埼玉県(国宝:5件)
絢爛豪華な聖天さまは、地元の人の資金と労力の結晶
■「歓喜院 聖天堂」
読み:「かんぎいん しょうでんどう」

「聖天さま」と呼ばれて親しまれている歓喜院の聖天堂は、埼玉県唯一の国宝建造物。現在の建物は享保(きょうほう)20~安永(あんえい)8(1735~1779)年にかけ、地元の大工・林兵庫正清(はやしひょうごまさきよ)・正信(まさのぶ)親子らによって建立。近世装飾建築の頂点であるとともに、民衆の寄進により建立された点が高く評価され、国宝に指定されました。
●つくられた時代:江戸時代中期
●見られる場所:「歓喜院 聖天堂(妻沼〈めぬま〉聖天山)」 埼玉県熊谷市妻沼1511
●公式サイト:http://www.ksky.ne.jp/~shouden/
日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)を彷彿(ほうふつ)とさせる装飾彫刻は、江戸時代に発展した多様な装飾技法を用いたもの。
千葉県(国宝:4件)
日本地図作製に関わるものすべてが国宝!
■「伊能忠敬関係資料」
読み:「いのうただたかかんけいしりょう」

幕末から近代の日本地図の原典「大日本沿海輿地(よち)全図」の作製に尽力した伊能忠敬は、50代から江戸で天文学・測量術を学び、十数年かけて全国を測量。彼が婿入りした〝水郷の町・佐原(さわら)〟の歴史的町並みの一角にある記念館では、伊能図とその下図だけでなく、地上測量や天体観測用の器具などが見られます。
●つくられた時代:江戸時代
●見られる場所:「伊能忠敬記念館」 千葉県香取市佐原イ1722-1 常設展示
●公式サイト:https://www.city.katori.lg.jp/sightseeing/museum/
当時の最新技術が詰まった資料はいずれも興味深いものばかり。全国を歩いた伊能忠敬の苦労もしのばれる。
東京都(国宝:292件)
南北朝時代の立川一帯の信仰と文化の歴史を物語る
■「石幢」
読み:「せきどう」

南北朝時代につくられた石幢は、緑泥片岩(りょくでいへんがん=秩父青石)の板石6枚に、仁王像(におうぞう=阿形〈あぎょう〉・吽〈うん〉形)、四天王像(してんのうぞう=持国天〈じこくてん〉・増長天〈ぞうちょうてん〉・多聞天〈たもんてん〉、広目天〈こうもくてん〉)を浮彫(うきぼり)にし、六角柱に組み、六角形の台座と笠石で挟んだ、芸術性の高いもの。普濟寺(ふさいじ)が受け継ぐ貴重な石造物は近年、防災対策のため修理。現在、その展示施設が建設されているところです。公開時期は公式HPなどをご確認ください。
●つくられた時代:延文6(1361)年
●見られる場所:「普濟寺」 東京都立川市柴崎町4-20-46
●公式サイト:https://www.fusaiji.or.jp/
普濟寺は文和(ぶんな) 2(1353)年、武士立川氏を開基に、鎌倉・建長寺の禅僧により開山。開創間もないころに石幢がつくられた。
神奈川県(国宝:19件)
神奈川を代表する国宝といえば、やはり、鎌倉の大仏さま!
■「銅造阿弥陀如来坐像(鎌倉大仏)」
読み:「どうぞうあみだにょらいざぞう(かまくらだいぶつ)」
幕府が開かれた鎌倉時代の国宝が数多くある神奈川で、だれもがよく知る存在であり、県民にとって自慢の国宝というと、なんといっても高徳院(こうとくいん)の「銅造阿弥陀如来坐像」。「鎌倉大仏」と呼ばれ、国内外の観光客が参拝に訪れている仏像です。鎌倉時代の作風が残っていることが特徴で、覆う建物がない、いわゆる〝露坐(ろざ)〟の像です。
●つくられた時代:鎌倉時代
●見られる場所:「高徳院」 神奈川県鎌倉市長谷4-2-28
●公式サイト:https://kotoku-in.jp/
写真映えすることでも人気を集めている「鎌倉大仏」。内部が見られる「大仏胎内拝観」があるので、訪れた際にはぜひ!
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新潟県(国宝:1件)
なんという、縄文人の芸術性の高さ!
■「火焔型土器」(新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器)
読み:「かえんがたどき」(にいがたけんささやまいせきしゅつどふかばちがたどき)
笹山遺跡の深鉢形土器群は平成11(1999)年、縄文土器として初めて国宝に指定。国宝を代表する火焔型土器は、約5000年前ごろに信濃川(しなのがわ)流域でつくられました。過剰なまでに装飾が施された造形美から、日本の原始美術を代表する出土品として海外展にも出品されています。
●つくられた時代:縄文時代中期・約5400~4500年前
●見られる場所:「十日町市博物館」 新潟県十日町市西本町1-448-9 所蔵:十日町市(十日町市博物館保管)
●公式サイト:https://www.tokamachi-museum.jp/
国宝指定の笹山遺跡の深鉢形土器57点は、定期的に入れ替えを行いながら十日町市博物館で常設展示されている。
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都道府県別国宝件数TOP5
順位 都道府県 件数 (美術工芸品/建造物)
1位 東京都 292件(290/2)
2位 京都都 239件(186/53)
3位 奈良県 208件(144/64)
4位 大阪府 62件(57/5)
5位 滋賀県 56件(34/22)
上位は、現在の首都と、かつて都が置かれた関西の4府県。政治、経済の中枢には、文化財も多いことがわかります。注目したいのが1位東京の建造物で、わずか2件だけ。江戸時代からの建物は戦災の影響もあって極端に少なく、美術館・博物館が所蔵する美術工芸品が大多数を占めているのです。
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※件数に2025年3月に答申された「伎楽面」「物語下絵料紙金光明経巻第二」など4件は加えていません。

