この怪しい生物は何でしょうか?
ヒントは、『生きた化石』と呼ばれています!
わかりましたか?
答えは…….。
カブトガ二でした~
カブトガニは、蟹じゃなかった!
カブトガニという名前なので、蟹の一種と思われがちですが、蟹ではありません。分類上はクモ類に近い生物になります。ルーツをたどっていくと、古生代にまでさかのぼると言うから驚きです。地球上に出現して約2億年もの間、姿を変えずに生きてきた存在なのです。
カブトガニの生息に適しているのは、波の穏やかな浅海と、広大な干潟と砂浜がある場所です。しかし、埋め立てなどの影響もあって、年々数が減少しています。岡山県笠岡湾内の干潟は、カブトガニが多く繁殖していたことから、国の天然記念物の指定を受けて保護されています。一時絶滅の危機にひんしていましたが、海辺の清掃や人工飼育などで、カブトガニの数が少しずつ増えています。
ダース・ベイダーのようなインパクト!
カブトガニの一番の特徴は、ヘルメットのような形の甲羅(こうら)でしょう。まるで映画『スターウォーズ』に出てくるダース・ベイダーの仮面みたいですね。身体は、前体(頭胸部)・後体(腹部)・尾剣の3つに分かれています。海水温が高くなると活動し、低下すると沖合の少し深い場所に潜って冬眠します。
カブトガニが人類を救う?
カブトガニが、私達人類の命を救ってくれていることは、あまり知られていません。カブトガニの血液には不思議な特性があって、微量のばい菌でもゲル状に固めることができます。アメリカの学者が、大腸菌などのばい菌を短時間に固めることを発見しました。この大発見によって、カブトガニの血液から出来た試薬が、注射針やメスなど、ヒトの血液に触れる全ての医療機器の検査に使われています。アメリカの製薬会社では、カブトガニを捕獲して血液を摂取して医療に利用した後、海に返しているそうです。
現在新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発が、世界各国で行われています。製造中のワクチンや薬に、有害な物質が含まれていないかどうかの検査にも、カブトガニの血液成分が利用されています。微量の毒素が入っただけでも、人を死にいたらしめるため、この検査は必要不可欠です。今世界中が、カブトガニに頼っている状況なのです。
数年前には、アメリカでも天然資源であるカブトガニの保護を訴える声が出始めて、合成物質の代替品も開発されました。しかし、カブトガニの成分の安全性と信頼があついことから、まだまだ助けてもらうことになりそうです。
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参考文献:『精選版日本語大辞典』小学館発行 『海辺の生物』小学館発行
笠岡市立カブトガニ博物館