男性の帯結びの定番、貝の口
私は、男性が浴衣の帯を粋に締めている姿にグッときます♡男性の帯結びの定番と言えば貝の口ですが、後ろ姿がいいですよね! 名前の由来は、帯を結んだ形が貝の口のように見えるからだそう。確かに折り目が2つ重なっているので、二枚貝の口のようです。別名を男結びと呼び、江戸時代から現代まで粋な帯結びとして人気が続いています。
関東と関西では、結び方が逆?
貝の口の結び方は、実は関東と関西で違うのはご存知ですか? 形は同じなのですが、結び方の向きが逆になります。帯を結ぶ時は、まず帯を身体に巻き付けます。そして両手で分けて帯を持ちますが、短い方を『手先』と呼び、長い方を『たれ』と呼びます。自分の体を中心にして反時計回りに帯を巻き、結び目の手先が右側にくると、関東巻き。その逆で時計回りに回して、手先が左側だと関西巻きです。
なぜ東西で違うのかは、諸説あるようですが……。元々の結び方は関西巻きでしたが、江戸っ子の反発心で逆になったとか。あるいは、武家社会の江戸では、手先が左側にあると、刀を差す時に邪魔になったからではないのか? 一方町人、公家文化の上方ではその心配はなかったというもの。現在では、かつてほど東西で分かれていなくて、着付け教室によっても違うようです。
女性が結んでもおしゃれな貝の口
貝の口は男性だけでなく、女性も半幅帯で、浴衣や普段着の着物を着たときに結ぶとすっきりとしていておしゃれです。温泉旅館の帯も、この結び方にすると、気分が上がりますよ! 私は関西人なので、関西巻きで結んでいます。
歌舞伎の舞台では、町人役の歌舞伎俳優を見ると、貝の口で結ばれています。演目によって関東風と関西風と違うので、チェックするのも面白いかもしれませんよ。