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2026.02.15

シブくてかっこいい&かわいい! 全国のご自慢「国宝」大調査 【part4:富山、石川、福井、山梨、長野】

令和7(2025)年4月1日現在、国宝総数は1144件。好評だった本誌記事・全国のご自慢「国宝」大調査より、北から順に5つずつ紹介していきます。Part4は北陸3県と甲信2県。仏教建築や茶道具、縄文土器など、見どころがたくさんあります。

富山県(国宝:2件)

工芸技術が発達した高岡市ならではの質実剛健な美
■「瑞龍寺」(山門・仏殿・法堂)

読み:「ずいりゅうじ」(さんもん・ぶつでん・はっとう)

瑞龍寺は、高岡のまちを開いた加賀前田家2代目・利長(としなが)の菩提(ぼだい)を弔(とむら)うために建立された寺です。山門(写真)、仏殿、法堂が国宝に指定されていて、江戸時代前期の禅宗寺院を代表する建築として評価されています。一直線に並んだ堂宇(どうう)と、仏殿を囲むようにつくられた回廊による、左右対称の整然とした伽藍(がらん)配置が特徴です。
●つくられた時代:江戸時代前期・17世紀
●見られる場所:「瑞龍寺」 富山県高岡市関本町35
●公式サイト:https://zuiryuji.jp/
仏殿の鉛板葺(なまりいたぶき)屋根、法堂の天井画なども見もの。毎週日曜の早朝坐禅会は一般参加可(要電話連絡)。

石川県(国宝:2件)

美術工芸が盛んな加賀に伝わる名品
■「色絵雉香炉」仁清作/

読み:「いろえきじこうろ」(にんせいさく)

京焼の祖といわれる仁清作の、雉の形の香炉。実物大の力強い姿と美しさが見どころです。加賀前田家の家臣(かしん)の家に伝わり、幕末に商家・山川家に伝来。戦時中の当主・庄太郎は、自分の命に代えてでも雉香炉を守ろうとしたとか。その後、多くの人に鑑賞してもらうため石川県へ寄贈。石川県立美術館で公開されるようになりました。
●作者:野々村仁清(ののむら にんせい)
●つくられた時代:江戸時代・17世紀
●見られる場所:「石川県立美術館」 石川県金沢市出羽町2-1
●公式サイト:https://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/
雌雄一対でつくられた雉香炉。香炉としては大ぶりで、背の部分に4個の煙出し孔(あな)がある。
参考画像はこちら!

福井県(国宝:6件)

平安時代の創建以来、深山幽谷に佇む仏塔
■「明通寺三重塔」

読み:「みょうつうじさんじゅうのとう」

明通寺は小浜市(おばまし)にある真言宗御室派(しんごんしゅうおむろは)の寺院で、大同元(806)年、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)によって創建されました。鎌倉時代中期に再建された三重塔と本堂はいずれも国宝で、福井県に2件のみの国宝建造物が明通寺にあるのです。三重塔は深山幽谷(しんざんゆうこく)の地にひっそり佇む姿に趣があり、堂々とした本堂とともに、訪れる人々を魅了しています。
●つくられた時代:鎌倉時代中期
●見られる場所:「明通寺」 福井県小浜市門前5-21
●公式サイト:https://myotsuji.jimdofree.com/
本堂に鎮座する本尊・薬師如来坐像(やくしにょらいぞう)、降三世明王立像(ごうざんぜみょうおうりゅうぞう)、深沙大将(じんじゃだいしょう)立像、不動(ふどう)明王立像などの重要文化財も必見。

山梨県(国宝:5件)

甲州ワイン発祥の伝説をもち地元で愛されている〝ぶどう寺〟
■「大善寺本堂 附厨子1基」

読み:「だいぜんじほんどう つけたりずし1き」

鎌倉時代の密教(みっきょう)建築の遺構である本堂は、関東周辺で最も古い木造建造物。24m四方で、幅広の縁が四周を取り巻き、流麗な線をもつ檜皮葺(ひわだぶき)の屋根には、鎌倉時代の建築の力強さが表れています。内陣には須弥壇(しゅみだん)を設けて厨子を置き、薬師如来像(やくしにょらいぞう)を安置していることから「薬師堂」とも呼ばれています。
●つくられた時代:弘安9(1286)年
●見られる場所:「大善寺」 山梨県甲州市勝沼町勝沼3559
●公式サイト:https://daizenji.org/
寺伝に僧・行基(ぎょうき)や葡萄(ぶどう)との関係が記され、寺域で栽培やワイン醸造も行う別名「ぶどう寺」。宿泊もできる。

長野県(国宝:10件)

日本人の〝かわいい!〟好きは縄文時代から!?
■「土偶(縄文のビーナス)」

読み:「どぐう(じょうもんのびーなす)」

土器や石器などが多数出土している尖石(とがりいし)遺跡でも有名なのが、縄文時代の遺物として最初に国宝に指定された土偶「縄文のビーナス」。妊婦を表す像は、頭部や下半身の造形も個性的。雲母(うんも)入りの粘土が使われているため、キラキラと輝いて見えます。
●つくられた時代:縄文時代中期・約5400~4500年前
●見られる場所:「茅野市(ちのし)尖石縄文考古館」 長野県茅野市豊平4734-132 所有:茅野市(茅野市尖石縄文考古館保管)
●公式サイト:https://www.city.chino.lg.jp/site/togariishi/
「縄文のビーナス」と並び称される国宝土偶「仮面の女神」など、約2000点の出土品が収蔵・展示されている。
参考画像はこちら!

都道府県別国宝件数TOP5

順位 都道府県 件数 (美術工芸品/建造物)
1位 東京都 292件(290/2)
2位 京都都 239件(186/53)
3位 奈良県 208件(144/64)
4位 大阪府 62件(57/5)
5位 滋賀県 56件(34/22)

上位は、現在の首都と、かつて都が置かれた関西の4府県。政治、経済の中枢には、文化財も多いことがわかります。注目したいのが1位東京の建造物で、わずか2件だけ。江戸時代からの建物は戦災の影響もあって極端に少なく、美術館・博物館が所蔵する美術工芸品が大多数を占めているのです。

全国のご自慢「国宝」大調査シリーズ一覧はこちら

※本記事は雑誌『和樂(2025年6・7月号)』を再編集した転載です。
※件数に2025年3月に答申された「伎楽面」「物語下絵料紙金光明経巻第二」など4件は加えていません。
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和樂web編集部


構成/山本 毅、後藤淳美(本誌)
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