、北陸のバラエティ豊かな食材をふんだんに使ったオリジナルメニューに舌鼓。ディナーメニューのグリル料理も贅沢で幸せ、朝食のブッフェでは人気のオムレツやフレンチトーストをはじめ、金沢のソウルフード、金沢おでんやハントンライス、金沢カレーも楽しめます。

このホテルで過ごす時間が、ラグジュアリーでありながら、やさしい温もりを感じさせてくれるのは、工芸という人の手が生み出す奇跡に包まれているからかもしれません。金沢愛あふれるスタッフのあたたかなもてなしも心地よく、また訪れたいと思える忘れられない旅になるはず。「ハイアット セントリック 金沢」での滞在が、金沢という街の魅力をよりいっそう輝かせてくれます。

ハイアット セントリック 金沢

住所:石川県金沢市広岡 1-5-2
電話:076-256-1234
公式サイト:https://www.hyatt.com/hyatt-centric/ja-JP/kmqct-hyatt-centric-kanazawa

「ハイアット セントリック 金沢」のデザインは、庭田良一が代表を務めるデザイン事務所「BOND DESIGN STUDIO」が担当。伝統工芸、現代アートをはじめ、伝統工芸の制作過程で生まれた廃材なども活用した、持続可能なデザインが大きな魅力となっている。併設の「ハイアット ハウス 金沢」は、中長期の滞在やワーケーション、友人や家族との旅行におすすめのセレクトサービスホテル。 92 室のゲストルームのうち 78 室がキッチン設備付きで、ドッグフレンドリールームもある。

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和樂web編集部


文・剣持亜弥
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