今も昔も身近で貴重なたんぱく源 長い歴史をかけて美味を追求! 【いづ重】(祇園)
「油揚げを醬油と砂糖で煮しめるのは日もちのためであって、味のためではないかな。私の理想は豆乳の香りがするおいなりさん。とはいえ、油揚げは毎日仕上がりが違うので、出汁を安定して煮含ませるのが難しいんです。鯖寿司のほうが、よっぽど簡単」と笑う、主人の北村典生(のりお)さん。
薪を使う〝おくどさん〟は高温で炊く力に優れ、油揚げの油抜きにも調味にも、この火力のおかげで油揚げが品のいい薄味にまとまります。
「釜に残ったおこげをおいしく食べる工夫として、いなり寿司が生まれたとか。風味の強いごぼう、麻の実やゆずを入れるのはそのためですね」。
店の創業は明治41(1908)年。当時からいなり寿司は品書きにあったそうで、「これ以上、手を加えるものがない完成度の高い食べ物」と胸を張る北村さんです。
薪で炊くから油抜きも味しみもいい

麻の実(おのみ)とごぼう、ゆずが入ります

専用箱の八坂さんは、3代目主人・北村典生さんが描いています

いづ重(いづじゅう)
住所:京都府京都市東山区祇園北側292-1
電話:075-561-0019
営業時間:10時30分〜19時
休み:水曜・木曜
公式サイト:https://gion-izuju.com/
イートイン席もある。
【みんな大好き「おあげさん」】シリーズ一覧はこちら。

